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揺るがぬ生き様

作者:刀の道
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Fate
  No.6

  劔side

 さて、そろそろ起こすかな
「おい、起きろ話すんぞ」
 ベッドから半死人をたたき出す。桜嬢ちゃんは体を浄化し元の体質に戻しておいた。

「グヘェ・・・っは!そうだ桜ちゃんは!」

「落ち着け、嬢ちゃんなら体を元に戻した。そらベッドにつっぷしてるだろ?」

「本当だ・・・それに髪の色も戻ってる。あ、俺の名前は間桐雁夜だ、ありがとう・・・でお前たしか死神って言われて無かったか?」

「俺はその名を名乗ったことはねえが、俺の名は劔 山陽だもう一つの名は殺す相手にしか言わねえ」
 その名を聞いて俺のサーヴァントも驚いているようだったが、んな事どうでもいい
「まずお前の聖杯に託す願いと参戦理由を聞く前にだ、自分の体が長くはないことはわかるな?」

「ああ、今は落ち着いてるが日常生活もままならない状態だしな・・・」

「んじゃ、お前も治すぞ」

「え?治すって・・・」


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 雁夜side
 劔 山陽、10世紀から存在を確認されている富士の化身とも言われた怪物。
 坂田金時に勝利し単独で欧州まで行き暴れまわり忽然と消えた伝説の様な存在だ。
 驚いていると突然体を治すと言われた。気が付くと今まで居た場所とは違うところにいた。
「ここは?・・・」

「ここは俺の刀の中だ、そして俺が許可を出さなければ入ることはできない」
「そして、ここの一日はあちらの1ヶ月に相当する。」
 まさか、刀の中だとは思わなかった。なかば茫然としていると大き目の包丁を劔さんは持っていた。
「今からお前を斬る動くなよ」
 凄まじい目つきで睨まれているので動けませんとは言えない。そして包丁が振りぬかれる。
「暗技 蘇生切り!!」
 斬られた瞬間蟲の残骸が飛び出し自身も血を吐くが不思議と体が軽い。
「これは・・・一体どういう事だ?」

「雁夜の体の再生治癒能力が活性化してんだよ、さっきの技はお前の細胞を傷つけずに斬る高等技術だ。あのお嬢ちゃんもお前と同じ感じだったぜ」
「あと、わかると思うが治癒能力が上がるということはエネルギーもそれだけ必要だ。わかったら腹ごしらえするぞ」
 たしかに、かなり空腹だ、しかし果たしてまともに食べれるのか・・・疑問を感じながらも劔さんについて行く。


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 劔side

「さて、腹ごしらえも済んでお前も完治した。まず聖杯に託す願いと理由を話せ」
 桜嬢ちゃんと雁夜を座らせてから切り出す。
「桜ちゃんを助けるために参加したんだ、聖杯自体は臓硯に渡す予定だったし・・・」

「何故嬢ちゃんを助けようと思った」

「あんな拷問のような事をされていると知ったら助けようと思うだろ!それに養子に出すなんて・・・!」

「たしかにそうだ、だが雁夜お前は少し誤解と思い違いをしているな」

「っ!どういうことだ」

「まずお嬢ちゃんを治癒したときに俺のサーヴァントが確認したんだが、お嬢ちゃんの起源は『架空元素』」
「簡単に言えばあり得るが既存にはないものだな、そしてかなりの希少価値がある」
「故にお嬢ちゃんを守るために養子に出したのだろう。魔術師としては至極当たり前の発想だな。力は力を引き寄せる、身を守れなければホルマリン漬けに遅かれ早かれされてしまっていただろう」

「じゃあ、魔術を習わなければ!」

「馬鹿か、習わなくても持って生まれたものだ。それに言っただろう身を守る術が無ければまともに生きてはいけない」
「だが、雁夜の大切にしている一般的な人としての道徳も正しい当事者たる娘に聞きもせず勝手に養子に出す等ありえん」
「尚且つそれを止めもしないその妻も又歪んでいるな」

「そんな・・・「それと雁夜、聖杯戦争に参加するという事は娘子たちから父親を奪うこと又自分が死んだ時悲しみが生まれるという事を忘れるな」!!」
 どうやらようやく気が付いたか・・・直情型らしいな・・・見ていて楽しいが

「二人ともここで選べ自身を鍛え自らを成長させるのか、一生負け犬のまま終わるかだ」

「「!!」」

「ちなみに魔術はマスターである雁夜は絶対だが嬢ちゃんは選ぶも選ばないも自由だ」

「桜ちゃん・・・魔術は・・・」

「私・・・魔術は嫌なものだと思ったけど・・・桜を助けるために頑張ってくれたおじさんを助けたいだから魔術も習います!」

「・・・わかった、だが無茶をしたらダメだよ?」
 ふふ・・・見通しが甘いな
「無茶はさせないさ、死ぬ気でやらせるだけだ心配するな死にかけても強制的に復帰させてやる」
 おや?二人とも顔が青くなったが問題ないだろう

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「では、ここでもう一人の生徒を呼ぼう。出でよ!ロリ姉!」
 李と共に小さい子供が出てくるが突然飛びかかってきた。
「誰がロリだ!」
「甘いわ!」即座に頭にハリセンを叩きこむ涙目で俺を見てくるが気にしない。
「凛ちゃん?!どうしてここに・・・」

「姉と姉妹の母には色々教えた。まぁ教えはじめた途中の段階で既に姉の父愛は吹っ飛び母のほうは茫然資質に近い形で一から再教育する事になった」
 姉と妹の方は互いに涙を浮かべて抱き合っていた。が雁夜は落ち込んでいるようだった。
「「おじさん大丈夫?」」姉妹に慰められるとは・・・シュールな絵だな。

「先に進めるぞ、先生は魔術をキャスターから教えてもらえ俺は魔術等使わないからな」

「次に魔術だけの頭でっかちにならないように武術もやる。先生はおのおのにあった人が教えるだろう」
「だが、その前にまずは体力だ」俺は今笑みを浮かべているだろうな
「実力のわからないものに教えられても不服だろう、みな自己紹介だまずは俺から言おう」

「俺は劔 山陽だ既に第三魔法を成しえている。神殺しも経験済みの化け物爺だと思え」
「わしは四楓院夜一打撃を主に使うの~」
「余はヴラド3世である。吸血鬼ではないぞ余は槍だな」
「メディアよ!貴方たちの服と魔術は任せなさい!」
 メディア・・・目がキラキラしてるな・・・
「雁夜バーサーカーを出せ意思疎通ができるはずだ現界させろ」
「ランスロットです・・・あのバーサーカーで出れるから来たのですが・・・」
「安心しろ、お前の願いは大体検討はつくが狂気で逃げようとするな。それに今の雁夜の状態でお前が魔力を使ったらミイラになっちまう我慢しろ」
「他にも俺の仲間の金時・玉藻・ジル・ジャンヌ・書文・フランケン・エリザベートがいるがそれはある程度腕が上がってからだな」
 三人は唖然としているが気にせず死ぬ気で走らせよう。

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 雁夜side


 今、凛ちゃん・桜ちゃんと何故か兄貴親子と共に背中の猫から逃げていた。
「ほらほら~早く走れでなければ喝が飛んでくるぞ」
 劔さんが言うように本当に死ぬ気で走らないと後ろから巨大な猫パンチが飛んでくる。
 少しでも力を抜こうとしたら後ろから斬撃が飛んでくる。
「死ぬー!!てか劔さん!それ猫じゃないよ、でかすぎるだろ!」
 姉妹も頷いているが必死なのか顔が上下に高速で動く。
「何言ってんだ限界ぐらい見極めとるわ、何回か休ませて栄養も取らせただろうが」
「後こいつはハイアンパンサーつってな、まだ子供の方だぞーそれにこいつより強い奴はゴロゴロいるからな安心しろ」

「「安心できるか?!」」
 俺等がそう言った瞬間猫パンチが飛んできたので、取りあえず今は深く考えないようにした。


 そんな地獄のような特訓をして5か月たった。アサシンが脱落したという偽装工作が行われたという報告を受けて俺たちは間桐の館に戻ってきた。
 姉妹はメディアさんから道具を作って貰い、劔さんの虚閃という技を模倣した魔術を行使できるようになった。
 凛ちゃんはガンドでそれを、桜ちゃんは殆どそのまま使っていた。劔さん曰くまだまだらしいが桜ちゃんはその威力を誇らしげにしていた。
 また兄貴親子は李師匠と夜一先生と体術を鍛えながらジャンヌさんたちと子供動物たちの世話をしていた。姉妹は勝手にペンギンを飼っていた。
 俺はバーサーカーの魔力消費にある程度耐えられる様になり余力で蟲行使ができる状態になった。・・・まさかすごく強いクワガタと契約しろと言われるとは思わなかったが・・・
 葵さんは時臣とは別れると話していた。劔さんが何か余計な事を教えていたようで、桜ちゃんがおじさんがお父さんになってくれたらな~という言葉に二人とも赤くなってしまい、それを見ていた他の人達は影からニヤニヤしながら見ていた。
 劔さんと俺は同盟関係という事になった。劔さんは聖杯等いらずそれより英霊との闘いが主目的らしい・・・それを聞いて姉妹と共に妙に納得してしまった。
 聖杯戦争期間中という事を忘れてしまいそうな日々だったな・・・そう思いながら俺の意識は沈んでいった。 
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