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揺るがぬ生き様

作者:刀の道
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Fate
  No.9

 マッケンジー宅side


「あ、あの~こちらはマッケンジー様のお宅でしょうか?」

「んー!、それはここの家主の姓で相違ない」

「えっと・・・征服王イスカンダル様っていらっしゃいますか?」

「余の事だが?」

「あー・・・はい・・・ハハハ・・・あ、ここに受け取りのサインをお願いします」

「署名か?よろしい」

「確かに受け取ったぞ」

「毎度ありがとうございました」
 配達員が消えた後再度インターホンが鳴らされる

「よう、征服王ちょいと面白い話があるんだが聞かねえか?」

「お!お主坊主に聞いた死神とやらではないか!うむ話とはなんだ?」

「明日酒宴を開こうと思うんだがな?お前も参加するか?」

「なんと!それはぜひとも余も参加しなければな」

「それとな・・・きっとお前体がでかいから服のサイズがねえと思うから、このズボンやる」

「なんと・・・うむ、頂こう!」

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 間桐館side

「さて、雁夜これからアインツベルン城に行く準備しろ」

「わかった、劔さんはどうするんだ?」

「俺はちょいと招待状を送らないといけなくてな、土産も渡さねえとな」
 そう言って劔が取り出すのは漫画本だった。

「それと雁夜お前は蟲でセイバーの主を倒せ、奴の銃弾には気をつけとけよ」



「さて、お前・・・名を名乗れ」
 雁夜と別れ今劔の目の前にいるのは昨夜捕らえた女性

「偽名ですが久宇舞夜です。しかし何故私を捕らえたのです」

「そりゃ、いい女は幸せになって欲しいし・・・それにちょいと必要だったんでな」
 そう言って劔は聖杯の現在の状況を記した書類を手渡す

「っ!これは!」

「詳しくは明日の酒宴の時に話すが、衛宮切嗣の望みは叶わないという事だ」
 そう劔はまず冷静に話しを聞くことができる者に話を通そうと考えていた。

「それで私にどうしろというのですか?」

「俺の部下になって欲しい訳だ、命を懸けるなら相応の対価を渡さなきゃな」
 そう言い劔はモンブラン、ショートケーキ、チーズケーキ等様々な洋菓子を出し
 それに目を輝かせている舞夜に差し出した。
「っ!これを頂けるのですか?!」

「勿論だ。毒など入れてないしこいつは手作りだぞ?何時でも食える」

「分かりました。私は今はどうしていれば?」

「子供たちがいるからまずは勉強を教えてやってくれ、そいつを食べ終わったらでいいからな」
 もはや舞夜の目はケーキから動いていないので問題ないだろう。


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 アインツベルン城side

「敵襲か・・・」

「アイリスフィール敵は誘いをかけています」

「バーサーカーとキャスターのマスターか・・・
 舞夜からの連絡もない以上捕らえられたか殺されたと考えるべきだろう
 アイリ敵とは逆の方向に逃げてくれ」

「わかったわ・・・っ!」

「どうした、アイリ?」

「どうやら新手のマスターみたい」



「Fervor,mei Sanguis」(沸き立て、我が血潮)――術式起動
 その声と共に水銀は形を成し城の入り口を破壊する。
 やって来たのはケイネス、切嗣から見ればカモの様なマスターだが能力は優秀な男である。

「アーチボルト家9代目当主、ケイネス・エルメロイがここに仕る
 アインツベルンの魔術師よ
 求める聖杯に命と誇りを賭して、いざ尋常に立ち会うがいい」
 返答はなく歩みを進めると壁際が爆発する。
「絡繰り仕掛け頼みとは・・・
 ここまで落ちたかアインツベルン?
 よろしい、ならばこれは決闘ではなく誅罰だ」

 準備を終えた切嗣は扉に近づく、しかし危険な予感にしたがい咄嗟に飛び退いた。
 その判断は正しく扉付近は爆散していた。

「さすがだな衛宮切嗣」
 倉庫街に出現した死神だと瞬時に理解しキャレコの引き金を引く。

 しかし、銃弾は体に傷をつけられず弾丸を消費しただけだった。どうやら間桐雁夜もいるようだが取るに足りないと切嗣は判断する。
 銃を撃つのをやめると同時に部屋の中央が床下から切り裂かれケイネスが現れる。

「見つけたぞ、ネズミめが」
 その場に四人が揃い膠着状態に入る。

「まさか間桐の落伍者と死神殿が一緒とは・・・死神殿よ一体何を考えている」
 ケイネスは自身が尊敬もする劔が落伍者と一緒にいることが不思議だった。

「ランサーのマスター雁夜は確かに一度家を出たが
 その理由まではわかんねえだろ?
 それと落伍者なんて言われてるが今のお前たちよりは強いぞ」
 その言葉に切嗣とケイネスは眉を顰めるが、雁夜の虚空を見つめ遠い目をしているのを見て
 少し同情の気持ちを禁じえなかった。

「言うだけでは信じられないだろうから少し戦おう
 雁夜ケイネスと少しやりあってろ
 俺はこいつとやるからよ。手筈通りな」

「わかったよ」
 そういうと雁夜は起爆虫と爆虫を行使し部屋を吹き飛ばした。

「ロードさん、俺の相手をしてもらおう」
 そう部屋を吹き飛ばしたのは二手に分かれるためこの程度の攻撃では月霊髄液(ウォールメン・ハイドラグラム)を貫通しないだろうと期待した攻撃だった。
「成程・・・これ程の虫を支配するその技術さすが死神殿に教わっていただけある。私の知らぬ虫ばかりだな」
 ロードの周りには起爆虫と爆虫が囲んだ状態でその場にいた。しかしこの程度なら私の前に立たせようとはしないはず

「ire:sanctio」(追跡抹殺)
 その言葉と共に水銀は大量の鞭で虫を攻撃そして防御をしだす。
「さぁ、まだあるだろう。早く見せるがいい」
 その言葉を聞いた雁夜は親指を噛み手のひらに鳥居を描いて手をケイネスへ向ける

「気を付けろよ。これから出す虫は先ほどとは全然違うからな」
 手の鳥居が発光しはじめ宙に鳥居の印が出現
 そこから凄まじい速度でクワガタが飛び出してきた。
 ケイネスは撃ち落とそうとそうとする
 (何という事だ!昨夜の爆破で礼装を失った現状、奴のこの虫に対応できん!)
 雁夜に攻撃をしかけようにも周りの爆発する虫が邪魔で突破できない。
 クワガタが自身に近づいてきたのを察知し防御を展開する。
「Fervor,mei Sanguis!!」(滾れ、我が血潮!!)
 (これで・・・っ!馬鹿な、この守りを貫くだと!!)
 そうクワガタは月霊髄液を物ともせず自分の首もとにその顎を僅か数ミリのところで止めていた。

「殺す気はないから安心してくれ
 取りあえず劔さんから戦いが終わったら
 この書類を渡すように言われてたから渡しとくよ
 じゃあ明日な!」

 そう言い虫を瞬時に後退させ虚空に消えていった。


 ケイネスは誇り高い人間である。先ほどの殺しはしないという言葉は彼を怒らせる言葉だが
 本人は気にもしていなかった。何故なら今自身の手元の書類には興味深い事が書いてあり
 尚且つ、先ほど対峙した者は僅かな時間であれ程の技量を得たのだ。
 自身も彼の師匠に鍛えてもらえば更なる高みに至れる。そう思いをはせていた。

「ランサー、今宵はここまでだ帰るぞ」

「はっ!セイバーと狂戦士を撃てず申し訳ありません我が主よ」

「よい、それよりも死神殿から興味深い事を聞けた。今宵は十分だ」
 彼曰く、ランサーの事をより深く知ることだと言われた。
 尚且つ、敵マスターの情報それと私とソラウの恋愛アドバイスとして漫画なるものも送ってくれた。
 ケイネスは早く帰り明日に備えたかった。

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「さて、衛宮切嗣さっさとセイバーを呼べ
 お前程度の魔術や武器では俺を倒す事はできん
 それはわかるだろう?」
 そう劔には起源弾も普通の銃弾も効きはしない

 このままではやられる。そう思いキャレコを撃ちながら令呪を行使する。

「令呪を以て我が傀儡に命ず!来い、セイバー」
 セイバーが出現すると同時に逃走を図る。だが

「逃がすか莫迦たれ
 縛道の六十三 鎖条鎖縛」

 衛宮切嗣は動きを封じられてしまう。
 セイバーが助け出そうにも目の前の劔から背を向けた瞬間やられるのは目に見えていた。

「セイバー、ハンデだ素手で相手をしよう」

「貴様・・・私を又しても愚弄する気か!」

「純然たる事実として言うが聖剣をまともに使えない今
 俺に勝てるなどとは思ってねえだろ?」
 現状、マスターの令呪の行使ができない今聖剣の解放はできない。
 そして目の前の男は強いことは先日のことで予測はつく。ならば

「ならばやってみるがいい!キャスターのマスターよ!」
 セイバーは切りかかろうとするが片手で止められる。
 そして笑みを深めながら言い放つ。

「侮ったな、セイバー!」
 そう、油断しているなら勝てると直感は警報を鳴らしていたがそれを無視し思っていた。

「獄炎任力剛拳波ァァァアア!!」
 獄炎を纏った拳で鎧を纏ったセイバーの腹部を強打する。

「グッ・・・うぁあ!!」
 セイバーはあまりの威力に吹き飛ばされ自身のマスターと共に壁に突っ込んだ。
 衛宮切嗣は血を流し気絶していただがセイバーは意識を保っていた。

「どういう事だ・・・何故それほどの力を・・・・・・持っていながら・・・何故?!
 倒そうと思えば・・・いつでも・・・終わらせることができるだろうに」
 セイバーは横たわりながらも手加減されていることに疑問を感じていた。
 刀を抜かずこの強さだ、聖剣を解放できたとしてサーヴァントである今の自身では勝てない。
 そう感じつつも問いたかった。

「今倒すと面倒だしな・・・それに、力を示さなきゃついてこないだろうしな」
 どういう事だ・・・そう感じながらも意識は沈んで行ってしまった。

「キャスター、セイバー連れていくぞ。宝具を使用してくれ」

「分かりました。マスターいよいよ明日ですね」

「ああ、今日は支度を済ませて早く寝るか」

「いいえマスターそんな早々に寝かせませんよ、女性陣が待っていますよ?」
 後ろに般若のオーラを携えたメディアの笑みに劔は恐れを抱きながらも・・・

「お・・・おう・・・」

 その日間桐邸のある一室で一人の男は女性陣にかなり絞られた。
 次の日の朝には男の周りに恍惚とした表情をした女性陣がいたそうだ。 
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