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4部分:第四章


第四章

「前は、か」
「つまり今はフリーだぜ」
「彼氏いなくて悩んでるってさ」
「それでどうしたものかっていつも話してるらしいぜ」
「まあ全部聞いた話だけれどな」
「わかった。いないか」
 友人達の話をだ。昂輝は今は真実だと認識した。そうしてだった。
 そのうえでだ。彼は言ったのだった。
「よし、わかった」
「わかった?」
「わかったっていうと?」
「どうするんだよ」
「今からC組に行って来る」
 即断実行だった。昂輝の性格である。
「それでその三田村さんのところに行って来る」
「おいおい、本当に速いな」
「殆ど考えてないじゃないか」
「話を聞いて速攻か」
「告白するのかよ」
「そこまでは考えていないけれどな」
 流石にだった。昂輝もそこまでは考えていなかった。しかしだ。
 それと共にだ。彼はこう友人達に言った。その言葉は。
「けれど会って来る」
「そうか。じゃあ頑張れよ」
「健闘を祈るぜ」
 友人達の言葉を背に受けそのまま左手をあげて手を振ってからだ。彼はそのC組に向かった。そうしてそのうえで彼はC組に行くとだ。
 すぐに鈴子、今日もクラスメイト達と話している彼女のところに来てだ。こう言ったのである。
「ええと、昨日の放送当番だけれど」
「放課後の?」
「ああ、あんたなんだな」
「ええ、そうだけれど」
 その通りだと答える鈴子だった。自分の席に座ったままで。
「何かまずいところあったの?」
「よかったらまた聞きたい、いや」
「いや?」
「ずっと聞かせてくれないか」
 こう言ったのである。鈴子に対して。
「放送部でな」
「それってまさか」
「頼めるか」
 真剣な面持ちで鈴子に言うのだった。
「あんたさえよかったら」
「それってまさか」
「いや、それはな」
 流石にすぐの告白は昂輝もできなかった。確かに即断したがそれでもだった。
 それでだ。今はこう言うのだった。
「これから。色々とな」
「そう。色々とね」
「声を聴きたいけれどいいか」
「私でよかったら」
 鈴子はその昂輝の問いにだ。笑顔になりだ。
 そのうえでだ。こう答えたのだった。
「聴いてくれるかな」
「有り難う。じゃあ俺は」
「そう。ええと、誰だったかしら」
「H組の宮崎君?」
「ああ、知ってたんだな」
「バレーボール部だった?」
「そうだ。そこだよ」
 少し微笑んでだ。昂輝は答えた。
「宜しくな。これから」
「うん。じゃあね」
 こうして二人は最初の挨拶を終えた。昂輝はそれが終わってから自分のクラスに帰る。その彼の背を見送ってだった。 
 鈴子の周りにいたクラスメイト達がだ。笑顔で言ってきたのである。
「あれって、もう完全にね」
「そうね。鈴子のことをよね」
「好きだから。今は告白できなくても」
「それでも来たのよね」
「どう見てもそうよね」
 そんな彼等の話を聞いてだ。鈴子もだ。
 
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