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オズのポリクローム

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第六幕その九

「それは何ですか?」
「避雷針だよ」
「その避雷針を持っているとですか」
「うん、雷を受けてくれてね」
 そしてというのです。
「消してくれるんだ」
「凄い避雷針ですね」
「この避雷針を持ってね」
 魔法使いは皆にその避雷針を見せつつ答えました。
「外に出しているとね」
「雷を受けてくれるんですね」
「そのうえで流してくれるから」
「雷がどれだけ周りにあっても」
「大丈夫だよ」
「凄い避雷針ですね」
「私が作ったんだ」
 他ならぬ魔法使い自身がというのです。
「魔法でね」
「魔法の避雷針ですね」
「普通の避雷針よりずっと凄いよ」
「針みたいに小さくても」
「雷を全部受けて防いでくれるから」
 だからというのです。
「これさえ持っていれば安心だよ」
「それじゃあ」
「皆に一本ずつ配るよ」
 まさにその避雷針をというのです。
「身体の何処かに付けておいてね」
「わかりました」
 ジョージも他の皆も頷いてでした、そのうえで。
 皆はその避雷針を着けてです、そうしてから雷の精霊さん達がいるその雲に進みました。そしてその横に来てです。
 雷が荒れ狂う雲の上に降りました、魔法使いが皆を代表して先頭に立ってです。
 雲の上を見回しました、その雲はといいますと。
「暗いね」
「ええ、雷雲ね」
 ポリクロームが魔法使いに答えます。
「これは」
「そうだね、まさに雷が宿っている雲だよ」
「本当にね、それで」
「うん、あのお屋敷がだね」
 雲の上には白いポリクロームの家の様な宮殿を思わせる建てものもあります。
 その建てものを見てです、魔法使いは言うのでした。
「雷の精霊さん達のお家だね」
「まずはあそこに行って」
「精霊さん達とお話しよう」
「それじゃあね」
 こうお話してででした、そしてです。
 皆でそのお家に向かいました、大きい雷も小さい雷も荒れ狂っています。その赤や青、黄色に緑の雷達はです。 
 皆にも襲い掛かります、ですが。
 全ての雷がです、避雷針に引き込まれていってです。
 消されてです、皆は何もありませんでした。
 ジョージはその雷が吸い込まれ消えていくのを見て言いました。
「確かにどんな雷も」
「そうだよね」
「はい、吸い込まれてです」
「消えていくね」
「本当に凄い雷ですね」
「だからこうした時もね」
「この避雷針さえあれば」
 ジョージは魔法使いに応えて言いました。
「大丈夫なんですね」
「そうだよ」
「いや、凄い魔法の道具ですね」
「僕も開発出来てね」
「嬉しいですか」
「雷は大変だからね」
 若し受けたりするとです、オズの国では誰も死なないにしても。 
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