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オズのポリクローム

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第十二幕その七

「だからね」
「それで、ですか」
「この服を貰ってもですか」
「いいんですね」
「是非貰ってくれないから」
 長さんは皆にお願いもするのでした。
「さもないと私の気が済まないからね」
「では有り難く受け取らせてもらうよ」
 魔法使いが答えました、魔法使いにはこの人がいつも着ているタキシードにシルクハット、雷の精霊さんの服の色のそれが精霊さんの一人に持たれています。
「私もね」
「それで僕達にもなんだ」
「そうだよ」
 長さんはトトにも答えました、トト達三匹の動物達にはです。
 それぞれの大きさに合わせたリボンが用意されています、それも出してそのうえでお話する長さんでした。
「ではいいかな」
「それじゃあ」
 ポリクロームが応えました。
「有り難く」
「そう言ってくれて私も助かったよ」
「ええ、頂くわ」
 こう答えてでした、皆はそれぞれその服を貰ってです。
 雷の精霊さん達と笑顔でお別れしてまた飛行船に戻りました。そのうえでお空の中を進みながらでした。
 ポリクロームは皆にです、こう言いました。
「王宮に帰って」
「それで、ですね」
「あちらでも楽しみましょう」
「さて、今回の旅も楽しかったけれど」
 トトも言ってきました。
「まだ旅は続いているんだよね」
「旅はお家に帰るまでよ」
 その時までが旅だとです、ドロシーはトトに答えました。
「それまではね」
「うん、旅だよね」
「だからね」
 それでというのです。
「まだ旅は続いているわよ」
「そうだよね」
「いや、こうした旅もいいね」
「そうだよね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーもお話します。
「お空を飛んでの旅も」
「それもね」
「夜空も夕焼けも見られて」
「中々快適だったね」
「うん、これまでもオズの国での旅はしてきたけれど」
 ジョージも二人に応えて言うのでした。
「飛行船での旅もよかったよ」
「それもオズの国の飛行船だったから」
 神宝はこのことからお話します。
「また格別だったね」
「三百六十度見られたからね」
 カルロスはとても明るい笑顔です。
「それがよかったよね」
「お空の中にいるみたいだったわ」
 恵梨香はその感触をこう表現しました。
「自分が飛んでいて」
「外の世界の飛行機や飛行船で飛んでいる時とは違って」 
 ナターシャも微笑んでいます。
「それがよかったわね」
「ええ、夜空も全部見られて」
「まさにオズの国のお空の旅だったわね」
「本当にそうだったわよね」
「この飛行船での旅は好評みたいだね」
 魔法使いも笑顔です。
「じゃあ今度は皆で行こうかな」
「オズマ達も一緒に、なのね」
「うん、飛行船に乗ってね」
 そうだとです、魔法使いはドロシーに答えました。
「そしてね」
「そのうえで」
「そう、楽しもうね」
 そのお空の旅をというのです。
 こうしたお話をしながらです、皆で王宮に向かうのでした。高度を徐々に下げてです。そして雲の下に出てです。
 王宮に向かっていますがこの時にです、ジョージはまた言いました。
「王宮に戻るのは何時頃でしょうか」
「そうだね、明日の朝だね」
 魔法使いがジョージの問いに答えました。 
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