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歌集「春雪花」

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 久方の

  浮き世にふりし

   月影の

 眺むやひとり

     想ふ夜なれ



 久々に晴れ間の覗いた夜更け…冷たい風が気ままにそよぐ山里を、月が淡く照している。

 そんな淋しさだけが傍らに寄り添う夜更け…彼を想い、どうしたら良いのかと思案する…。

 誰にも相談は出来ないこと…いや、気付かれてはいけないことなのだ…。

 見上げた月は…泣いているのか笑ってるのか…。ただその輝きを大地へと落とすだけ…。



 三冬月

  奇蹟願えど

   君遠く

 想いに暮れし

     暗き冬空



 もうすぐクリスマスになる…。
 聖夜…と言われるのだから、一生に一度の奇跡を願っても許してほしいものだ…。

 だが…それは叶わないだろう…。会いたい彼は…遠すぎる…。

 そんな想いを胸に空を見上げれば…今日は雲に覆われた暗い寒空…。

 彼は元気かな…?なんて…電話をする勇気がない自分の戯言…。

 それでも想ってしまう…彼は元気かと…。

 悩みはないか…?困ってやしないか…?

 遠くの私が心配しても詮ないことと解ってはいるが、きっと…これが恋なのだ…。


 願わくは…健やかたれ…。



 
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