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大海原でつかまえて

作者:おかぴ1129
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11.帰還

 遠い場所から聞こえてくるゴウンゴウンというエンジン音が次第に大きくなり、僕は意識を取り戻した。同時に光が僕のまぶたを通して見えてきて、ゆっくりとまぶたを開くと真っ青な青空が視界に飛び込んでくる。身体が水に濡れてびしょびしょだ。多少べたついているところを見ると、どうやら海水のようだ。

「気がついた?」

 まだ今一意識がハッキリしない。耳にものすごく心地いい声が聞こえる。自分が今どういう状況なのか確かめる。どうやら僕は小舟の甲板に寝かされているようだ。周囲に比べて一段高い場所を枕にしてあるようだが、その割にはものすごく心地いい感触の枕だ。

「あれ……?」
「大丈夫だよ。もう終わったから」

 また耳に心地いい声が聞こえ、同時に誰かが僕の頭を撫でてくれた。優しいけどほんの少しだけガサツな、髪がくしゃっとなる、僕がいちばん好きな頭の撫で方だ。でも少しだけ気になるのは、その手は指輪をつけているらしく、撫でるときにコツコツと硬いものが当たることだけど……

「え……終わったって……」
「シュウくんのおかげだよ」

 だいぶ意識がハッキリしてきた。と同時に声の主が誰か分かり、自分が今どういう状況なのかが把握出来た。僕はどうやら、膝枕をされているらしい。

「姉ちゃん……?」
「うん」

 膝枕をしてくれている人が、お日様のような笑顔で僕の顔を覗きこんだ。その顔は、ずっと会いたかった人の、ずっと見たかった表情だった。

「シュウくん、助けてくれてありがとう」
「怪我は? 姉ちゃんヒドい怪我してたよね?」
「大丈夫だよ。シュウくんが指輪をくれたから」

 姉ちゃんはそう言い、お日様のような笑顔で指輪をはめた左手を見せてくれた。ずっと見たかった。見る人の心をあったかくする、姉ちゃんのこのお日様のような表情に、ずっとずっと会いたかった。

「姉ちゃん久しぶり。……ずっと会いたかったぁ……」
「うん。久しぶり。お姉ちゃんも、ずっとシュウくんに会いたかった。頭を撫でてあげたかった」

お日様のような笑顔を見せる姉ちゃんの目に涙が溜まってきて、それが僕の頬の上に落ちた。落ちた涙は温かくて、でもすぐに心地いい冷たさになり、ぼくの頬を伝って落ちていく。僕は姉ちゃんの頬に触れ、親指で姉ちゃんの涙を拭ってあげた。

「指輪、ちゃんと効果があったみたいだね」
「うん」

 姉ちゃんの目からポタポタ涙がこぼれていく。姉ちゃんの涙はぼくのほっぺたに落ちてはどんどん下に流れ落ちていき、生乾きになっていた僕の顔が、姉ちゃんの涙で再び濡れていった。

「お姉様から聞いたよ。シュウくん、私に指輪を渡したら、自分が元の世界に戻っちゃうかもしれないって悩んでたんだよね」

 ぁあ……そういえば、元の世界に戻ってないね。よかった。世界への反抗は大成功したみたいだ。

「ありがとうシュウくん。そんな状態で私に指輪をくれて、本当にありがとう」
「んーん。姉ちゃんを助けられてよかった。そして、こうやって会えて、話が出来てよかった。
「うん」

 唐突に、時間のスピードがゆっくりになったのを感じた。そして何かの影に入ったかのように、僕と姉ちゃんの周囲が暗くなったのを感じた。僕は姉ちゃんに膝枕をされてる状態で姉ちゃんを見上げる体勢になっていたが、ちょうど姉ちゃんの頭上に、誰かがいるのがわかった。姉ちゃんもそれに気が付き、時間の流れがスローな中、ゆっくりと振り向いて背後を確かめた。

「お姉様?!」
「ひえーい!! シュウくーん!!」

 いや、金剛さんだけではない。

「気がついたクマぁぁああ!!」
「シュウが起きたでちぃぃぃいイイ!!」

 金剛さんと球磨とゴーヤが、ちょうど姉ちゃんの背後から、僕達二人に覆いかぶさるように乗っかってきた。

「ひ、ひぇぇええええ?!!!」
「うぉぉおおおお?!!」
「シュウくん! よく頑張ったデース! お姉ちゃんとして鼻が高いデスネ!!」

 3人が艤装を装着したまま僕と姉ちゃんに勢い良く乗っかってきたおかげで、てれたびーずは大きく傾き転覆しかけた。僕は一番下にいるため3人全員の体重が僕にかかり、尋常ではない痛みと重さで身動きがとれない。

「バッ……シュ、シュウくんのお姉ちゃんは私ですお姉様!」
「デュフフフフ……イヤーホールをディグってよく聞くネひえーい。比叡とシュウくんはケッコンしたんだから、ワタシは名実ともにシュウくんのお姉さんなのデス!!」
「う……ひ、ひぇぇぇ……」

 途端に姉ちゃんの顔が真っ赤になる。姉ちゃんやめてくれ。そんな顔されるとこっちまで恥ずかしくなってくる……

「何を恥ずかしがってるデス二人共ー! 特にシュウくん!」
「ほい?」
「比叡にあんなこと言っといて今更恥ずかしがってもダメデース!!」

 金剛さんが僕をビシッと指差し、どこかの名探偵のようにこう突っ込んできた。あんなこと? あの逆切れプロポーズのこと?

「う……シュウくん…あのー……」
「ん? んん??」
「oh……シュウくん覚えてないデスカ? あの海域を離脱して比叡が救命措置してたときに……」
「やめてくださいお姉様! シュウくんきっと記憶が混乱してるんです!!」

 金剛さんがものすごく残念そうな顔をし、姉ちゃんは顔を真っ赤にしてわちゃわちゃおたおたしている。僕が何か恥ずかしい寝言でも言ったのか?

 不意に頭を引っ張られる感触があった。身動きが取れなくて逃げられない僕の頭をとんでもないパワーで、これでもかと引っ張ってくるこの影は球磨だ。

「二人ともッ!! ちゃんと家族になれたお祝いに球磨が頭をなでなでしてやるクマッ!!」
「いだだだだ!! いだだだだだだ!!」

 球磨が強引に僕の首を引っ張り、頭を乱暴に撫でてくる。確かに心地いいけれど、姉ちゃんの何倍も乱暴でガサツな撫で方だ。よく見たら、同じように姉ちゃんの頭も撫でている。僕と姉ちゃんの髪型は球磨のせいでぐちゃぐちゃだ。

「分かった! 分かったから首引っ張らないでッ! いだだだだだ!!」
「恥ずかしがらなくていいクマっ!」

 僕の制止も聞かず、100万ドルの笑顔で球磨は僕と姉ちゃんの頭をわしゃわしゃし続ける。キソーさんがてれたびーずに近づいてきた。よかった。キソーさんなら助けてくれるはず……

「キソーさん助けてッ! いだい! いだい!!」
「ほ、ホントいたいです!!」
「いいじゃないか。そいつが球磨姉なりの祝福の仕方なんだよ。ニヤニヤ」
「「ひぇぇえええ?!!」」

 キソーさんがてれたびーずの船体のへりに肘をつきながらそういう。いや違う。そのニヤニヤは僕は見覚えがある。その顔は人の不幸をあざ笑うときの顔だッ!

 ゴーヤが僕の足と自身の足をごそごそ絡ませている。一体何を企んでいるッ?!

「ゴーヤが長い時間潜水したからシュウが気絶したと思って凹んでたんだから……これぐらいやり返す権利はあるでちッ!!」

 そう言いながら、ゴーヤは僕の足に足四の字固めをかけた。いたい! イタすぎる!!

「痛い! ゴーヤいたいぃぃぃいいい?!!!」

 球磨が僕と姉ちゃんから離れ、金剛さんは姉ちゃんに抱きついていた。姉ちゃんは相変わらず僕に膝枕をしてくれているが、顔はマッカッカだ。ゴーヤは僕の悲鳴をきいた途端、ニヤリとしながら床をバッシンバッシン叩き始めた。その間違ったストロングスタイルは何処で身につけたぁあアッ?!!

 もう加賀さんに助けを求めるしかないッ……加賀さん……助けてください……

「みんなそれだけあなたと比叡さんが、何事もなく無事ケッコン出来たのが嬉しいんですよ。受け入れてあげなさい」

 あなたまでそんなことを言うんですか加賀さんッ……こうなったら岸田だ……僕はこっちに背を向けて、てれたびーずの操舵に集中している岸田に助けを求めた。

「岸田……助けてくれッ……」
「うるせーッ! このリア充野郎がッ!! マリッジ・ピンクで幸せ一杯なくせに、それぐらい我慢しろぉおおおオオオオン!!! 15歳でケッコンなんぞ法律違反だちくしょおめぇえッ?!!!」

 姉ちゃんの顔が再び真っ赤になった。岸田のセリフを聞くやいなや、姉ちゃんは僕に膝枕をしたまま恥ずかしそうにもじもじと身体をよじらせる。

「シュウくん。みんな祝福してくれてるんだって~……もじもじ」

 気付いてくれ姉ちゃん。ごまかされている。僕達はごまかされているんだ……。それから岸田。法律違反の話をするなら、お前だって15歳で艦これプレイしてるんだから規約違反だッ。

 そういえば、僕は姉ちゃんに問いたださなければならないことがあったのを思い出した。

「姉ちゃん」
「ん? なーに?」
「鎮守府で僕のことをどんな風に話してたの?」
「え? 自慢の弟ができたよーって」
「それ以外」
「レ級と戦った時に助けに来てくれたよーって」
「他に」
「他に? ココア入れるの上手だよーとか……んー……」
「あるでしょ他にも。あきつ丸さんとか涼風ちゃんとか、金剛さんとかに話したことが……」

 僕の顔から目をそらし、うーん……と考えこんでしまう。これは僕の沽券に関わる問題だ。忘れたとは言わさん。

「んー……ハッ?!」

姉ちゃんの顔から血の気が引き、途端に汗がダラダラと吹き出していた。思い出したようだな姉ちゃん。

「思い出した?」
「や、やだなー。誰もシュウくんのことを頭をなでてもらうのが大好きで、撫でてあげると泣いちゃう甘えん坊さんだなんて話してないよぉ~……びくびく」
「そんな風に話してたのか姉ちゃん!!」
「そ、そんなこと言うならシュウくんだって!! さっき私が人工呼吸したときに……!!」

 僕が上体を起こして怒りをぶちまけようとした瞬間……

「ケッコンしてまだ数時間しか経ってないのにもう痴話喧嘩でちかッ?!」

 と再びゴーヤが足四の字に力を加えた。この子なんでこんなに足四の字がうまいんだッ?!! 悲鳴が口をついて出るッ?!!

「ひぇぇえええッ?!」
「oh……比叡の口癖が感染ってマース……」
「なんだか似たもの夫婦だクマっ。クマクマっ」
「ぼっ……ぇえ~……私とシュウくん、似てませんよー……もじもじ」
「もじもじはいいから姉ちゃん助けてッ?!!」

 僕が悲鳴を上げているにも関わらず姉ちゃんが助けてくれない中、妖精さんたちだけが僕の頭を撫でてくれた。いや、気持ちはうれしいんだけど、足四の字をなんとかしてくれ……

 この段階で、僕は足四の字に耐えながら事の顛末を聞いた。ケッコンが成立した後、姉ちゃんは全快。あらかじめてれたびーずに積んでいた姉ちゃん分の資材で補給を済ませた後、姉ちゃんを殿とした陣形であの海域から退却したとのことだった。退却の過程で姉ちゃんと球磨がそれぞれヲ級とレ級を一体ずつ撃沈し、敵艦隊の掃討も不可能では無くなったのたが、『これ以上の損害は出すわけに行かない』『比叡たんを救出した時点で目的は達した』という岸田の判断で、全速力で海域から離脱したとのことだった。実際、撤退の最中にキソーさんと加賀さんの二人が大破まではいかなくともさらなる損傷を負ったようで、岸田の判断は正しいと言えた。

 僕の方はというと、ゴーヤが意識が無くなった僕をてれたびーずまで運んでくれたとのことだ。当初は姉ちゃんに指輪を渡したことによる元の世界への帰還が危惧されたのだが、その兆候が全く現れなかったようだ。まぁ、今こうしてここにいるんだもんな。
 長い時間呼吸が出来なかったことによる意識不明の僕だったが、戦闘海域を離脱した後、姉ちゃんの懸命な救命措置のおかげでなんとか息を吹き返したようだ。僕はまったく記憶にないのだが、姉ちゃんが人工呼吸をしてくれた後に、一度僕は目覚めたらしい。そして姉ちゃんに対して『姉ちゃん。そういうことは意識があるときにやってくれ』とえらくハッキリした口調で言い、再度意識を無くしたという話だ。救命措置……人工呼吸……ゴクリ。

「いやそれ緊張したの、言われたお姉ちゃんだよ?!」
「だって、やだ……僕の……はじめて……」
「ここにきてまだ痴話喧嘩でちかッ!! めきめきめきッ!!」
「いだだだだだたッ?!!」
「ひぇぇえええ?!!」

 その後は加賀さんの索敵のおかげで敵艦隊と遭遇することなく鎮守府まで帰投出来た。帰投した僕達8人を鎮守府のみんなは暖かく……いや激しく出迎えてくれた。特に激しかったのは、同じく金剛型戦艦の榛名さんと霧島さん。僕は怪我は負ってなかったものの、ゴーヤの足四の字が響いて中々歩くのが大変になってしまい、姉ちゃんが肩を貸してくれていた。そんな僕達の姿を見るなり、榛名さんと霧島さんが勢い良く僕と姉ちゃんに抱きついてきた。

「比叡お姉様、おかえりなさい!」
「ありがとう榛名!」
「そしてシュウくんとのケッコンおめでとうございます!!」
「う……ひ、ひぇぇえ……」
「珍しい光景ですね……比叡お姉様が顔を真っ赤にして照れてます……」
「いえーす! シュウくんが気付いてから、ずっとこんな調子ネー!」

 そういやずっと姉ちゃんはこんな調子だ。横顔でしか確認は出来ないが相当恥ずかしいようだ。姉ちゃん耳まで真っ赤になってる。

 榛名さんが僕の顔を覗きこんできた。この人も、姉ちゃんや金剛さんに負けず劣らず、とても綺麗な目をしている人だ。ややブルーがかってる姉ちゃんたちに比べると、純日本人という感じの、少しブラウンがかった黒目が印象的だ。

「シュウくん! 比叡お姉様を助けてくれてありがとうございます! ケッコンしてくれてありがとうございます!!」
「い、いやははは……でも僕も、姉ちゃんに助けられたし」
「これで名実共に、この榛名と霧島もシュウくんのお姉ちゃんですね!!」

 榛名さんのこの言葉を聞き、ねえちゃんが別の意味で顔を真っ赤にする。耳から水蒸気が『ピー!!』とけたたましい音を立てて吹き出さん限りの勢いだ。

「シュウくんは私の弟なの!!」
「でも比叡お姉様の弟なら、私と榛名にとっても弟なのでは? ……あ、でも比叡お姉様とケッコンしたということは……」
「いえーす! 榛名と霧島にとっては、シュウくんは弟でありながら義理の兄という、昼ドラも裸足で逃げ出すディフィカルトな間柄になるのデス!」

 金剛さんの一言を聞いて、榛名さんがハッとし、霧島さんがメガネをキラーンと光らせた。マンガ並のリアクションを見せるんだなこの姉妹……さすが姉ちゃんの姉妹だ。

「てことは?!」
「お兄様……ですね」
「シュウお兄さま?!」

 いやおかしい。絶対おかしい。姉ちゃん、自分の妹たちの暴走を止めてくれ。

「ぇえ~……でもシュウくん……お姉ちゃんたち、ケッコンしたし……もじもじ」

 ダメだこりゃ……当面姉ちゃんに『ケッコン』的な言葉は禁句なようだ……

 そんなこんなでしばらく艦娘のみんなからの激しい祝福を受けていると、人だかりの遠くから『すまん。通してくれ』という声が聞こえてきた。声の主は提督。提督は艦娘たちを描き分け、僕達の方に近づいてきた。

「姉ちゃん」
「ん?」
「もう大丈夫」
「うん。分かった」

 足に少し痛みは走るが、もう大丈夫。僕は姉ちゃんの肩から離れ、姉ちゃんが僕の右隣に立ってくれた。僕の右腕をしっかり支えてくれるのがとてもうれしい。提督が僕達の前まで来た後、僕達に敬礼をしてくれ、姉ちゃんたちも敬礼を返す。岸田も血涙を流しながら敬礼を返していた。僕も慌てて敬礼を返そうとするが、提督はそれを笑顔で制止する。そして姉ちゃんを見た。

「比叡、お前はよく迷子になるけど、その度にビッグなおみやげを持ってきてくれるな」
「はい! この比叡も、みんなにシュウくんを知ってもらえてうれしいです!」
「だな。ずっと自慢してたもんな。ずっと“みんなに会わせたい”って言ってたもんな」
「はい!!」
「あきつ丸にもお礼言っとけよ」
「はい! 全部あきつ丸さんのおかげです! ありがとうあきつ丸さん!!」

 この場にいる全員の視線が、あきつ丸さんに集まった。あきつ丸さんはその純白のほっぺたをうっすら赤く染めて、困ったような、恥ずかしいような、そんなちょっとはにかんだ表情をした。

「自分は……ただ比叡殿に、恩をお返ししたかっただけなのであります……でも、シュウ殿に来て頂いて、本当によかったであります」

「だな。シュウがいなきゃ、比叡は助からなかっただろう」

 提督とあきつ丸さんが僕の方を見る。続いて提督は自身の手袋を外しながら、笑顔でこう言った。

「手を出してくれ」
「? はい」

 僕が素直に、言われたとおり右手を出すと、提督は手袋を外した両手で僕の手をがっしりと掴んだ。昨日握手したときよりも、さらに力強い握手だった。

「橋立シュウ! 鎮守府を代表して礼を言う! 二度も比叡を救ってくれてありがとう! キミがあっちの世界に帰らなくてよかった! キミに感謝を伝えさせてくれてありがとう!!」

 僕の十五年の人生の中で、こんなにも人に感謝されたことは一度もない。そのせいか、提督の、この全力の感謝を受けて、僕も提督の手を両手で握りしめた。

「提督! 僕の方こそ、大切な人と知り合える機会をくれてありがとうございました! ケッコンするチャンスをくれてありがとうございました!!」

 誰かが、『人生の価値は、心から“ありがとう”と言える人の数で決まる』と言ったのを、僕は聞いたことがある。

 僕には、姉ちゃんという最愛の人が出来た。そして、心から“ありがとう”と言える人、提督が出来た。ならば僕の人生、そんなに悪いものでもないようだ。
 
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