| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

機動戦士ガンダム0091宇宙の念

作者:むらたく
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

宇宙編
レーモ7攻略編
  第10話 嵐の宇宙

 
前書き
RX-110 ガブスレイ

ティターンズがかつて開発した可変MS。
茶色の機体色に両肩から伸びるビーム砲が特長。
MA(モビルアーマー)に変形しても格闘能力がなくならないというギミックを持ち、イーグル隊は本機をティターンズカラーの紺に塗装し、レオン機は両肩のビーム砲をバーニアに換装して機動性を向上させている。 

 
ついに、奴らは此処に来た。
「フラン、来たな。」
「ああ、性懲りもなく。今度こそ返り討ちにしてやる!」
フランは以前の戦闘で煮え切らないまま終わったのを気にしているようだ。
「ルシオン、作戦内容〜。」
だらしなく語尾をのばす、カワイイ奴め。
「俺たちは彼女の護衛だ。敵の本陣を叩きに出る。」
「あっ、あの、ナナでいいです!」
照れ気味にそう言う。本当に強化人間なのかと疑いたくなるほど彼女の精神は安定している。
「えー、ナナのレギーナは武装が少なく、対艦攻撃に専念してもらう。よって僕ら2人で敵MS隊を撃破しないといけないわけだ。」
「きつい〜、けど。まあ大丈夫か、俺たちなら。」
フランの操縦技術はかなりのものだ。
士官学校を首席で卒業しただけのことはある。
「もうすぐ出撃だ、敵もすぐそこまで来てる。」
「急ぎましょ!」
MSデッキに向かう彼女の背中は本当に無垢に見えた。
だからこそ…

MSデッキー

「よーし、俺から行くぜぇ!フランプール・ミース、デルタガンダム出る!」
金色の機体を追って、紫の機体がカタパルトに乗る。
「レギーナ、発進します。」
そして自分。操縦桿を動かす手が震える。
また人を殺めるのか。考えるのはよそう。今は作戦に集中しないと。彼女は僕が、いや、僕らが守る。
「ルシオン・スタフィ少尉、行きます!」
三機の編隊を組むと、艦長から通信が入った。
「Aフィールドはイーグル隊が防衛中だ。そこを直進し敵陣の中央を叩け。」
「了解です。」
「支援にバーザム隊を配置させる。MSとの戦闘は道中極力避けろ。」
背後には数機のバーザムが援護をしてくれている。
少しの安堵を浮かべると、フランの声が響く。
「敵MS隊確認!数は3、ルシオン!」
「‼︎」
レーダーのアラームを確認し、前に目を向ける。
モニターに映るガルスj。
その構えに一瞬同様したが、たったのニ射で敵機は沈んだ。
「レギーナ⁉︎」
庇うように自機の前に出る紫の機体。
「やられたな、ルシオン。ナナのおかげだぜ?」
守るだって?冗談じゃない。
戦闘軌道を描き敵陣の中央に進撃するレギーナ。
それに追従するのが精一杯の僕ら。
「なんて動きだ‼︎」
「くっ!」
デブリを高機動で避け、影に潜んでいた二機のズサにビームを放つ。
ズサはミサイルの誘爆により激しく光を上げ爆散した。
衝撃で機体が揺れる。
身体を押さえつけ、歯をくいしばる。
さらに加速を続け、包囲網を突っ切る形になった三機。
「目標確認!ザンジバル級と推定、護衛の敵機は4!」
敵機は戦艦を囲んで展開し、こちらを捕捉すると二機が残り、もう二機が敵の排除に回る。
「俺とルシオンで引き付ける、ナナは戦艦を!」
三機はデルタガンダム一機、レギーナとヘッジホッグに分かれた。
敵機はデルタガンダムに向かい、射撃を向ける。
レギーナは直進しながら主砲を躱し、ブリッジへゼロ距離でビーム砲を放った。
爆発の光を背に、フランに銃を向けるガザCを溶断し、その前にいるガルスjにビームライフルを叩き込む。
「フラン⁉︎」
ガザCの射撃を盾で弾き、ライフルの光軸が貫く。
直後に光を引いて金色の機体が爆発の円から脱出した。
「もう一機は⁉︎」
レギーナの背後から切りにかかるガルスj。
しかしレギーナはすぅと手を後ろに伸ばし、あっさりとサーベルを形成した手でコクピットを貫いた。
まるで後ろにも目があるかの様に。
「ふぅ、これだけやりゃ充分か?」
一息ついて、落ち着いたようだ。
「いえ、まだイーグル隊が孤立状態です。ルシオン少尉、支援に向かいましょう。」
「あ、ああ…」
普段からは考えられないほど冷徹な口調の彼女。

終わってみれば、MS九機、戦艦一隻を三機で撃破するという獅子奮迅の活躍だ。
パイロットスーツの下に大量の汗を感じ、自分でも驚く。
操縦桿を握りなおし、機体を翻した。
「まだ、戦う…」
自分の意思とするべきことが果たして一致しているのか。
妙な感覚を覚えつつ、機体を動かす手には震えが消えていた。 
 

 
後書き
久しぶりの戦闘回ですねw
ちなみにレギーナはファンネル未搭載です。
次回に続きます! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧