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おぢばにおかえり

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第二十一話 授業中その十

「女の子は日様じゃない」
「だから積極的にいかないとね」
「日様・・・・・・あっ」
 ここで私は気付きました。
「照らすからですか」
「そうよ、だからよ」
「やっとわかってくれた感じ?」
 私の今の言葉に二人で頷いてくれました。これで何とかわかった感じでした。
 丁度ここで三人共ソフトクリームを食べ終わって。お店を出ることにしました。
「出ましょう」
「はい」
 高井先輩の御言葉に頷きます。三人でお店を出て後は本屋に行く為に下っていったんですがそこで中学生位の男の子数人と擦れ違いました。
「んっ、あの子」
「背高いわね」
 先輩達がその中の一人の子を見て仰いました。
「私と比べて三〇センチ位違うわよね」
「あんたはまた特別低いじゃない」
 高井先輩が佐野先輩に笑いながらお話されます。
「けれど私とも二十センチ以上?」
「大きいわよね。しかもすらっとしてて」
「そうそう。顔も結構いけてるし」
「そういえば何か」
 私もその子を見て言いました。
「今時のタレントさんみたいな感じですね」
「それっていいってことじゃない」
「やっぱりちっちって」
「ですけれど私は」
 それでも反論しました。
「やっぱり男の人は頼りになる人じゃないと」
「ちっちが頼りになるからいいじゃない」
「そうそう、男の子に大事なのはね」
「何なんですか?」
 先輩達に御聞きしました。その間も商店街を下っていきます。男の子はもう上に昇っていっていて姿が見えなくなっています。人ごみの中に消えちゃっています。
「あれよ。身体を張って女の子を守ってくれること」
「後は女の子が男の子を守るのよ」
「女の子が男の子を守る」
 何か変な言葉です。女の子は大抵力もないのに。
「それってどうやって」
「だから。お母さんよ」
「そう、それよ」
「お母さん」
 そう言われてもやっぱりわかりません。
「何なんですか、それって」
「何度も言うけれど女の子は日様よ」
「だからね。ちっち」
 先輩達のお話は続きます。
「心を照らしたり庇ったりフォローしたり支えたり」
「そうやっていくのよ」
「あっ」
 こう言われてやっとわかりました。
「ああ、そういうことなんですね」
「やっとわかったみたいね」
「やれやれ」
 先輩達のお顔が少し呆れた感じになっていました。どうしてもこうした時鈍いのは私の短所です。他にも短気なところもそうですけれど。
「そういうことよ。いいわね」
「大事なのは心で守るのよ」
「そうですね。そういうことですね」
「ちっちならできるわ」
「絶対にね」
「絶対に」
 そう言われるとどうも気恥ずかしくて。自分ではそこまで自信はありません。 
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