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三角定規×2

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4部分:第四章


第四章

「どうすればいいのか」
「困ったことだよ」
「けれどな」
 卓也は六郎を見ながら話してきた。
「このままだとあいつ等な」
「別れるな」
 六郎は最悪の未来を言葉に出した。
「このままだったらな」
「そうだろ?だから何とかしないとな」
「そうだったら何とかしないといけないだろ」
「どうしたものかな」
 二人もまたどうするべきかわからなかった。二人だけでは無理だった。貴匡も千里もそれは同じでどうしたらいいのかわかりかねていた。
「許したらいいんだろうけれど」
「謝ったらいいけれど」
 二人はそれはわかっていた。しかし今はどうにもできなくなっていた。それで二人共お互いに何もできないまま時間だけが過ぎていっていた。
 数日経ってもどうしようもなくなっていた。時間が解決するとそうはならなかった。どうしようもなくなっていて周りも息苦しい雰囲気の中にあった。
 それは二人のそれぞれの親友達もだった。彼等は数日間あれやこれやと話すばかりだったが今の問題を解決することはできなかった。
「このままじゃって思うんだけれどな」
「だよなあ」
「本当に別れるかも知れないのに」
「どうしようかしら」
 あれこれ話しているがやはり解決案は出ない。それで困っているとだった。
「んっ!?まさか」
「あっちもか」
 卓也と六郎が二人に気付いた。
「若しかして」
「向こうもなの?」
 理美と沙耶もだった。ここでお互いに気付いたのである。
「なあ、思うんだけれどな」
「二人じゃ駄目でもか」
「ああ、それだよ」
 卓也は六郎に対して話した。
「それな。どうだよ」
「そうだな。悪くないな」
 六郎も卓也のその言葉に頷いた。
「それはな」
「四人いれば何とかなるかも知れないぜ」
 卓也は真面目な顔で述べた。
「四人か」
「どうだよ」
 あらためて六郎に対して声をかけて促す。
「それで」
「そうだな。いいな」
 そして六郎もそれでいいと頷くのだった。これで話は決まった。
 その頃理美と沙耶もだった。二人もまたこれからのことについて話していた。
「私達だけじゃどうにもね」
「無理かしら」
「多分」
 理美が沙耶に対して話していた。
「二人じゃね。やっぱり限界があるわよ」
「そういえばそうかしら」
 沙耶は理美の話を聞いてこう述べるのだった。
「二人だけじゃね。それに」
「それに?」
「両方がいての話よね」
 沙耶はそれに気付いたのである。千里だけの話ではないことにである。それに気付いたのである。
「それじゃあ」
「何か考えがあるの?っていうか思いついた?」
「思いついたわ」
 はっきりと答える沙耶だった。
「向こうと話をしましょうよ」
「向こうって秋山君と?」
「そうよ、彼とね」
 貴匡だというのである。
「彼の方と話してみない?」
「そうね。悪くないかもね」
 理美も相棒のその言葉に賛同して頷いたのだった。
 
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