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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第62話 監獄

 
前書き
監獄へ 

 
レジスタンスのトレーラーの転送室にはアリアとシエル、エックスの姿もあった。

そしてルージュが端末を操作しながら、口を開く。

「転送完了まで…2…1…転送!!お疲れ様でした」

トランスサーバーにゼロ達が帰還する。

アイリスはアリアと少し会話をした後、転送室を後にした。

「お帰り、ゼロ、ルイン…ネージュさんの連れて行かれた場所が分かったわ、ここから西へ行った所に敵の基地があったの。ネージュさんとクラフトはきっとそこに居るはずよ」

「転送はいつでも行けます、ゼロさん達の準備が出来ましたらいつでも声をかけて下さい」

「ゼロ、ルイン…大変なことになったね…」

「うん……正直、分かっていたつもりだったけど…」

少なくとも彼らのために体を張ったネージュを見捨てようとしたことにルインは苛立ちを感じていた。

「仕方ないよ。人間は弱い、普段は道徳観念に基づいて生きてはいるけど、命の危険に曝されたら、自分の命を守るのに必死になる。人間は僕達みたいに壊れても修理出来る訳じゃないんだ。体だって僕達レプリロイドに比べれば遥かに脆い」

「まあ、機械のレプリロイドと生身の人間の強度の差なんて月とスッポンレベルだよ。例えば岩を殴ったとしようか。レプリロイドが殴ったところで岩が砕けるだけで、レプリロイドには何も影響はなし。まあ、多少の傷がつくかも知れないけど、じゃあ人間が岩を殴った場合はどう?その時砕けるのは岩じゃなくて人間の拳。酷い有り様になってるだろうねえ…あー、想像したくないー。」

手をプラプラさせながら言うアリアにシエル達は少しだけ苦笑し、少しだけ転送室の重かった空気がマシになったのを感じた。

彼女の人柄のためなのか、普通なら苛立つような態度もアリアなら何となく許してしまう。

「あははは、そろそろ行こうよ。ネージュさんを助けにさ」

「今回は僕も行く。ゼロとルインだけでは危険過ぎるからね」

エックスとルインがルージュにそう進言するとルージュも頷いた。

「分かりました。ネージュさんを連れ去った後、クラフトの反応が消えたポイントがここです。恐らくラグナロク作戦を指揮する前線基地と思われます」

「ネージュはここに居るのか…」

「ねえ…ゼロ…本当にこのままでいいのかしら…」

「…集落の人間達のことか?」

「ええ…このままネージュさんを助ける事が出来ても…集落の人達の心を変える事が出来なかったら、何の意味もないのかなって…人間がレプリロイドを嫌っているって聞いてずっと考えてるの…私達のやり方で本当に平和な世界が創れるのかしら…」

トルナード達のネージュへの疑いや不信感を考えると、ネージュを助けたとしても、今までのように集落にネージュの居場所はないのかもしれないと考えたのだ。

ネージュを助けても、彼女に不信感を抱いてる集落の人々はどう思うのか。

「あんまりマイナスに考えない。プラスに考えようよシエルちゃん…確かにエックス君の言う通り、人間は弱いけど本当にどうしようもないくらい弱いわけではないんだよ。だってレプリロイドを造って“心”を与えたのは人間なんだ。ゼロ君達が優しさや勇気を持ってるのに人間が持ってないわけないじゃない。」

アリアの言葉に全員が口を閉ざした時、転送室に通信が入った。

「外部回線より通信、人間達の集落からです」

「え?」

「回線を接続します」

『聞こえるか?…やはり俺達にはネージュを助ける事は出来ない…。俺達は人間だ、あんた達レプリロイドのように強くはないんだ…だが…あんた達の言う通り、ネージュを見捨ててしまったら、俺達が集落を作る意味が無くなってしまう。バイルの支配を受けずに俺達の力で生きて行こうと決めた時から…。ネージュは俺達を何度も助けてくれたんだ…だから…こんなことを言えた義理じゃないが、頼む。仲間を…ネージュを助けてくれ、あんた達がバイル軍の連中とは違うと言うのなら、俺達に…人間に力を貸してくれ!!』

「…みんな…!!」

人間達が心を開き、そして力を貸して欲しいと、自分達を頼ってくれたことに歓喜するシエル。

「ほらね?人間も捨てたもんじゃないでしょ?…誰もがみんな弱さを持ってるけど、弱いからこそ手を差し伸べる勇気を人間は持ってるのさ」

アリアの言葉が不思議と全員の心に響く。

「…ああ、分かった。ネージュは必ず助け出す」

「あなた達はネージュさんの帰りを待っていて」

『…ありがとう…幸運を祈る』

通信が切れるとゼロ達がトランスサーバーに乗り込む。

「皆さん…いつでも行けます」

「みんな…気をつけてね…!!」

「無事に戻ってくるんだよ」

「ああ…オペレーター、転送を頼む」

「了解…転送準備完了…転送!!」

三人が転送の光に包まれ、三人はネージュが捕らえられた前線基地に向かう。

「三人共…必ず…帰ってきて…ね…」

「大丈夫、信じようよ」

シエルとアリアは静かに三人の帰還を待つ。

そしてバイル軍の前線基地に転送されたゼロ達にルージュからの通信が届いた。

『そこから先へ進むと内部に通じるダクトに入れます、危険ですが…そこからのルートがネージュさんの居るエリアへの近道です』

ルージュの指示に従いながら、メカニロイドを破壊しながらダクトに侵入する。

中の障害物をエックスがダブルチャージショットで破壊してくれたためにかなり早いペースで基地内に入れた。

シャッターを潜ると、三人の前に巨大なレプリロイドが出現した。

ルインはHXアーマーに換装して弱点を探る。

「(ヘル・ザ・ジャイアント。かつてネオ・アルカディアによりイレギュラー指定を受け幽閉されていたが、バイルにより連れ出され、監獄の番人を任された。こいつの弱点は頭部か…)」

エックスとゼロに解析結果を送ると二人も頷き、エックスはXバスターを、ゼロはZセイバーを構えた。

ヘル・ザ・ジャイアントが鉄球を振り下ろすと、三人は同時にかわし、エックスがダブルチャージショットを放ち、ゼロがチャージセイバーを繰り出す。

そして二人がヘル・ザ・ジャイアントから離れた瞬間にルインがオーバードライブで強化したプラズマサイクロンを繰り出す。

電磁竜巻によって体をズタズタにされていくヘル・ザ・ジャイアントだが、構わず両腕の鉄球を振り回す。

「アイスジャベリン!!」

「ダブルチャージショット!!」

「とどめの…メガトンクラッシュ!!」

バスターショットから放たれたテック・クラーケンのDNAデータを解析して編み出したバスターの必殺技を繰り出し、エックスは再びダブルチャージショットを、ルインはFXアーマーに換装してオーバードライブを発動した状態でのメガトンクラッシュを繰り出し、ジャイアントを撃破した。

「光を…光をくれぇ!!」

叫びながらジャイアントは爆発を起こしながら落下していく。

それを見届けた三人はシャッターを抉じ開けて奥の部屋にいたネージュを発見した。

「ゼロ…!それとあなた達…どうしてここに…!?」

「お前を助けに来た。集落の人間達に頼まれてな」

「…ありがとう、でも…出来ることならクラフトともっと話をしたかった…」

危険を冒して自分を助けに来たゼロ達。

それを理解し、ネージュは初めてゼロ達に心を開く。

しかし、このまま去るにはこの場に一つの心残りがあった。

「ネージュさん、あなたは…クラフトと知り合いだったようだね。ネオ・アルカディアのレプリロイド工学員でもない民間人がレプリロイドの知り合いなんて珍しいんじゃない?」

「…やっぱりそう思う?まだ駆け出しの頃…戦場でイレギュラーに襲われた私をクラフトが助けてくれたの、人間を守ることに誇りを持って戦うクラフトの姿に、私は惹かれていった…フフッ、おかしいよね。人間がレプリロイドを好きになるなんて…」

「………」

「ネージュさん…」

昔はレプリロイドと人間の恋愛は珍しくはなかったが、今の時代では人間とレプリロイドの恋愛は珍しいのだろう。

恐らく人間とレプリロイドの友情ですら珍しいものと化しているだろうに。

「…そして俺も、真実を人々に伝えようと戦う一人の人間を好きになっていった…」

「っ!!」

部屋の中に入ってきたクラフトに全員が身構えた。

クラフトは一瞬だけエックスに目を遣るが、すぐにネージュに視線を戻した。

「クラフト!!」

「ネージュ…君はあの時から変わらないな、自分がやると決めた事はどんなに危険でもやり抜こうとする」

過去のネージュの行動を思い出しながら呟くクラフトにネージュも過去のクラフトのあり方を思い出しながら口を開く。

「あなたは変わってしまったけどね、あなたは自分の考えで人間のために戦っていたのに…今はバイルの言いなりなのね」

「君は何も分かっていない。バイルはこのラグナロク作戦で、外界で暮らす人間達ごと全ての自然を破壊するつもりだ。だから…外界へ逃げた君を探すために俺はこの作戦に加わった。ネージュ…君という人間を守るためにだ。君だけじゃない、ネオ・アルカディア跡地に残っている人間やレプリロイド…俺達が生きていくためには僅かなエネルギーや居場所を守るしかない、例えそれが…バイルのような奴の支配の元でも……」

必死にネージュを説得しようとするクラフト。

例えバイルの圧政を強いられようと、今の人間とレプリロイドにはそれしか生きる道はない。

クラフトの行動は全て、納得出来ないことはあってもネージュを…自分が守りたいものを守るためだった。

「だから…バイルに従うというの?自分達が生き残るために、他の人々の自由や僅かな自然を奪おうというの?…それがずっと人間のために戦い続けて来た、あなたの目指した正義だというの…?」

「………」

ネージュの言葉に無言になるクラフト。

クラフトの言葉は当然のことながらネージュには理解してもらえなかった。

答えられないのは、心のどこかでネージュの言うことが正しいと感じているからか、自分の考えをネージュに理解してもらえなかったからか。

「クーックックックッ…お前達人間が正義を語るのかね?百年前に儂をネオ・アルカディアから追放し…イレギュラーとしてレプリロイドを処分してきたお前達が…人間如きが今更正義を語ろうと言うのか!?笑わせるのぉ!!」

「この凄く頭に来るような陰湿な声は…!」

「あなたか…Dr.バイル!!」

エックスが叫んだ直後にバイルが姿を現した。

「クーックック…本当に笑わせてくれるわい…ネオ・アルカディアの元統治者としてそうは思わんかのぉ!?エックス!!」

バイルがエックスに向かって叫ぶとネージュとクラフトの視線がエックスに向けられる。

「エックス様…!?」

「やはりあなたがエックス様だったのか…!」

この部屋に入った時にクラフトはエックスを見て、違和感を感じたが、どうやら本当にエックスだったようだ。

「クックックックッ…大活躍じゃあないかゼロ、ルイン、エックス…残る部隊は後四つ…だが貴様らにラグナロク作戦を止める事は出来ん。絶対にな…クーックックックッ…!さあそこの女…お前はどうする?お前の言う自由とやらと共にエリア・ゼロで死を待つか!?それともクラフトのように、儂のような奴の元で生き長らえるか!儂はどっちでも構わんのだがねぇ!?」

「…くっ!バイル…!!」

拳を握り締めながらバイルを睨み据えるネージュを見て、バイルは陰湿な笑みを深める。

「クーックックッ…そうだその顔だ…苦しみと屈辱と怒りに満ちた表情、それが儂の喜びとなるのだよ…。この喜びこそが…支配者にだけ許された快楽なのだ…!!」

「分かったろう…今、この世界に正義など無いという事が…あるのは生き残る者と死に行く者だけだ。ネージュ…オレは君を死なせたくない…」

ネージュを何とか説得し、救おうとするクラフトに対してゼロ達が武器を構えながらネージュを庇うように前に立つ。

「バイル!これ以上あなたの暴挙は許さない!!」

ZXバスターを向けるルインにバイルは嘲笑を向ける。

「ルイン…わしを撃てるのか…?人間であるこの儂を…?そこの女の目の前で、自らイレギュラーとなってみせるかね…?」

「本っ当に…ムカつく奴…!!」

バイルの言葉に怒りを感じて歯噛みするルイン。

エックスとゼロも武器を構えるが、動けないでいる。

そこにネージュが三人にしか聞こえないくらい小さい声で話しかけた。

「(エックス様…ゼロ…ルイン…私が合図を出したら目を閉じて…)」

「……っ!!」

「さあ…どうする?人形共…!女…!」

「私は…誰かに支配されて死んだように生きるくらいなら…今を精一杯生き抜いて!!笑いながら死ぬ方を選ぶわ!今よ!えぇいっ!!」

ネージュの合図にゼロとエックスとルインは目を閉じ、それを確認したネージュの投げた閃光弾が炸裂した。

「何っ…!目眩ましか…!!」

「クッ、何も見えん…!この女ぁ!!」

「ゼロ!!」

「分かっている!はああっ!!」

クラフトとバイルの目が眩んでいる隙にゼロがチャージセイバーを床に叩き込んで穴を開けると、エックスがネージュを抱き抱えながら飛び降り、ゼロとルインもそれに続いた。

しばらくして視力が回復したクラフトとバイル。

辺りを見回しても床に穴があるだけでゼロ達はいない。

「小癪な…逃げおったか…フン、まあよい…クラフト、ラグナロク作戦を続行しろ。ゼロ達やあの女に見せつけるのだ…わしに逆らう事がいかに愚かな事であるかをな!!」

バイルが転送の光に包まれ、この場を去る。

「…“死んだように生きるより精一杯生きてから死ぬ”、か…ネージュ…俺は…」

逃げる直前にネージュが残した言葉を反芻するように呟くクラフト。

ネージュの言葉によって迷っていたクラフトの中で確かな変化が起きようとしていた。

地下に降りたゼロ達。

エックスはネージュに今までの…人間優位の政策がネオ・アルカディアで行われていた時と、その前の事情などをある程度話す。

自分はオリジナルであり、ネージュ達の知る今まで人間優位の政策をしていたのは自分ではなくコピーであったことなどだ。

「そうだったんですか…エックス様はこれからどうするつもりなんですか?」

「僕がやることは昔と変わらない。人間とレプリロイドの共存を目指すつもりだよ。君やクラフトみたいな…ね…それからルイン、何を拗ねてるんだい?」

エックスが振り返ると、どことなく不機嫌な表情を浮かべているルインの姿に疑問符を浮かべた。

「何で怒ってるんだい…?」

「分かんない、エックスがネージュさんと話してるとムカムカする。シエルやアリアさんと話してる時は感じないのに」

それは嫉妬と言う感情だが、恋愛に関する精神年齢がまだ低いルインには分からす、二人を見たゼロはシエルとアルエットが観ていた古い恋愛映画というのに確か今の状況と似たような場面があったのを思い出した。

「エックス、浮気は感心せんぞ」

「いきなり何を言い出すんだ君は!?」

いきなりとんでもない台詞を吐いたゼロにエックスは思わず叫んだ。

「それよりも…大丈夫か?」

「ええ、ジャーナリストをやってればあれぐらいのピンチなんていつもの事よ。さっきの目眩ましもいつも隠し持ってるの」

「へえ、今の人間にしては意外とパワフルだね。ネオ・アルカディアの人間って平和ボケしてるイメージがあったんだけど」

ルインのストレートな物言いにネージュは苦笑するが、それは仕方のないことだ。

ネオ・アルカディアの居住区を何回か見てきたルインからすればネージュのような存在はかなり珍しいようだ。

「だがここに長くいるのは危険だな…シエル、聞こえるか?転送を頼む」

『ゼロ!良かった…無事だったのね、ネージュさんも一緒なのね?先にネージュさんをトレーラーに転送するわ』

「ああ、頼む」

「ゼロ…ルイン…エックス様も…ありがとう…」

「俺は集落の人間達に頼まれただけだ、礼なら奴らに言ってやれ…」

「それから出来れば僕のことを言わないでくれないかな?僕はもう、ネオ・アルカディアの統治者ではないし…せっかく、人間達が自分の足で歩こうとしているんだ…。」

「分かりました…このことは黙っておきます。クラフト、ごめんなさい…」

エックスの言葉に頷きながらも、クラフトに謝罪するネージュ。

やり方はどうあれ、自分を守ろうとしてくれたクラフトに対して多少申し訳ないと思っていたのだろう。

ネージュが転送の光に包まれ、レジスタンスのトレーラーの転送室に転送された。

『ネージュさんの転送が終わったわ、次はゼロを転送するわね。次にエックス、ルインの順番で…。』

ゼロ、エックスが転送され、最後にルインの番になった時に地下で警報が鳴る。

「え!?」

『プリズンエリアヨリ脱走者アリ!脱走者アリ!セキュリティレベル1カラレベル3ニ移行!レベル1カラ3ニ移行!!』

『ルイン!?どうしたの!?おかし…わ…!ル……の座標…ノイズが…!ル……!返事…て…!!』

シエルからの通信が届かなくなり、ルインは思わず表情を顰めた。

「もしかして妨害電波?ああもう、妨害電波の届かない場所まで行くしかないか!!」

HXアーマーに換装して、四基のバーニアを噴かしてエアダッシュで移動しながら出口を探す。

目の前に立ち塞がるメカニロイドやバリアントを破壊し、道を塞ぐ柵のようなトゲをプラズマサイクロンで吹き飛ばす。

それらを繰り返しながら先に進み、下り坂を駆けると巨大な鉄球が落ちてきた。

段々鉄球のスピードが上がり、ルインもバーニアの出力を上げ、必死に逃げる。

奥の方にバリアントに守られたシャッターを発見し、ダブルセイバーでバリアントを両断してシャッターを潜った。

外に出た瞬間に鉄球がシャッターと激突したのか凄まじい轟音が響いてきた。

「危なかった…」

後少し遅かったら鉄球とシャッターに挟まれてスクラップにされていただろう。

『…ルイン!?ルイン!聞こえる!?』

「え?ああ、うん。聞こえるよ。どうやらここなら妨害電波は届かないようだね。転送をお願い」

『了解、ルインさんを回収します』

ルージュの声が聞こえた次の瞬間にルインが転送の光に包まれ、レジスタンスのトレーラーの転送室に転送されるのだった。

「転送完了まで…2…1…転送!!お疲れ様でした、ルインさんの転送完了しました」

「ああ、酷い目に遭った……」

「大丈夫かい?」

疲弊した様子のルインにエックスが歩み寄り、シエルも安堵の溜め息を吐いた。

「ルイン…無事で良かった…」

「あれ…ネージュさんはどうしたの?」

この場にいないネージュが気になったのか、ルインはネージュのことをシエルに尋ねる。

「集落に戻ったわ、みんなにお礼を言いたいって…」

「…そっか」

「ねえ、ルイン。私達…人間の力になれたのよね…?人間の助けになれたのよね…?」

自分達が人間達の力になれたことを喜ぶものの、実感が湧かないのか、シエルはルインに何度も問う。

「勿論だよ」

「…だが、まだバイルの作戦は終わっていない…ミッションを再開するぞ」

「ええ…!ゼロ、みんな。頑張りましょう…!!」

シエルを、ネージュ達を守るべく、ミッションの再開を促すゼロに全員が頷いた。 
 

 
後書き
エックスの正体バレました。
ボディの色を変えただけですが、オリジナルボディではないのでクラフト達、ネオ・アルカディアのレプリロイドは自分達の知るエックスやコピーエックスの反応とはかなり違うためにぱっと見では分からない。 
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