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東方喪戦苦~堕罪編~

作者:鬼心
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~新七幕~地の果ての底で

 
前書き
ハカイシンさんの書いた喪戦苦の続きを書いているのでハカイシンさんの喪戦苦を先に見ることを推奨します 

 
久しぶりに見る、動き、喋り、それでいて生き生きとした兄さんを見て、気が動転していたが、どうにか落ち着かせ、話始めた。

「あの事件からあっちでは5年の歳月が経ちました。
オーダーは壊滅、その後、全ての処理をエイジスが担ってくれました。それに俺や、俺の半身でもある八千代の住まいも用意してくれたんです」

狂夜は首を傾げた。
狂「半身····?」

「あぁ、そこも話すと長くなるんで止めときますね、それに事件の後で色々な人や物事が変わりました。
白夜は兄さんの意思を継いでエイジスの最高幹部になり、鬼隆は自分の“罪”を償うためにエイジスに入ったり、菜々はあのときにショックで喋ることは愚か、歩くことさえ出来なくなってしまったんです」

俺の目に虚しさが写った事を察したのか、彼は場を和ませようとこんな事を言った。

狂「そんな暗いニュースより、お前の事が聞きてぇな、骸」

「は、はい、そうっすね、俺の事と言いますと、友人が出来た事、位ですかね」

狂「へぇ、名前は?」

「瀬賀 風鈴って名前で、彼も能力····というか、俺達の持っている能力とは違う、『ある一つの事に逸脱した能力』って言うのを持っているんです。5年後のあっちでは、その」

口籠る俺に兄さんは問いた

狂「その、なんだ?」

「オーダーから回収したある資料に、人為的に狂夜の人外的な力、俺の並外れた生命力を作るっていう計画が進められてたみたいで、その第一号が、何を隠そう白夜だったんです···。それに口籠った訳じゃなくって、問題はここからなんです。エイジスの誰かがこれを完成させようと研究を開始しました。元々完成に近い物だったので、完成させるのに時間はかからなかったみたいです。
そして、その研究員はエイジスの事情聴取を口実に民間人を7人実験に使いました。実験は成功、実験台は期待以上の力を発揮したのですが、翌日、全員半液状の状態で死体で発見されました···その首謀者は行方を眩ましています。」

狂「おいおい、今のエイジスはどうなってやがんだ····」

「ちなみに、俺らのように特別な超能力を旧型と呼び、新しいのを新型、その新型にも自然に身に付く、天然型と人為型がいます。風鈴は天然型らしいですよ。あっ、そうそう、人里の方に芸者とか花魁が彷徨き始めましてね、これがまた、堪らないんですよ。あんまり見てると八千代に睨まれますんであまりみれないんですけど、やっぱり花魁は違いますねぇ」
と言っていると、どこからか音が鳴った。

ピーンポーンパーンポーン
「えー、この度は獄の湯、大焼炙店をご利用頂き誠に、ありがとうございます。えー、お客様にお呼び出しを申し上げます。黒崎 骸様、黒崎 骸様、獄王様がお待ちです。只今扉を開きますので、それを通り、獄王様の元に足を運ばれますよう、お願い申し上げます」

そこで放送は終わった。

「···?」

狂「お前有名だな」

束の間、目の前に人一人通れる位の青白く光る扉が現れた。

「ちょっと兄さん行ってみて下さい」
そう言って、扉に向かって兄さんを突き飛ばした。
すると、兄さんは扉に吸いこまれ、叫び声を上げた。

「よし、安全そうだ」
なんの根拠にそう思ったのかは定かではないが、扉の近くに立ち、吸い込まれた。
目を開けると、俺は直滑降していた
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
訳がわからないまま、長い直滑降が終わると、兄さんがこっちを睨んでいた。

狂「何故突き飛ばした」

「いや、いつかのお返しですよ。そんな事よりなんか居ますよ」
目の前には、2mは有ろうかと言う、筋肉隆々の大男が二人仁王立ちしていた。

「お主達が骸!」

「阿形よ!、骸は一人だぞ!」

「そうであったな!吽形、骸、この先に獄王が居る、通してほしくば、我々を退けてみせよ!」
片方の大男がそう言うと、巨大な門が現れた。

「我は全ての始まり、阿形!」

「我は全ての終わり、吽形!」

大男は二人揃ってこう言った

「丁度、二対二相手に取って不足はない!」

「ですってよ、兄さん」

狂「おう、久々に暴れるか!お前と一緒にな!」

阿「吽形よ、我が骸と相手致す、お主はそこの男と対峙せい!」

吽形「承知致した!」

ーTo be continudー
 
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