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能力者たちが事件を起こしたり解決したりするようです

作者:平社員
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第四話 体に穴があいた時は医者に頼ろう

(ん...あれ...なんで倒れてるんだっけ...)

(たしか、変なヤツと戦って...んで...勝って...ああ、駄目だ体に力が入んねぇ...)

(そうだ...成美は...)

ゆっくりと目を開け無理矢理体を動かし起き上がる
が、そこに成美は居らず巻き散らかされた刀と瓦礫、足元には大きな血だまりができている

「成美ィ、ぐっ...」

小さく叫ぶと腹部に激痛が走り小さなうめき声を上げる

(そういや刺さってたな、応急処置の前に抜かねーと...つーかこれどうやって処置すんだ...)

血液を触手のように操り、刀を引き抜き血を固め出血を最小限にとどめる

(とりあえず病院へ行くか...)

おぼつかない足取りで瓦礫を血液で掻き分けながら進み、道路へ出る

(あれ...病院ってどっちだっけ...まあいいか...)

病院は反対側の道路に見えている
が、それに気付かず適当な方向に進んでいく

一体どれだけ歩いただろうか、何処にいるかすらわからないまま歩を進める
意識が朦朧とし、倒れそうになるが、それを食いしばる
もはやどこへ向かっているかすら覚えていないだろう

すると、唐突に話し掛けてくる声がする

「おやおや、大丈夫ですか、神鳴樹くん?」

少し高めの男の声だ

「だれだ...あんた...」

そこで神鳴樹の意識は途絶えた

「おやぁ、これは大変ですね、手術(オペ)
が必要だ...」

そう言うと男は何も無い場所に手をかける
すると、そこに扉が現れる
男は扉を開き、神鳴樹を抱え中へと入っていく
扉が閉まると同時に扉は消え跡形もなくなってしまった

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

目が覚めると、真っ白な天井が目に入る、身体を起こし周りを見渡す
すぐに違和感に気付く、色が足りない...
白と黒、色の濃淡しかない
そして聞き覚えがある声に呼ばれる

「起きましたか、神鳴樹くん?」

「ん...ああ、今起きたところです」

「なにか体に違和感はありますか?」

「いえ...特にはないですけど...失礼ですが、誰ですか?つーかここはどこ!!」

と声を荒らげるがすぐにハッとし「すみません...いきなり...」と謝る

「いえいえ...たしかに疑問はありますよね、まあ答えできませんが....」

「答えられない、なぜです?」

ははは、と少し笑い

「私もこの世界についてよくわからないんですよね、あなたもそちら側の世界についてすべて分かりますか?」

そこで気付くそのものの異変に

身長は2m60?70?それ程もある
そしてその背丈よりも少し大きめの白衣を来ている
それ以上におかしいのは頭に被っているポストだ、投入口から見えるようになっているのだろうか?

「どういうファッションですか...どうやって医療をしてるんですか...」

「いや~...警察のあなたに言うのは抵抗があるのですが...無免許なんですよ、ハハハ」

(質問の答えになってないな...)などと思いながら

「そこら辺はうちの部署は関係ないよ、って俺が警察ってなんで...」

またもや質問をぶつける

「同じ学校だったじゃないですか、ほら、憶えてませんか?霊遥葵くんと一緒に何度かあっていると記憶しているんですが...」

まったくもって憶えてい、というとあからさまに肩を落とす

「まあ、良いでしょう...ま、この世界のことや私の事はまた今度にしましょう」

「安心してください、私のモットは迅速に的確な処置を、ですから、きっと5分もたっていませんよ」

は?と言いながらポケットのスマートフォンを手に取り時間を見る
店を出たのが16:00頃だったはず、移動時間や意識が朦朧としていた時間なども含めても速すぎる
今は16:40だ...

「はい?」

「いやー私の手術(オペ)は患部にメスを突き刺せば完了なんですよ」

と笑いながら医者の身の丈ほどもある(2m70cm)巨大なメスを取り出した

「まさか、異能での医療を?たしかそれって寿命を大幅に縮めるとかで、禁止されていたハズじゃ...」

「だから無免許の闇医者なんですよ...」

少し陰がある言い方をしながらククク...と笑う

「お出口はあちらになります、警察署前に繋げておきました、おっと元警察署前、ですかね」

「あいつの息の根はきっちり止めてやりますよ、借りは返さなきゃ」

「では、またお会いしましょう」

と手を振って見送ってくれる

病室の扉を開くと、そこには先程までいた瓦礫の山(警察署)があった
 
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