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Blue Rose

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第一話 植物園でその四

「カウンターテノールな」
「何だそれ」
「カウンターテノール?」
「歌の声域であるんだよ」
 そのカウンターテノールを出した者が話す。
「裏声で女の人の声で歌う人だよ」
「へえ、そんな人いるのかよ」
「そんな人もいるんだな」
「オペラ歌手で少ないけれどいるんだよ」
 そのカウンターテノールがというのだ。
「凄いぜ、CD聴いたら完全に女の人だしな」
「そんな人いるんだな」
「じゃあ蓮見はそれか?」
「カウンターテノールか?」
「それか?」
「そうかもな」
 こう言うのだった、その彼は。
「まあこんなこともあるのかな」
「そうか、蓮見はか」
「カウンターテノールか」
「それか」
「俺が思うにはな」
 こう前置きもするのだった。
「蓮見はそれだろ」
「カウンターテノールか」
「それなんだな、こいつは」
「ああ、ただな」
 彼はこうも言った、首を傾げさせつつ。
「カウンターテノールって歌う時に裏声で出すんだよ」
「地声じゃなくてか」
「裏声なんだな」
「それで歌うんだな」
「そうなんだよ、けれどこいつはな」
 優花はというと。
「普段からだろ」
「ああ、女の子の声だよな」
「しかも外見もだからな」
「小柄で筋肉質じゃなくてな」
「身体つきも丸いよな」
「睫毛はやけに長いし」
「髪の毛の質もな」
 そちらもというのだ。
「女の子みたいだな」
「っていうかこいつ前はもっと男っぽくなかったか?」
「あっ、そういえばそうだな」
「少し前はな」
「もっと男っぽかったよな」
「雰囲気とかな」
「前よりもな」 
 さらにというのだ。
「女の子みたいになったよな」
「そういえば声もな」
「余計に高くなったな」
「あと顔もな」
「どんどん女の子みたいになってるな」
「そうかな」 
 優花は彼等のその言葉に首を傾げさせて返した。
「僕そんなに女の子みたいになってきてるかな」
「何かそんな感じするんだよ」
「俺達の気のせいかも知れないけれどな」
「ちょっとな」
「そんな気がするんだよ」
「ただそれだけだけれどな」
「まあそれ位にしてくれるか?」
 ここでだ、龍馬が友人達に言った。優花の前に立って彼を護る様にして。
「そうした話は」
「ああ、じゃあこれでな」
「蓮見にも悪い話だしな」
「これで止めるな」
「もうな」
「そうしてくれよ、御前もな」
 その優花にもだ、龍馬は言った。
「気にするなよ」
「うん、気にしてないよ」
 優花は龍馬に微笑んで答えた。
「そうかなっておもっただけれでね」
「ならいいけれどな」
「じゃあもう昼だしな」
「食堂行こうぜ、食堂」
「うどんでも食うか」
「そうしようか」
 そうしたことを話してだ、そしてだった。
 龍馬も優花も彼等と共に昼食を食べに行った、優花は好きなうどんを食べた。そして午後の学園生活も楽しんでだった。
 家では彼が夕食を作ってだ、仕事から帰って来た姉の優子と一緒に食べた。その夕食を食べてだった。
 優子は向かい側に座っている彼を見てだ、こう言った。
「何か味がね」
「どうしたの、姉さん」
「いえ、前よりもよくなってるわね」
 こう言うのだった。 
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