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オズのポリクローム

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第九幕その七

「お身体は」
「いや、僕はこれ以上は大きくならないよ」
「そうなの」
「そう、これ以上はね」
 こうポリクロームに答えるのでした。
「大きくならないよ」
「そうなのね」
「僕は神獣で生まれた時からこの大きさだけれど」
 それでもというのです。
「これ以上は大きくならないし小さくならないんだ」
「そうなのね」
「その辺りは四霊獣の人達と同じだよ」
 こうも言ったのでした。
「神獣はそうだよ」
「神獣だから」
「この大きさでね」
 それでというのです。
「ずっと生きるんだ」
「このオズの国で」
「そうなんだ」
「そうなのね、それで神獣だけれど」
 ポリクロームは神獣と聞いて鵬さんにさらに尋ねました。
「貴方と四霊獣さん以外にもいるのかしら」
「オズの国にだね」
「ええ、それはどうなのかしら」
「いるよ、僕達みたいに大きな獣は少ないけれど」
 それでもというのです。
「いるから」
「そうなのね」
「中には凄く面白い姿の神獣もいるから」
「どんなお姿なのかしら」
「それは見たらわかるよ、まあオズの国に結構いるから」
 そうした神獣達もというのです。
「楽しみにしていてね」
「わかったわ、それじゃあね」
「僕はこれから上に行くけれど」
「上に?」
「そう、上にね」
 お空の上の方を見ての言葉です。
「行くから」
「わかったよ、ではこれでお別れだね」
 魔法使いが鵬さんに答えました。
「また会おうね」
「うん、機会があればね」
「それじゃあね」
 別れの挨拶をしてでした、そうしてです。
 鵬さんは上の方に飛んででした、消えていきました。その鵬さんを見送ってでした。ポリクロームは皆に言いました。
「それじゃあね」
「はい、それじゃあ」
「またですね」
「雷玉を探そう」
 こう皆に言うのでした。
「それを続けよう」
「わかりました」
 ジョージは魔法使いの言葉に笑顔で頷きました。
「それじゃあこのままですね」
「お空を飛び続けるよ」
「お空の旅を続けるんですね」
「そういうことだよ」
「わかりました、けれど鵬さんは飲み込んでいませんでしたね」
「うん、だからね」
「僕達の旅はまだ続きますね」
 ジョージがこう言うとです。
「まだ」
「そうだよ、飛んでいれば絶対に見付かるから」
「だから飛ぶんですね」
「待っていればいいよ」
「待つこともお仕事ですね」
「そうだよ」
 こうお話するのでした、そしてです。
 飛行船はさらに飛ぶのでした、その中で。
 ジョージはお空の下の方に虹を見ました、その虹は奇麗なリングになっています。そのリングを見てでした。
 ジョージはです、こう言ったのでした。
「お空では虹はリングなんですよね」
「そうよ、地上ではアーチでね」
 虹の精霊のポリクロームの言葉です。 
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