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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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学園祭のライオンハート
  選手入場からのゲームスタート前×特殊ルールやその他の説明

「トレミー内にいる全ての仲間達よ、そろそろ時間となってくるので呼ばれたらアグレアスドーム内にいる事を忘れるな」

館内放送を流した後、各それぞれのメンバーに緊張が来るが俺はブリッジから第三カタパルトへと移動した。大天使化となって降り立ち、タブレットで素早く今回戦う仲間を召喚する為にな。すると司会をする者が眷属紹介の前に、ゲストを紹介していた事で主にリアスらが驚いていた。

『ごきげんよう、皆様!今夜の実況は私、元七十二柱ガミジン家のナウド・ガミジンがお送り致します。特別ゲスト!解説として堕天使総督のアザゼル様をお呼び致しました。今夜はよろしくお願いします』

『これはどうも。今回のゲーム、私も楽しみにしていましたよ!若手悪魔対創造神ですからね』

『やはり本当のようですね。我々を創り各神話を創り人間を創った、と言われている創造神様は』

『それは事実ですよ。まあここで創造神としての力を見せてくれるかは分かりませんが、各眷属らを入場させましょうか』

「・・・・まさかアザゼル先生が解説役としていたとは思いませんでした」

「ずっといなかったのもこの為のようだね。相手は一誠だ、気合を入れ直すとしようか」

「リアスにも言っといたが、バアルとグレモリーのメンバーに言っておく。俺らがこれからやろうとしているのは、実戦ではなくレーティングゲームだが実戦に相応しい重さと空気がある。満員御礼らしいが、観客らを楽しみながら臆するな。全員、円陣を組め・・・・これから俺達と戦うのは最強最悪と言われた黒神眷属だ。だが俺達はこの為に鍛錬してきた者達ばかり、これから戦う時に観客らに恥の無い戦をするんだ。バアルとグレモリーが力を合わせれば一太刀入れる事も出来る、必ず勝つ事を信じて出陣する!」

『はいっ!/了解!』

サイラオーグが気合を入れ直した事で、バアルとグレモリーの心が一つになろうとしていた。相手は最強最悪とも言われる黒神眷属であり、創造神黒鐵を中心とした事で悪魔にとって敵にはしたくない相手とも言える。全員エクスカリバーを持っているし、黒の駒と言うオーバーテクノロジーで創られた事で戦い方も近距離から遠距離が得意な者が多い。

『そのようですし、観客達もお待たせ致しました!いよいよ世紀の一戦が始まろうとしています!東口ゲートからバアル&グレモリーチームの入場ですッッ!』

「「「「「「「わぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁっ!」」」」」」」

バアル眷属とグレモリー眷属の入場にドーム会場は大きく震えたし、トレミー3番艦にいるが歓声や声援がここまで聞こえてくる。バアル眷属は堂々としていたが、グレモリー眷属は少々緊張していた顔を見せていた。

『そしていよいよ、西口ゲートから黒神チームの入場ですッッ!』

「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」」」」」」」

アナウンスされたが、一向に現れない俺らに観客達と入場した眷属らは疑問が出てきた。

『おや一向に現れませんね、どうしたのでしょうか?』

「待ってたぜこの時をな!トレミー3番艦、ステルスモード解除と共に姿を現せ!」

トレミー3番艦はステルスモードを解除させて、アグレアスドームの傍に空中都市アグレアスぐらいある戦艦が出現したのだった。

『あれは戦艦でしょうか!アザゼル総督あれは一体?』

『あれはプトレマイオス2改です。一ちゃん、一誠はいつもトレミーと呼んでましたがまさかアグレアスぐらいの大きさとはな!』

バアルとグレモリーはそれぞれの陣地にいるが、トレミーが姿を現した事で観客らと共に驚いていた。するとトレミー3番艦から金色の何かが降りてきたので、よく見ると大天使化した第一の姿である創造神黒鐵となった俺。着地すると共に歓声が上がった。

『あ、あれは創造神黒鐵様です!大天使化となる第一の姿から人間である兵藤一誠様が姿を現しました!』

おおう、凄い歓声だな。もしかして、第一の姿である創造神黒鐵を見るのは初めてなのが多いのか。俺はタブレットを出して、今回出す者を素早く選んだら魔法陣で出てきた。

『王』俺『女王』コーティ『騎士』アーサーとジーク『僧侶』ルフェイとゲオルグ『戦車』ヘラクレスと恋『兵士』曹操、ヴァーリ、黒歌、箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラにして召喚。『禍の団』元英雄派はまだ隠しておきたいので、ローブを着て仮面を装着していた。

「俺達の目の当たりにあるのは、広大な楕円形の会場上空に浮く二つの浮島があるな。あそこが戦をするフィールドなのか?」

「広いフィールドの割には、宙に浮く巨大な岩だがあの上が陣地なのだろう」

『さあ、黒神チームの皆さんもあの陣地へお上がり下さい』

岩の陣地に繋がるのは長い螺旋階段となり、バアル&グレモリーチームは階段を上がり岩の上に辿り着く。遠くにサイラオーグとリアスらが見えるし、若干緊張しているようだがこのフィールド全体を使った空中大決戦なのか?俺らは陣地の上から召喚したので、人数分の椅子と謎の台が一つだけある。それと一段高い所に設けた移動式の魔法陣があった。

「この下は陸上競技用トラックしかないが、今回はどういうルール何だろうか?」

「さあな?だが目立つ事と言えば、曹操らだがまあしょうがないと思うぞ。元『禍の団』英雄派だしな、あちら側にも情報はないがアザゼルが推測として言ってたな」

「白音と相手するなら私がするにゃ、もしかすると白音はポケモン技を仕掛けてくると思うから」

「その時は頼んだ黒歌。さて超巨大モニターに映り込んでいるイヤホンマイクを付けた司会者と解説者の事でも聞こうや」

『今夜のゲームを取り仕切る審判(アービター)役にはリュディガ・ローゼンクロイツ!』

魔法陣から銀色の長髪に正装という出で立ちのイケメンが現れた。確か元人間の転生悪魔にして、最上級悪魔でランキング七位。するとリアス側に仕込んだ盗聴器から声が聞こえてきたので、俺は通信機をハメて聞いていた。

「・・・・リュディガ・ローゼンクロイツ。元人間の転生悪魔として最上級悪魔、ランキング七位。今回はグレイフィア様ではないのですね」

「そりゃそうだろうよ。俺らの家である大王家が納得する訳がないし、そちらはグレモリー側だからな」

グレイフィアはサーゼクスの『女王』であり、家柄重視の大王派にとって目障りな存在だ。グレイフィアが不正する訳がないけど、大王派の上役は突っついて来る。それとアザゼルに関しては、こっち側では把握していたからな。ゲームの解説者としてでもあるが、司会者と共々盛り上げする為でもあるのだろう。一切聞いていないリアスらは驚く様子を見ていた俺達。

『今回来て頂いたアザゼル総督はサーゼクス・ルシファー様を始め、各勢力の首領の方々と友好な関係を持ち、神器研究の第一人者として業界内で有名でありますが、今日の一戦はどう注目されているのでしょうか?それと本来ならバアル&グレモリーチームには、一人の専属コーチ兼アドバイザーが付きますが今回はバアルとグレモリーで一人ずつ付いているようです。アザゼル総督はグレモリーチームの方に専属コーチ兼アドバイザーをしていましたが、今回はどう注目するでしょうか?』

『そうですね。私としましては最強最悪の黒神チーム相手にして、力を出し切れるかどうかは戦次第となります。ただでさえ量産型聖剣エクスカリバーを持っている相手ですので、俊足やら防御やらを教えてきましたが実戦と模擬戦では違い過ぎますしデータ不足でもあります。何せ黒神チーム全員のデータ不足ですからね』

『こちらもデータ不足でありますが、悪魔の弱点である聖なるオーラをどう相手するかが楽しみの一点となりますね』

アザゼルは営業スマイルで解説を始めやがったな。で、アザゼルの紹介が終わると、次にカメラがアザゼルの隣に移り、端整な顔立ちに灰色の髪と瞳をした男性を映した。

『更に、もう一方お呼びしております!レーティングゲームのランキング第一位!現王者!皇帝(エンペラー)!ディハウザー・ベリアルさんです』

「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!」」」」

アザゼルが登場した時よりも遥かに大きい歓声が上がったが、会場全体の震動が両チームの響き渡る。皇帝(エンペラー)と称された者が朗らかに口を開く。

『ごきげんよう、皆さん。ディハウザー・ベリアルです。今日はバアル&グレモリーチーム対黒神チームとの一戦を解説する事になりました。どうぞ、よろしくお願い致します』

「一誠、あれが第一位の奴か」

「そうだヴァーリ。アイツを倒さない限り俺達は真の最強とは言えないな」

「まあ俺達は正式なゲームをすれば、すぐにトップ3に入ると思うぞ。そこは一誠の気分次第だな」

「俺はレーティングゲームの覇者何て興味がない・・・・ただ強者と戦ってみたいと思っただけだ。俺が創ったとされる者達が、どう言う風な強さを持っているとかな」

「・・・・ご主人様、ヴァーリの性格が移った気がする」

「まあそうだな・・・・ヴァーリの影響が移った気がする」

「確かにな(笑)」

そう言った恋の頭を撫でながら、俺は半分戦闘狂に目覚めたが良い意味でな。実況者がアザゼルと皇帝ベリアルに話を振っていた。

『早速ですが、グレモリーチームのアドバイザーと兵藤様率いる黒神チームをよく知っているアザゼル総督、バアルチームをアドバイザーしておられた王者にそれぞれ見所を教えて頂けると助かります』

『そうですね、私は兵藤様の事を親しくつけて「一ちゃん」と呼んでおりました。それも三大勢力戦争前からの盟友ですからね、今回一ちゃんのチームには半分知っている者がおりますが半分知らない者がいます。ローブを被っていて仮面まで装着してますから。グレモリーに関しては、滅殺姫の愛称があるリアスを中心とした眷属となり、多少火力重視ではありますが急遽タッグ戦となった訳なので黒神チームに勝てる勝率を上げる為の厳しい修業をしてきました・・・・』

実況アナウンサーの質問にアザゼルが答えてから。

『はい、サイラオーグ選手は「王」としても優秀だとは思いますが、それ以上に選手としてもチーム最強を誇っています。今回急遽決まったタッグ戦により、如何にして互いの力を合わせた連携プレイがどの程度出来るかどうかを重点的に見て来ました。それとアザゼル総督の言う通り、黒神チームに関してのデータが余りにも少なすぎます。あちらにはあってこちらには無いと言う事ですが、悪魔としては珍しく努力を積み重ねてきた同士であるバアルとグレモリーは果たしてどの程度通用するかは試合をしてみないと分かりませんね』

堕天使総督アザゼルと皇帝(エンペラー)ベリアルも答えていたが、両者とも言うデータ不足に関してはそちら側であってこちら側にはデータが豊富である。するとあちら側から声が聞こえてきたので、それを聞きながら解説が進む。

「確かにそうですね。黒神チームはこちら側のデータが豊富に揃っていると聞いていますが、私達には不足していて分かりませんから」

「貴方は確かバアル眷属の『「騎士」ベルーガ・フールカスです』お会いできて光栄ですが、まさにその通りでしょうね部長。僕達のデータは揃っているのに、情報開示されていない黒神チーム側は無さ過ぎて不気味です」

「私達は一誠を知っていたとしても、それは一部だけ。全貌を知っているのはいくら親しいアザゼルでも知らないからでしょ。それよりサイラオーグは一誠ら黒神チームをどう見るのかしら?」

「てっきり知っている者らばかりかと思ったが、半分は仮面にローブを着込んでいる。もしかしたら隠し球を持っていたのかもな、だが俺はあくまで『王』として冷静に敵を分析するさ。リアスも分析して眷属を出すといい。そろそろ解説が進んでいるからな」

今までのゲームでは愛紗達を出していたが、今回は半分ヴァーリチームとISチームを入れている。今回は汚名返上として新たに初陣として英雄チームを投入したからだが、ポケモンに関するデータも情報開示してないからな。バトル中のみ発生するメガ進化も頭に入れているから、相手に対して俺が選ぶようになっている。

『まずはフェニックスの涙についてですが、皆様もご存じの通りテロリスト集団「禍の団」の連続テロにより、各勢力間で緊張や涙の需要が高まり涙の需要と価格が跳ね上がっています。その為用意するだけでも至難の技でしたが、兵藤様が大量生産した事でフェニックス家側に安値で売り捌いた事により簡単に手に入れる事が出来ました。なので今回のゲームにて、各チームに四つずつ支給される事となりました』

「「わーーーーーーーーッ!」」

俺はマイクを持って叫んだ。

「俺のとこにはそんな物いらん!フェニックスの涙四つ共バアル&グレモリーチームにやるとする!」

するともっと歓声が上がったが、それ以上に驚いたのは相手側のバアルとグレモリーチーム側。俺が創造の力により、純正品並みフェニックスの涙を大量生産したお陰で簡単に用意する事が出来たからな。それと俺らにそんなもんはいらんし、ルフェイとゲオルグによる回復魔法だけで充分だ。

『それはどういう事でしょうかね?アザゼル総督』

『恐らく一ちゃんのとこには、魔法使いがいるので必要ないと判断したんでしょ。それにフェニックスの涙を大量生産した一ちゃんのお陰で、純正品での涙をゲームで簡単に用意したと考えられます。あちら側には人間界で言う栄養ドリンク的な感じなのがあるかと』

俺は創造を司る神であり、地獄の鍛錬相手はアグニとルシファー達とシャルロットなのだから。それに俺も鍛錬に参加したが、アグニを倒した回数は数えられない程だ。あと創造神として名は有名だが、神の力は創造だけで無い事をここにいるアザゼルか現四大魔王しか知らんと思う。次元の狭間本家にいる前四大魔王と元神と真龍と龍神だけだ。

「やはりあの噂は本当だったらしな」

「噂ってフェニックスの涙が大量生産されていたって事?」

「ああ。俺は皇帝(エンペラー)から聞いたのだが、まさか事実だったとはな。本来なら各チームに一つずつだが、あちら側が拒否した為にフェニックスの涙が八つも復活可能となった。問題は誰が持っておくかが問題だろうよ」

『このゲームには特殊ルールがございます!』

あちら側から話を聞いている間だったが、やはり特殊ルールが存在したか。レーティングゲームはエンターテイメントが強調されているから、どんなルールでも全勝してみせるぜ。俺らは涙不要だが、あちらは八つ持っているので八度倒す事になるかもしれん。まあ涙があろうと無くとも俺らが負けると言う事は考えていないが、あちら側が最大四人出てくるかもしれんからな。

「あちら側は涙を八つ持っているが、こちら側は無くても良かったのか?」

「ん?ああ、そのくらいのハンデを持たせないと俺らの瞬殺ショーになってしまうからな」

「その通りですね。私もそうですが、他は初陣であり黒の駒により底上げ状態のパワーアップですからね」

「ポケモンも出せたり出来るが、あちら側が最大四人となるがこちらは一人か二人となってしまう。ま、こちらは最初から一人で多数戦を得意としているからな」

と言う事な俺達は座って談笑していたが、特殊ルールを聞いていた。

『特殊ルールをご説明前に、まずはゲームの流れからご説明致します!ゲームはチーム全員がフィールドを駆け回るタイプの内容ではなく、試合方式で執り行われます!これは今回のゲームが短期決戦(ブリッツ)を念頭に置いたものであり、観客の皆さんが盛り上がるように設定されてるからです!若手悪魔同士とタッグを組んだチームと黒神チームが相手ではありますが、ゲームを楽しんでもらおうと言う処置なのでその様式はまさにプロ仕様となっています!』

つまり面と面を向かっての勝負だが、要するにタイマンでやれとの事か。駆け回るタイプでも良かったが、あちら側は初めての体験だろうな。予想外の展開にグレモリーらは、顔を険しくしていたが試合方式だとチームバトルが出来ない。

アイツらはタイマン用の修業もしていたそうだが、チーム用のトレーニングも重ねてきたと聞いている。問題は如何にバアル眷属とどう連携プレイ出来るかだが、特殊ルールの説明は続く。

『そして、その試合を決める特殊ルール!両陣営の「王」の方は専用の設置台の方へお進み下さい。なお今回若手悪魔側の「王」は、二人いますので順番ずつでお願い致します』

設置台?ああ、あれの事か。俺とあちらにいるサイラオーグとリアスが、それぞれの設置台前に移動した。設置台から何か現れたが、俺は予想通りとなり相手側代表である二人も予想通りの展開となった。

『そこにダイスがございます!それが特殊ルールの(かなめ)!そう今回のルールは、レーティングゲームのメジャー競技の一つ!「ダイス・フィギュア」です!』

ダイス・フィギュアか、代表的なルールだな。あちら側もこちら側も聞き慣れない単語に首を傾げているが、俺的にはルールの一つだと頭に入っている。それを説明する為を省くのか、司会者から説明してくれた。

『ご存じで無い方の為に改めてダイス・フィギュアのルールをご説明致します!使用されるダイスは通常のダイス同様六面、一から六までの目が振られております!それを振る事によって、試合に出せる手持ちが決まるのです!人間界のチェスには駒の価値というものがございます!これを基準として「兵士」の価値を一とした上での活躍度合いを数値化した物。冥界のレーティングゲーム、「悪魔の駒」でもその価値基準は一定の目安とされておりますね!勿論、眷属の方が潜在能力以上の力を発揮して価値基準を超越したり、駒自体にアジュカ・ベルゼブブ様の隠し要素が盛り込まれていたりして想定以上の部分も多々あります!しかし今回のルールでは、その価値基準に準じた物で執り行います!』

「一応言っとくけど、本格的なレーティングゲームにはいくつも特殊なルールがあるからね。僕達のやってきたのは比較的プレーンなルールのゲームだけど、今回みたいにダイスを使ったりフィールド中に設置された数多くの旗を奪い合う『スクランブル・フラッグ』と言うルールもあるのさ。ダイス・フィギュアはダイスを使った代表的なゲームだけど、一誠君達にとっては特殊ルールがあっても関係ないかもしれないね」

「まあそうだな。いくら回復要員であるアーシアがいたとしても、あちら側はそれ以上の力と防御を持っている」

「今回俺達には神器使いも多いから、バアル眷属とグレモリー眷属は神器を使うが禁手使いは今の所木場祐斗しかいないだろう」

「こちらにとって『兵士』がいない為、補えましたが問題はあちら側がどう出るですね」

バアル側の神器所有者は『魔眼の生む枷(グラヴィティ・ジェイル)』と『異能の棺(トリック・バニッシュ)』だが未確認情報だと神滅具を持っているとの事だ。グレモリー側は『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』に『魔剣創造(ソード・バース)』&『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』と『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』だ。

「こちら側の神器使いはいるが、神滅具と神器のオンパレードだ。それにあちら側はまだ知らんだろうな、神滅具が二つではなく四つだと言う事をな」

「そう言う事だが、駒価値は今から言うので頭に叩き込んでくれ。『騎士』3『僧侶』3『戦車』5で『女王』は9となっている。だがこちらの駒は、『悪魔の駒』を参考に創った黒の駒。一個一個が全て『変異の駒』レベルだが、そこまで知らんだろうな」

「例えば6が出れば『騎士』か『僧侶』を出せると言う事ですか。あちら側が誰を出すかは、一誠様の耳にハメている通信機で知る事となりますね」

「あちら側に盗聴器でも仕込んでいるのか?不正行為とはならんのか?」

「大丈夫さ。いくら探そうとしても小型偵察機として出しているし、指示はトレミーから出ているから例えバレたとしてもすぐに回収出来るようにしている」

こちら側が説明していると司会者がダイスの解説をし始めた。

『まず始めに両「王」がダイスを振り、出た目の合計で出せる選手の基準が決まります!例えば、出た目が八の場合!この数字に見合うだけの価値を持つ選手を試合に出す事ができます!複数出場も可能で「騎士」なら価値は三なので、二人まで出せます!駒消費の一の「兵士」ならば場に八人出せます!無論、駒価値五の「戦車」一名と駒価値三の「騎士」一名も合計数字が八なので出す事が出来ます!数字以内ならば、違う駒同士でも組ませる事が可能です!そして複数の駒を消費された眷属の方々もその分だけの価値になります!例えば「戦車」を二つ消費した方は十となります』

長い説明どうもと言いたいくらいだが、出た数字が最大十二として出たのならばバアルとグレモリーからそれぞれその数だけ眷属が出せると言う事になる。例えなら『女王』と『騎士』か『僧侶』の誰か一人を組み合せて試合に出る事が可能となる。

『しかし、リアス・グレモリー選手とサイラオーグ・バアル選手の手持ちの駒には価値基準で言う所の1から2の該当選手がいません。出た目は3から、選手を出せる事になります!合計数字ですので、2となった場合のみ振り直しとなりますが、兵藤様の駒はどうなっておりますか?アザゼル総督』

『恐らく「悪魔の駒」をベースに創られた新たな駒だと思われます。それに新たな駒の事を黒の駒と呼んでいるそうですが、全てが謎です』

そりゃそうだろう、俺達の技術の賜物なんだから。

『「王」自身の参加は、事前に審査委員会の皆様から出された評価によって出場出来る数字が決まります!無論基本ルール通り、「王」が負ければその場でゲーム終了でございます。それでは審査委員会が決めた両「王」の駒価値はこれですッ!』

実況者が叫ぶと巨大モニターに、俺とサイラオーグ&リアスの名前が悪魔文字で表示されてその下の数字が動き出した。事前にゲームの審査委員会が、サイラオーグ&リアスと俺がダイス・フィギュアでどのぐらいの駒価値があるのか評価を出す。それにより、両者が試合に出場する数字が決まるし『王』自身の実力と手持ちの眷属評価と対戦相手との比較から算出される。

『サイラオーグ・バアル選手&リアス・グレモリー選手は12!兵藤一誠様も12!と表示されました。両方とも12ですので、逆に言うとマックスの合計が出ない限りは出場できません』

なるほどな、サイラオーグは若手悪魔ではナンバー1と滅殺姫リアスでこちらは創造神だからかな。評価は高い同士であるが、こちらとしてはそれに値する力を持っていると知っているからな。

「俺らの評価もそうだが、兵藤の評価は予想通りとなった。例え十二が出ても『王』は最後だろうな」

「そうね。私達の評価が高いのも今までの賜物だと思うし、一誠と一緒に活動していた面もあるけど序盤(オープニング)から出ないでしょうね」

「どうしてですか?」

「例え勝利したとしても場合によっては評判が少し落ちてしまうのさ。ワンマンチームは余り評価されないけど、ゲームでは眷属の力をフルに活用されているからこそ評価される。『王』自身のワンマンショー進行だったら、冥界メディアも黙ってないし『王』の将来自体が危ぶまれる事になる。生中継もあり、これだけの観客を目の前にしてそんな事をすれば評判はたちまち下がる」

『それともう一つのルールで、同じ選手を連続で出す訳には行きませんが「王」も同様です』

まあ確かにね。あちら側の言い分は合っているし、いきなり序盤(オープニング)から出さないからな。戦闘狂はいるが、それは俺も同じでありあちら側にとっては未知なる戦いとなるだろう。

「最初の12が出ても一誠は出てこないでしょうね。彼の性格上、眷属の力を把握しているし冷静にこちら側を見ているでしょうね。この為に私達も厳しいトレーニングしてきたけれど、それはサイラオーグもそうだと思うわ。でもね、一誠は必ず最後の方に出てくると思うから今は相手側の未知なる力を見せてほしいわね」

「まあ俺だってバトルマニアであるが、仮面とローブをしている奴は特に警戒した方がいい。それとそちらの回復要員を単独で出さない方がいい、まず狙うとしたら回復役だろうさ。ここに残ってもらい、勝って帰ってきた者を回復する役に回した方がいいだろうな。いくらフェニックスの涙があっても、あちら側がどう対処してくるかは分からん」

「それもそうだからアーシアはここに残ってもらって、帰ってきた者の回復をお願いするわ。これも立派なゲームでの役目よ『なお特別ルールとして、アーシア選手の回復を飛ばす回数を設けます。一度の戦闘で最大二回までなら、陣地から飛ばしても構わないと兵藤様が仰っておりました』一誠も粋な事をしてくれるわね、と言う事で前線で戦っている者から回復指示が来たら飛ばす事よ」

「はい、お姉様。私は皆様の指示がありましたら、いつでも回復を飛ばしますので言って下さいね」

『勿論!』

と言う事で今回タッグなので、互いを名前で呼び捨てと言う事となった。アーシアの激励にここにいる全員が声を合わせた事で、勝率を上げる為なのか心を一つにしていっている。戦闘要員は互いにいるが、こちらにとって一人で出場する方だろうな。

『さあ、そろそろ運命のゲームがスタートです!両陣営、準備はよろしいでしょうか?』

実況者が煽り、審判役が手を大きく挙げた。

『これより、バアル&グレモリーチームと黒神チームのレーティングゲームを開始致します!ゲームスタート!』

やっと始まるか。長い説明ご苦労と言いたいくらいだが、ルールは何となくだが理解した。それに俺達、この世界にはない技術を持っているからな。

バアル眷属とグレモリー眷属よ、俺達を楽しませるかのように瞬殺されない事だけを祈っておこうか。開始を告げる音と共に観客の声援が会場中に響き渡る事で、ゲームスタートとなった。 
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