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ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝

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襲撃

「ミヤモトさん達ですら負けたのね…」

「更にイガラシのところもか」

「ああ。ランさんからそう言われた。ブレイカーは今も捜索中らしい」

いちば模型店に集まり、俺は昨日の出来事を一通り説明した。

「半径5㎞以内ですか。結構範囲が広いですね」

「どうするよキハラ? 」

「どうするよ参謀? 」

「………今までと同じ体勢でいこう。敵はガンプラ学園すらも倒す相手。第一優先は、まず皆と合流すること。そして合流したらランさんに連絡を入れる」

「まあそれしかねえよな」

「そうだね」

「そんじゃ、今日はこれで解散だな。皆すぐに連絡してくれよ」

報告や今後の方針を話し合い、ひとまず解散していつも通りバトルをしに行った。

「…………ふっ! 」

ハイモックのビームサーベルの攻撃をかわし、反撃でグラディウスで右腰から左肩にかけて斬り上げる。背後から近づいてきた二機にはソードファンネルを射出して胴体を貫き、そのままソードファンネルで更に五機撃破した。

「おおおぉぉぉぉぉっ! 」

グラディウスとルミノックスでハイモック達の攻撃を弾きながら接近し、グラディウスにバスターソード級の粒子を纏わせて一気に斬りつける。
その後、続けてルミノックスにもバスターソード級の粒子を纏わせ、周囲を取り囲んでいるハイモックを回転斬りをして蹴散らす。
その時、今度はシノから連絡が入ってきた。俺はユウの時よりも素早く電話に出る。

『ヒロヤ!今乱入者が現れたわ!急いで皆を呼んで! 』

「っわかった!皆に連絡したらすぐに行く!それまで持ちこたえてくれ! 」

それだけ言い残し、俺はすぐに全員に連絡し、シノのいる店へと走っていった。
無事でいてくれ………。





ーーー--

「さてっと………後は皆が来るまで持ちこたえるだけなんだけど…」

『Field change 』

「!? 」

アナウンスが鳴ると、突如フィールドが宇宙から神殿へと変更された。

「相手が有利のフィールドってことかしら?にしてもホロスコープのカメラにも映らないなんて、どんだけ遠い所にいるのよ」

ぼやいてると乱入者の機体の周りが光り出し、何事かと身構えると、大量の剣がこちらに向かってきていた。

「っシールドガン・ファンネル!キャノンピット! 」

シールドガン・ファンネルとキャノンピットを全基展開し、ガトリングとロングシューティングライフルⅡで次々と迫り来る剣を撃ち落としていく。

「多すぎる……っ! 」

数があまりにも多く、撃ち落とし損ねた剣がV2ガンダムホロスコープに襲いかかる。それから逃れるために常に移動し、ロングシューティングライフルⅡは三連装バルカンモードに変更して剣を撃ち落としていく。

「一気に撃ち落とすしかないわね……けど、メガランチャーのチャージ時間を考えると、その間攻撃は出来ないわね……」

攻撃の手は相変わらず緩まず、それどころか数が増えてじり貧となっている。………迷っている暇はないわよね。

撃ち落とすのを止め、メガランチャーにエネルギーをチャージする。迫り来る剣はシールドガン・ファンネルのビームシールドで受けるも一気に削られていき、徐々にシールドガン・ファンネルが破壊される。

「くっ……っ! 」

シールドガン・ファンネルは九基あったのにも関わらず、あっという間に残り二基まで減っていった。

「お願い……持って………っ! 」

最後のシールドガン・ファンネルが破壊されると同時に、メガランチャーのエネルギーチャージが終了した。しかしV2ガンダムホロスコープは、守りを失ったためメガビームシールドごと左腕と左足、左側のヴェスパーが串刺しになった。

「メガランチャー!フル、パワーーー!!! 」

剣がV2ガンダムホロスコープに当たる直前にメガランチャーからメガ粒子砲が放たれ、迫り来る剣を消し飛ばし、乱入者の方向へと向かっていった。
メガ粒子砲は乱入者を呑み込んでいき、左腕と左足に突き刺さっている剣が光となって消えていった。

「た、倒したの……?いや、それはないわよね……じゃなきゃミヤモトさん達が倒しているはずだもの」

そう思い身構えると、予想通り大量の剣がこちらに迫って来ていた。

「アクロトモフィリア!発動! 」

キャノンピットを展開し、V2ガンダムホロスコープのファンネルとピットが装備されていた箇所からはビームサーベルが放出し、ミノフスキードライブユニットから光の翼を展開する。

「今の粒子残量を考えると、持って二分か三分………間に合ってよねヒロヤ」

今の機体状況と相手の戦力を考えると、こちらが圧倒的に不利。ならば、皆が来るまで逃げ切ることを選択する。アクロトモフィリアのおかげで機体性能は上がり、なんとか攻撃を回避しきっている。

「……こういう状況だと、スレッガーのセリフが頭に思い浮かぶわね。まあ口には出さないけど」

あと一分……四十秒………二十秒…………十秒……九……八……七……六……五……四……三……二……一……

「………間に合わなかった……のね…」

アモクトロフィリアが切れると、V2ガンダムホロスコープの動きは止まり地面に倒れこむ。その直後に、容赦なくV2ガンダムホロスコープに次々と剣が突き刺さっていく。

「あっ……っ! 」

次第にV2ガンダムホロスコープの両肩と両腕、両足、腰部、頭部、メガランチャーが全身隙間無く剣が突き刺さっていく。

「そんな……なんでバトルが終了しないのよ…? 」

乱入者の方をふと見ると、ここからでもわかるぐらいの巨大な、PGを余裕で越すデカさの剣が上空に浮いていた。

「まさか……」

剣の切っ先がこちらに向けられ、そのままこちらに飛んできた。

「止めてっ!! 」

そう叫ぶものを、剣は軌道を変えずにまっすぐこちらに向かってきた。その出来事に思わず目を瞑る。

「おおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!! 」

どこからか雄叫びが聞こえ、同時に何かが思い切り激突したのか爆音が響いた。
まさかと思い目を開けると、そこには黒い剣と青白い剣の二刀を構えた黒い機体が立っていた。

「待たせたなシノ」

「…遅いわよ……ヒロヤ」

「………悪い。俺がもう少し早ければそんなことにはならなかった。けど、一つ言わしてくれ。よくやってくれた。後は俺達に任してくれ」

ケルサスガンダムエクシードに続いて、次々と機体が降りてきた。

「ようやく捉えた」

「よく見えねえが、アイツがブレイカーって訳か」

「そういう感じですね」
「そんじゃやるとするかリンドウ」

「ああ、サカキ」

「ミサカ、オノ。いつも通りお願い」

「了解した」

「任せとけ! 」

「………行くぞ!! 」

グラディウスとルミノックスを構え、ブレイカーのいるであろう方向に突き進む。

「ヨシナさん、サカキさん、サオトメ、ハルカゼはブレイカーに接近。コムカイ、ミサカは距離を取りつつ、こちらに向かってくる剣を撃ち落とすように。流れ弾は僕とオノ、アマミヤさんで処理します。トオサカさんは僕達が責任もって守るので、前線の方は気にしないで前に進んでください」

「「「「「「「「了解!! 」」」」」」」」

ブレイカーはすぐに、先程シノに攻撃していた量の数倍の数の剣を俺達全員に向けて飛ばしてきた。

「はああぁぁぁぁぁっ! 」

グラディウスとルミノックスに交互に粒子を纏わせながら剣を弾き、ブレイカーに接近する。

「ふんっ! 」

「おらぁっ! 」

聖騎士アルピオンガンダムは、デュランダルに赤い粒子を纏わせアルピオンシールドと交互に、デスティニーガンダムはエクスカリバー二刀で聖騎士アルピオンガンダムと入れ替わるような形で剣を弾いて進んでいる。

「ヒロヤ君!スイッチ! 」

ちょうどグラディウスとルミノックスから粒子が切れた頃、トウイの合図を受け後方に下がると、ヴァルキリーフリーダムが前に出て、全武装で一斉射撃して剣を一気に撃ち落としていった。

「デストロイ・アンチェインド! 」

「シャドウデュレイ! 」

ユニコーンガンダムのサイコフレームが更に露出し、性能を上げてアームドアーマーDE+ビームガトリングのシールドファンネル三機と両手にビームガトリングを用いて剣を撃ち落としていき、アサシンガンダムシャドウは、M.E.P.Eみたいに分身体を作って剣を弾いている。

「流れ弾は頼むぞ! 」

「任せてください! 」

「おうよ! 」

「わかりました」

EZ-10は35mm頭部バルカン砲、12.7mm対歩兵用旋回式バルカン、100mmマシンガン、180mmキャノンで、ZZガーディアンはハイメガキャノン、ミサイル、ダブルキャノン六つで、とフェザーガンダム(EW)はフェザーファンネルにツインバスターライフルで流れ弾を撃ち落としていっている。

「見えてきた! 」

距離を縮めていくと、ようやくブレイカーの姿が完全に確認出来るようになった。

「どこかで見たことあるような機体だな…」

「そうか?俺は初めて見たぜ? 」

「てか黒金って……」

そこには黒金で色を統一。武装も見た限りでは左腰に差してある刀身の無い柄だけだった。全体的に丸みを持たせていると同時に所々にエッジを効かせており、背後には赤いマントを着けていた。その機体は神々しさとは別に、何か圧巻…威圧を放ち、攻撃を止めて腕組みをし、こちらを見下ろしていた。

「おいキハラ?お前この機体見たことあっか?何かヨシナが見たことあるっつってんだけど」

「映像を送信してくれないとわかりませんよ………映像をこちらに映してください」

「あいよ」

キハラに言われサカキが映像を送ると、キハラが息を飲んで驚愕な表情をしている。

「どうしたよキハラ? 」

「……カテドラル…ガンダム…?それともデュナイアルガンダム?いや、でもあれは別の人が所持しているはず」

「なんだそれ? 」

カテドラルガンダム?デュナイアルガンダム?俺にはさっぱりわからないな…。

「二代目メイジン・カワグチの製作したガンプラです……。今は亡くなっていますし、今は違うファイターが所持しているはず………。今この場所には存在しないはずなんですけど………」

「じゃあなんでブレイカーがそれを主事しているんですか? 」

「今はまだわかりません。けど、やることは変わらないはずです」

確かにその通りだ。ランさんには連絡を済ましたし、後は俺達が時間を稼ぐだけだか………。

「さすがに仲間が……シノがやられてるってのに、それだけで済ませる訳にはいかないな」

「同感だよヒロヤ君。ミサキの分の仇も取んなきゃいけないし」

ケルサスガンダムエクシードはグラディウスとルミノックスを、ヴァルキリーフリーダムは右手にビームカノン、左手にエクスカリバーVを装備し構える。

『………ふっ…』

武器を構えた直後、黒金の機体は腕組みを解いてゆっくりとこちらに進みながら上昇し、ちょうど俺達のど真ん中の所で地面に降り立った。

「なんだ? 」

『姿を見られたなら仕方あるまい。だがその代償は高いぞ? 』

ブレイカーから通信が入ってきて、その口振りと声質からいって、超俺様の傲慢男だとすぐに理解した。

『ではこのフレユールガンダムにより、そこのゴミと同じように朽ちるがいい』

フレユールガンダムのどこに噴出口があるのか、全身の装甲から金色の胞子状の粒子が大量に噴出し、フレユールガンダムの周りは粒子で埋め尽くされた。
すると粒子は姿を変えて、剣へと変貌した。

「!? 」

『散れ』

さっきの量の数倍の剣が一斉掃射し、俺達はすぐにシールドで受けたり回避行動を取ったりした。しかしそれでも攻撃に直撃する者がいた。

「多すぎる……! 」

「ちっ!…………っシノ! 」

キハラとオノ、アマミヤは剣を撃ち落としたりフェザーファンネルでビールシールドを形成して防いでいくも、数が多すぎるのか所々に剣が突き刺さっていき、V2ガンダムホロスコープが無防備になっていく。

「トウイ! 」

「了解!バリアドラグーン!」

ヴァルキリーフリーダムがバリアドラグーンを射出し、フェザーファンネルと重ねてビームシールドを展開する。

「皆さん!一旦引いてください! 」

「「おうっ! 」」

「わかった……っ! 」

キハラの指示により全機がビームシールドの後ろへと移動し、聖騎士アルピオンガンダムのファンネル八基とユニコーンガンダムのアームドアーマーDEファンネル三基がビームシールドやサイコフィールドを展開してより守りを固めた。

「皆。大丈夫か? 」

「なんとかね…」

「けどこのままじゃじり貧ですよ」

「俺のサイコフィールドも長くは持たねえぞ…! 」

「あんなのチートだろ…」

『小賢しい事を………潔くやられるがいい! 』

「「「くっ……!」」」

攻撃の激しさはより増し、もやは豪雨とも言えるかのような速度と威力になり、目に見えてわかるように守りが削られていってる。

「どうするよキハラァ!?刑事さんが見つけるまで時間を稼ぐっつっても、さすがにこのままって訳にはいかないぜ!? 」

「…………サオトメ、ハルカゼ、トオサカさん。F(フル)D(ドライブ)R(レゾナンス)システムは使用出来そうですか? 」

「……僕は何とかドッキングパーツは無事だけど、シノさんが…」

「…………私もミノフスキードライブユニットだけは無事よ……けどそれ以外は…」

「……………シノ。頼む。お前の力を貸してくれないか? 」

「ヒロヤ……」

「ぐぅっ! 」

サイコフィールドを形成していたアームドアーマーDEファンネルが破壊され、残る守りも三人のビームシールドだけになった。

「必ずアイツを倒す………任せろ。俺がお前の事も守ってやるよ」

「!───………ありがと。任せたわよヒロヤ」

「おう」

「よし。じゃあやろっか。ドッキング開始! 」

ヴァルキリーフリーダムから両足を、V2ガンダムホロスコープからミノフスキードライブユニットをパージし、ケルサスガンダムエクシードへとドッキングした。

「「「F(フル)D(ドライブ)R(レゾナンス)!!発動!!! 」」」

各部装甲がパージし、全身のクリアーパーツから膨大な粒子が噴出。ふくらはぎとミノフスキードライブユニットからは光の翼が発生し、機体が虹色の光に包まれた。

「お前達はここで持ちこたえててくれ!その間に………俺がアイツを倒す! 」

ビームシールドから大きく飛び出し、フレユールガンダムに突撃していく。

『ほう。やる気か』

フレユールガンダムの矛先がケルサスガンダムエクシードに向けられ、シノ達へ攻撃していた剣の三分の二はこちらに放たれてきた。

「はあああぁぁぁぁぁぁぁっ!!! 」

グラディウスとルミノックスに虹色の粒子が纏い、襲いかかってくる剣を回避したり弾いたりしながらフレユールガンダムに接近していく。

「ぐっ……! 」

しかし数が多すぎるのか所々かすっていき、少しずつ機体へのダメージが蓄積されていった。

「これでも捌ききれないのかよ……!けどっ! 」

『ちっ! 』

フレユールガンダムの距離まで約二十五メートルの所まで接近し、地面を蹴って一気に距離を詰めていく。

「捉えたぞ!ブレイカー! 」

グラディウスとルミノックスは未だに粒子を継続し続け、フレユールガンダムに向けて思い切りグラディウスを斬り下ろした。
フレユールガンダムは粒子の放出を止め、左腰に差してあった刀身の無い柄を引き抜くと柄から粒子が溢れ、次第に剣を形成していってグラディウスを受け止めてきた。

『ぬっ? 』

「おおおぉぉぉぉっ! 」

すぐに続けてルミノックスで水平に斬り払うも左手からも粒子が溢れ、左手の甲から刀身が発生して防がれてしまった。

「ならっ! 」

一歩下がって距離を取り、グラディウスを肩に掛けてフレユールガンダムに突撃していく。

「アサルト・ストライク! 」

グラディウスをフレユールガンダムに向けて突き付けるも、予想通り半身でかわされてしまい、そのままフレユールガンダムを通りすぎていった。

『この程度の攻撃…』

フレユールガンダムが、右手の剣を構えて振り返り、ケルサスガンダムエクシードの背中に向けて斬り下ろしてきた。

「ここだっ! 」

フレユールガンダムが斬り下ろすと同時に機体を反転させ、ルミノックスを構えて懐に飛び込んで水平に斬り払った。

『ふん………っ! 』

しかしフレユールガンダムは一瞬で反応し、左手の刀身で受けきってきた。

「フォース・アインス! 」

そのままルミノックスで、フレユールガンダムを中心に四角形を描くように回り込みながら攻撃するも、フレユールガンダムの装甲から刀身が発生して全て防がれ、反撃で更に剣を大量に飛ばしてきた。

「なんだよこの機体………特殊コマンドも無しでF(フル)D(ドライブ)R(レゾナンス)についてこれんのかよ! 」

近距離ということもあり、回避行動が間に合わず咄嗟にビームシールドを前面に展開するも、防御など意味がないと思い知らせるかのように呆気なく破壊された。

「くっそ……っ! 」

ケルサスガンダムエクシードの右太もも、左腕、右肩肩の付け根付近の胴体、右肩、左のメインカメラに、ミノフスキードライブユニットの右翼に剣が直撃していき、シノ達がいるビームシールド付近まで吹き飛ばされた。

『ふん……やはりその程度か。だが、これで俺に近づけたのは二人目だ。誇りに思うがいい』

「うるせぇっ!まだ終わってないぞクソ野郎! 」

グラディウスとルミノックスを地面に突き刺し、何とか立ち上がってそう言い返した。

『ほう……口だけはよく動く。なら冥土の土産にいいものをやろう。感謝しろ』

フレユールガンダムは右手の剣を構えると刀身が消えた。いや、刀身が消えた直後、柄から膨大な粒子の渦が溢れ出した。

「おいおいおいおい………あれはマズイんじゃねぇか? 」

「………トウイ、ヨシナ、アマミヤ。防御をもっと固めてくれ……」

「てか僕、ミサカさんとキハラさんに粒子を供給してもらったとはいえ、粒子残量は少ないよ? 」

「なら俺がやるしかねえな」

コムカイのユニコーンガンダムが、ビームシールドの前に出てビームガトリングを投げ捨てた。

「まだ本体のサイコフィールドが残ってる。まっ、機体は無事では済まねえがな」

「なら僕達の粒子残量はヨシナさん、アマミヤさん、ハルカゼに託します」

EZ-10はヴァルキリーフリーダムに、デスティニーガンダムは聖騎士アルピオンガンダムに、アサシンガンダムシャドウはフェザーガンダム(EW)に粒子を送り込んだ。

「はあ………やるしかないか~。まあ、元々やるつもりだったけどね」

ヴァルキリーフリーダムのクリアーパーツが青色から金色へと変色……アシムレイトとなった。それと同時に、バリアドラグーンのビームシールドも金色へと変色した。

「ヒロヤはどうする気なの? 」

「………………大丈夫だ。安心しろ」

フレユールガンダムの柄から発生されている粒子の渦はどんどん激しさを増していき、ケルサスガンダムエクシードはユニコーンガンダムの前に出てグラディウスとルミノックスを構える。

『リトリビュの剣により灰塵と化せ……マレディクスィオン!! 』

リトリビュと言われる剣がこちらに突き付けられると、そこからは渦巻きながらビームの暴風が放たれた。ビームの暴風は、フィールドの粒子も捲き込みながら次第に大きくなって襲ってきていた。

「レゾナンス………バースト!!! 」

グラディウスとルミノックスに虹色の粒子を纏わせ、ビームの暴風に向かってグラディウスとルミノックスを突きつけながら突撃する。

「ぐぅっ……! 」

ビームの暴風に激突するとビームは周囲に拡散していく。しかし、威力は徐々に大きくなり、次第に耐えきれなくなってきている。

「こ、の………があっ!! 」

損傷が激しかったのか攻撃に耐えきれず、ケルサスガンダムエクシードはビームの暴風に呑み込まれていった。

「ヒロヤ! 」

「ヒロヤ君! 」

「くそがっ! 」

ユニコーンガンダムのサイコフレームが緑色に変色し、サイコフィールドを発生させてフレユールガンダムの攻撃を受ける。

『そんなゴミみたいな防御で防げると思うのか? 』

ユニコーンガンダムやビームシールドを形成しているファンネルやドラグーンにヒビが入っていき、攻撃の威力は増大していってる。

「これ以上は……ぐっ! 」

「コムカイ君!きゃああああっ! 」

「これは………マズイ…」

「やばっ………痛っ!!! 」

ユニコーンガンダムが全壊してサイコフィールドが解けると、聖騎士アルピオンガンダムとフェザーガンダム(EW)、そしてヴァルキリーフリーダムのビームシールドが一気に突破された。

「ちぃっ! 」

「キハラ! 」

「ミサカ! 」

ZZガーディアンが二機の前に、アサシンガンダムシャドウがEZ-10の前に出るも、三機共ビームに呑まれ、最後にV2ガンダムホロスコープの方へと向かっていった。

「ひっ……! 」

「シノォォォォっ! 」

左腕、右肩、右翼、頭部が破壊されてる状態でV2ガンダムホロスコープの前へとすぐに移動し、グラディウスにバスターソード級の虹色の粒子を纏わせる。

「ああああああぁぁぁぁぁっ!! 」

ビームの暴風に向けて、もう一度思い切りグラディウスを斬り下ろす。
威力がまだ全開ではなく、二刀でも防げなかったのだから無理だとはわかっていたが、体が勝手に動いていた。

『加減したとはいえ、マレディクスィオンをまともに直撃したはずなんだが。だが、二度はない』

「────っ! 」

やはり防ぎきれず、V2ガンダムホロスコープと共にビームの暴風にまた呑まれていった。

『…………これで終わりか。後は全て破壊するだけだな』

砂煙が晴れると、そこにはほぼ全壊している機体が多数倒れていた。

『やはりガンプラバトルは無駄に破壊を繰り返すものか……くだらないな』

フレユールガンダムが左手を頭上に掲げると、装甲から粒子が溢れ出し、次第に剣へと形を変えた。

『では終わりだ』

「やらせるかぁぁぁぁぁっ!! 」

フレユールガンダムの頭上から残っているのは左足と胴体、それに右腕だけのケルサスガンダムエクシードが、グラディウスを構えて斬り下ろした。

『なにっ!? 』

フレユールガンダムはギリギリのところで後退し、リトリビュを構えた。
残った左足で着地をし、すぐに地面を蹴ってフレユールガンダムに接近する。

「くらえっ! 」

グラディウスをフレユールガンダムに向けて水平に斬り払う。フレユールガンダムはリトリビュを右側に立てるだけをしてグラディウスを受け止められてしまった。








いや、正確には切断されてしまった。

「はっ……? 」

『リトリビュに不具合は無かったようだな。しかしこの件に関しても二人目だな。いったいどういうことだ?………まあいい』

リトリビュの剣先が突き出すとケルサスガンダムエクシードの胴体が貫かれ、そのままシノ達の方へと蹴り飛ばされた。

「そんな……」

『では、最後の仕上げだ。ゴミにしてはよくやった方ではないか』

フレユールガンダムはリトリビュを左腰に戻し、腕を組んで装甲から膨大な粒子を噴出させ、大量の剣へと変貌させた。

「ちくしょう……」

そして、その大量の剣は俺達の方へと放たれたのであった。

 
 

 
後書き
………長い……9300文字もかかってしまった。今回の長編は区切りよく分けようとしてもこれか……。先が思いやられますね。まあ言ってもしょうがないですね。まだまだ話は続くので、どうぞよろしくお願いしますね 
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