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ポケットモンスター 急がば回れ

作者:おうーん
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5 グリーン対タケシ

トレーナー「しまった! 10000光年は時間じゃない……距離だ!」

グリーンはニビジムのジムリーダーに挑戦しようとしていた。

グリーン「しっかしボロボロのジムだな」

壁はところどころへこんで天井には穴が開いている。
その様子からバトルの壮絶さがうかがえる。
ニビジムのジムリーダーは岩タイプの使い手。
しかも巨大なポケモンを繰り出してくるらしい。

グリーン「パワーでは不利……頭で勝負だ
まずはスピードで相手をかく乱させて、それから……」

ナナミ「グリーン!」

グリーン「んっ!?」

ナナミ「グリーン! こっちこっち!」

観客席に目をやるとそこには姉のナナミの姿がある。

グリーン「げっ! ねーちゃん何でここに!?」

ナナミ「あんた何も言わずに旅に出ちゃうんだから」

グリーン(くそっ。カッコわりーとこ見せられないぜ)

ジムリーダーが姿を現した。

タケシ「来たな!
俺はニビジムリーダーのタケシ!
俺の堅い意志は俺のポケモンにも現れる!
固くて我慢強い!
そう! 使うのは岩タイプばっかりだ!」

グリーン「ゴツい上に暑苦しい奴だな。俺こういうの苦手」

タケシ「ふはは! 負けるとわかってて闘うか!
ポケモントレーナーのさがだな。
いいだろう! かかってこい!」

レフェリー「使用ポケモンは3体。
手持ちが3体以下の場合は手持ち全て。
使用できる道具は挑戦者は無制限、ジムリーダーは4つまで。
ジムリーダーは挑戦者のバッジの数により定められたポケモンを使用すること。
使用できるポケモンがいなくなったら負け。
反則行為は即失格。
では、始めっ!」

グリーン「いけっ、フシギダネ!」

タケシ「いけっ、イシツブテ!」

両者がモンスターボールから登場する。
お互いに睨み合いながら間合いを詰める。
先に仕掛けたのはイシツブテだった。

タケシ「イシツブテ! 体当たりだ!」

腕を回してフィールドをえぐりながら猛進してくる。

グリーン「つるのムチで受け止めろ!」

体当たりをかわしながらフィールドの岩をつるで掴む。
押されながらもイシツブテの勢いを止める。

グリーン「今だ! 吹っ飛ばせ!」

伸びきったつるを思いきり引っ張る。
反動でイシツブテは壁に一直線に突っ込んでいった。
砕ける音がジム内に響いた。

グリーン「フシギダネ、体当たり!」

体勢を整える間を与えずフシギダネも突っ込んでいった。

レフェリー「イシツブテ戦闘不能! フシギダネの勝ち!」

グリーン「よくやったぜフシギダネ!」

ナナミも観客席から拍手を送っている。

グリーン「あと2匹だ。思ったよりちょろいな」

タケシ「見くびってもらっては困るな。
俺のポケモンはこれで最後だが、そんな甘い考えじゃこいつには勝てない!」

グリーン「えっ、あと1匹? ラッキー!」

タケシ「……まったく、最近の新人トレーナーは何を考えてるんだかわからんな。
こないだの赤い帽子をかぶった奴は不利な炎タイプ1匹で挑戦してくるしーー」

グリーン「そいつはあんたに勝ったのか?」

タケシ「俺に勝てたら教えてやろう!
いけっ、イワーク!」

グリーン「やっぱり勝ったんだなレッドの奴!
俺も負けてらんねーぜ!」

レフェリーが試合開始を告げる。 
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