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機動戦士ガンダム0091宇宙の念

作者:むらたく
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宇宙編
レーモ7攻略編
  第8話 目覚め

 
前書き
ザクIII改 AMX-011S

アクシズ艦隊より搬入されたザクIIIのバリエーション機。本機はメイソン少佐のザクIIIとは別の工房で開発された機体で、サイコミュニケーター(サイコミュ)を搭載しており、NTが搭乗することで反応速度が向上するほか、追加装備としてドーベンウルフ用のインコムがスカートアーマー前部に装備され、サイコミュによる遠隔操作が可能となっている。 

 
レーモ7戦闘5時間前。

「ふぅ…」
疲労感を押し出す様についた息と同時に、ノーマルスーツに通信が入る。
「お疲れさん!三回目の最後の試験飛行だ、変形は慣れたか?」
「ええ、なんとか」
コックピットを降りて、MSデッキの床にマグネットを押し付ける。
「アイラは?」
アイラのMSに目を向けると、コックピットを出た彼女と目が合った。
「すごいでしょ!私のザク!」
確かに、バウの変形後のマニューバにも怯むことなく追従してきたその機体、共に試験飛行していればその性能の高さは伝わった。
「AMX-011S…ザクIII改か…」
「先生にニュータイプ(NT)の才能があるって言われたの!サイコミュも私にぴったりマッチしてるみたいだし。」
先生とは、この艦の軍医であるリグ先生のことだ。
サイコミュニケーションシステム。
NTの通常より高い脳波を増幅させ、その波を電波信号として送り、兵器を遠隔操作する。
戦場におけるその戦力は絶大で、特にファンネルや、ビット、インコムといったビーム砲を用いたオールレンジ攻撃はベテランパイロットでも回避困難な戦法だ。
「アイラがNTか、それって肉体的な強さも関係あるのかな。」
「殴られたい?」
アイラは女子力が高い。
物理的にも。

「しっかし、フーバーが隊長だなんてねー。」
宇宙食を頬張りながら言った。
「まぁ最初は驚いたよ、けど今は人材が少ないんだから。仕方ないさ。」
部下が出来るなんて、思ってもいなかった。
「まぁねー。私は大尉の部隊だから緊張はあまりしないけど!」
あの大尉も、アイラのマイペースには手を焼いているらしい。女子は会話が長いとたまにぼやいていた。
「部下とかいるの?」
「ああ、部下っていうよりは弟妹に近いけどな。」
正直、自分より更に若いパイロットが戦場に出て、自分が指揮するのは複雑な気持ちだ。
「隊長ー!」
食堂の入り口から無垢な声が聞こえた。
「あれっ?もしかしてデート⁉︎」
「おいおいマルロ、艦内でデートはないだろ。お前こそ女と一緒じゃんか!」
マルロより、自分と同じくらいの身長の無愛想なもう一人の部下。
「私はただ、彼の食事に同行し戦術の話をしていただけです。」
「そ、そうか。メアリー達も一緒に食おうぜ。」
メアリー・ロイ軍曹とマルロ・レニッシェ軍曹。
二人が俺の部下だ。元気な少年と無愛想な少女、正反対な二人に共通するのは、どちらも自分より若く実践に臨むということだ。
「ねぇねぇ、二人は何を受領したの?」
まるで子供のように兵器の話をする。
「私はハンマ・ハンマを、彼はガ・ゾウムを受領しました。」
「ハンマ・ハンマって確かサイコミュ搭載機よね?すごーい!扱えるんだ?」
「前にアクシズで強化人間プログラムを受けていましたので…」
少し、彼女の顔に影が見えた気がした。


「私ね、フーバー」
食堂を出て二人、アイラから話を切り出すのはいつものことだが、今日は少し違った。
「最近MSに乗ると、変な感じがするの。なんだか自分が周りの一部になっているような、宇宙にいるとなんでも出来る気分になるんだ。」
これもNTの症状なのか?
「出撃を重ねれば克服するさ。けれど無理はするなよ、アイラは…」
「⁇」
「女の子…なんだから」
少し照れた。その後余計に。
「ふふっ、じゃあ私のこと守ってくれる?」
「必要あれば、だけどな。」
「バカ。」
頭を軽く…のつもりだろうがかなり強く叩かれた。
アイラは女子力が高い。
物理的にも。

戦闘開始まであと4時間。
 
 

 
後書き
今回はアイラが強いことだけになってしまった気がw次回に続きます! 
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