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オズのポリクローム

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第九幕その十一

 そしてです、ジョージは魔法使いに言いました。
「あの、虹のリングをくぐりません?」
「飛行船でだね」
「虹も幸運の象徴ですね」
「よくそう言われるね」
「ですから」
 だからこそというのです。
「あの虹のリングをくぐって」
「幸せがある様にだね」
「神様にお願いしましょう」
「いいね、それじゃあね」
 魔法使いはジョージの言葉に頷きました、そしてです。
 飛行船を動かして虹のリングの真上に来てです。そこから。
 ヘリコプターみたいに垂直に降りてリングをくぐりました。それが終わってからでした。
 魔法使いはにこりと笑ってジョージに言いました。
「これでいいね」
「あの、今」
「どうしたのかな」
「垂直に降りましたけれど」
「ヘリコプターみたいな動きだったっていうんだね」
「そのままでしたよね」
「うん、この飛行船はそうした動きも出来るんだ」
 こうジョージにお話するのでした。
「今みたいにね」
「垂直に降りたりですか」
「上昇したり横や後ろにも動けるよ」
「それは凄いですね」
「普通の飛行船じゃないからね」
「オズの国の飛行船だからね」 
 だからこそというのです。
「そうした動きが出来るんだ」
「そうなんですね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「今みたいな動きも出来るから」
「またこうした時があると」
「うん、そうした動きをするからね」
 操縦してというのです、そうしたお話をしてでした。
 皆はその虹のリングをまた見ました、今は真上にあるリングを。ジョージはそのリングを見てこうしたことも言いました。
「天使の輪みたいだね」
「天使の頭にある」
「あの輪?」
「虹だけれど」
「そうだっていうのね」
「うん、そんな感じだよね」 
 ジョージは四人にも言います。
「飛行船のね」
「そういえばそうね」
 ドロシーはジョージのその言葉に頷いて述べました。
「あの虹のリングがね」
「天使の頭の、ですよね」
「そうなるわね」
「虹は幸運の象徴ですから」
「くぐっただけでなく」
「はい、頭にもです」
 そこにもというのです。
「宿って」
「そしてよね」
「僕達の今回の旅に幸せが宿りますね」
「そういうことね、じゃあこれからも楽しく旅をして」
「雷玉が見付かることをお願いしましょう」
 幸せの虹のリングにもというのです、そうしたことをお話しながらでした。一行は虹のリングを後んしいて飛行船を進めるのでした。 
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