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IS〜もしもの世界

作者:にゃーす
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29話




ー職員室前ー


「ーったく、どうしてこうなった・・・」


と一人呟く。一夏は俺たちの出し物ー名付けて「ご奉仕喫茶」と言うほぼコスプレ喫茶と変わらないものになり、おれがここにいる理由はクラスの女子に何されるかわからないから一夏についてきていた。そして帰ってくるのを待っているのである。


と、そこに


「やあ」


「・・・・・・」


いつのまにか目の前に更識会長がいた。この人は忍者かと思うほど音もなく近づくので、てか気配が読めない。


「・・・何か?」

「ん?なんで警戒してるのかな?」

「ええ、あんな事されたら警戒したくもなるんで」

「ああ、ここって女子ばっかだから忘れられると思って」

「別に会長って時点で忘れられませんよ、っと一夏終わったのか。行くか」

「ああ、って・・・なんで会長さんがいるんだ?」

「気にするな。行こう」




そしてアリーナに一夏と向かう・・・はずなのだが 、いつのまにか隣に会長がついてきていた。


「えーっと会長さん?なんで付いてきてるんです?」

「楯無さんでいいわよ?」

「いやそこじゃなくて」

「良いじゃない。そう塞ぎ込まずに。若いうちから自閉してると良いことないわよ?」

「誰のせいですか・・・誰の」

「うーん。なら、これでどう?当面君達のISのコーチをしてあげる」

「俺は別にいらないですよ。それなら一夏についてあげてください」

「いや泰人とかいっぱいコーチはいるから結構です」

「うーん。そう言わずに。私はなにせ生徒会長なのだから」

「え?あ、ああ。そういえばそうだったな」

「え??」


俺は思い出したが、一夏は?マークを浮かべている。


「あれ?知らないのかな。IS学園の生徒会長と言うとー」


とそこにいきなり前方から怒涛の勢いと共に竹刀を振りかぶった女子がきた。

「覚悟おおおお!」


「っと」


俺はその先輩に振り下ろされた竹刀を無造作に掴み、そのまま首を締めて気絶させた。

次に外から弓を引いて先輩の顔面目掛けて、弓矢が飛んできたがするりと避け俺の近くにくる先輩。そして、


「ちょっと借りるよ」


といい、近くに転がっていた、竹刀少女の竹刀を蹴り上げてそれを掴んだと同時に、そとの女子にそれを投擲。見事相手の眉間に当たり、見事撃破。


そしてそして。廊下の掃除用具のロッカーからボクシンググローブをはめた女子が会長を襲っていた。


俺はもう面倒くさいので手伝わなかったし、先輩が楽しそうなので放っておくが、一夏は呆然とその光景を見ていた。


「おい一夏」


「な、なんだ?」


「一応知らないっぽいから教えておくけど、」

「ここの、つまりIS学園の生徒会長って言うことはな」

と言っている間に相手を蹴りで元のロッカーに吹っ飛ばす会長。

「この学園の生徒で一番強いってことだ」


と言った後、俺たちの元へ戻ってくる会長。


「で?これはどういう状況なんですか、会「楯無」・・・楯無さん」


「よろしい。これ?見たとおりだよ。か弱い私は常に危険に晒されているので、騎士の一人もほしいところなの」


と言って俺の前に詰め寄ってくる会長、もとい楯無さん。


「この学園で最強なのに、ですか」

「あら、ばれた」


と言い楽しそうに笑う彼女。


「まあ、簡単に言うと、最強である生徒会長はいつでも襲っていいのさ。そして勝ったのなら、その者が生徒会長になる」


「はあ、無茶苦茶ですね」

「にしても、ここ最近は無かったんどけどなぁ。やっぱりコレは」


と俺から離れ一夏の元に近づく楯無さん。

「君達のせいかな」

「な、なんでですか?」

「まあ、きみ達を学園祭の景品にしちゃったから、きっと一位を取れない部が来たんだろうね〜」


と言い、


「まあせっかくだしさ。一度生徒会に来なよ。特に「キミ」は」


と俺のほうに向いてくる楯無さん。


「行かないっていったら?」

「そうだとしたら、おねーさん寂しいなぁ」

「ー!ったく、なんでこう面倒い人によく絡まれんだ俺は・・・!」


そう返したときに本当に悲しむ楯無さんを見て、なぜだかそのまま「拒否」できなかった。


「分かりましたよ」


「よろしい。素直な枢木泰人くんはおねーさん好きだよ」


「はあ。一夏行くぞ」

「あ、ああ」


すっかり楯無さんに乗せられてしまっていると思いつつ、生徒会室に向かった。

















ー生徒会室前ー






「ただいま」


「お帰りなさい会長」


「あ〜おりむ〜とくるるだ〜」


中には2人いた。眼鏡に三つ編みのよく出来る秘書見たいな、三年生の人と、テーブルにぐで〜っとなっている布仏「のほとけ」さんだった。

一度3センチほど上げたがすぐテーブルにベチャッと伏せてしまった。

「お客様の前よ。しっかりなさい」


「あれ?のほほんさん?眠いの?」


「う・ん。徹夜・・・連日・・・」


「ああ・・・それは辛いな」


「あら、あだ名なんて、仲良いのね」


「俺は知ってるけど一夏がそう言ってるからなんとなく」


「あー、いや、その・・・本名知らないんで・・・」


「ええ〜⁉︎」


と急にガバッと大声で起き上がる。


「ひどい、ずっと私をあだ名で呼んでるからてっきり好きなんだと思ってた〜」




と泣くようにして言うので一夏のつい、悪いかと思って謝るがちょうど、お茶を運んでくれた、三年生に指摘されえへへ〜と笑っていた。どうやらこの三年生はのほほんさんの姉らしく、名前が虚さん(うつほ)さんと言うらしい。



そうしてお茶を飲みつつ、ケーキを貰い食べつつ、話しているとどうやら俺たち2人が部活動に入らないので各部から苦情が来ているらしい。




「で、学園祭で決めようと」


「ええ。でそのお詫びに君達を鍛えようと言うわけよ」

「俺は別に遠慮しますが・・・一夏は?」

「遠慮します」

「そう言わずにあ、お茶のおかわりは?」

「ああ、すいません。にしても美味しいですね、今度淹れ方教えてもらおうかなぁ」

「もちろん、虚ちゃんの淹れた紅茶は世界一よ。あケーキもおかわりどうぞ」

「ああ、ありがとうございます。ああ〜このケーキと紅茶すごい合いますね」

「でしょ。ついでに私の指導もどうぞ」

「いいですよ〜」

「受けるのかよ⁉︎」

「今の一夏にはもっと格闘を教えてくれる人がいるからなぁ〜。あいつら(5人のこと)じゃそれどころじゃないだろ?」

「大体、どうしてして指導してくれるんですか?」

「ん?それは簡単。君達が弱いからだよ」

俺も含め、明らかに挑発してきたが、別に気にしない。てかケーキと紅茶がうまいのでそれどころじゃない。
だが一夏は挑発に乗ってしまっていた。

「それなりに弱くないつもりですが」

「ううん、弱いよ。無茶苦茶弱い。だから、ちょっとでもマシになるように私が鍛えてあげようというお話」

「じゃあ勝負しましょう。俺が負けたら従います」

「あ、バカ」

普通に従うならいいが、勝負はマズイ。が俺が声をかける前に楯無さんは返事をしてしまった。



「うんいいよ」


にやりと笑った顔は「罠にかかった」という表情をしていた。

・・・あーあ















 
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