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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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月光校庭のエクスカリバー
  フリード再登場×決戦前

数日後、俺は教室にいたが最近の収穫は無い。連日のように、俺と木場と小猫ちゃんの三人で夕方エクスカリバー捜索をしている。相手は堕天使であのイカレ神父だから、早く倒したいが中々出てこない。教会の追っ手である、神父狩りをしているみたいだから神父の格好をしていた俺達。

神父の格好をして、夕方街中を皆で歩き回っているが中々出会わない。木場と小猫ちゃんには、俺が悪魔の力を抑える神父服を着てもらっている。俺?俺は人間だから問題ないから、普通に神父服を着ている。一応刀を腰に帯剣しているし、いざとなれば魔力や刀で戦うが人払いの結界を張って戦うだけだ。

次の日の放課後に、俺達は表の部活動を終わらせてとある公園にいる。神父やシスターの格好をしてから、十字架を首にかけるがこれは作り物なので悪魔の二人である木場と小猫ちゃんはダメージが無い。この格好で人気のない場所で町中を歩くが、今日も収穫はなかったようだから帰ろう、と言いかけたら気配を感じた。小猫ちゃんも感じたらしいから、先頭を歩いてた木場も歩くのを止めた。

「・・・・祐斗先輩」

瞬間に気配、いやこれは殺気だなと思い辺りを見渡す俺達。

「上から来るぞ!」

俺の叫びで全員が上空を見上げた時、長剣を構えた白髪少年神父が降ってきた!

「神父の一団にご加護あれ、ってね!」

俺は素早く刀を抜いて、イカれ少年神父であるフリードの一撃を防いだ。

「フリード!この前の続きと行こうか」

「!その声は一誠君かい?へぇ、これはまた珍妙な再会劇でござんすね!どうだい?ドラゴンパゥワーは増大してるかい・・・・そろそろ殺していい?」

相変わらずイカレた調子だな、コイツは。言い方も相変わらず下品だが、あいつが持ってるエクスカリバーはもしかして?と思っていると聖なるオーラを纏いながら剣を振って来た。俺達は神父の服を脱ぎ捨てて、普段の服に戻した。

俺以外は制服で、上下黒の戦闘服で防弾・防刃の服だから拳銃で撃たれようが剣で斬りつけられようが、服は破れないし体にも最小限のダメージしか喰らわない。小猫ちゃんもシスター服を脱いだが、あの格好は非常に可愛かったから秘蔵映像として秘密裏に残しておいた。

「しゃらくせー!まずは小さい子から斬りますざんしょか。エクスカリバーの味を喰らえー!クソ悪魔!」

小猫ちゃんの隙をついて、フリードが小猫ちゃんにエクスカリバーの刀身が当たる。小猫ちゃんは逃げられず目を瞑った。木場は間に合わないし、俺も間に合わないが斬られそうになったら、金色の守護結界が発動した。小猫ちゃんのポケット内には、金色のお守りが小猫ちゃんの手にある。

「何々ざんすか。この結界わぁぁぁぁああああ!」

「・・・・先輩、これが守ってくれたのですか?」

「ああ、お前達に渡したこのお守りは対聖剣戦用として効果は絶大だ。効果は斬られそうになったら、いつでも効果が発揮する」

「こんな小さな物が、僕達を守ってくれるとは有り難いよ一誠君。さあフリード!僕が相手だ」

木場が一気に詰めていく。二刀の魔剣で、フリードを攻め立てていった。

「チッ!『光喰剣』だけじゃないってか!複数の魔剣所持、もしかして『魔剣創造』でございますか?わーお、レア神器持っているとは中々罪なお方です事!」

フリードのアホ野郎は、口調とは裏腹に随分と楽しそうだ。イカレた戦闘好きも相変わらずか!

「だが、俺様の持っているエクスカリバーちゃんはそんじょそこらの魔剣君では・・・・」

破砕音を立てて、木場の魔剣が二刀とも砕け散る!

「相手になりませんぜ」

「くっ!」

再び魔剣を創り出す木場だが、エクスカリバーの方が強力だ。今の木場なら、そんじょそこらの聖剣では折れないが、相手がエクスカリバーだから悪すぎる。

「次は俺が相手をするぜフリード!」

俺は再び、腰に帯剣してた刀を鞘から抜いてフリードに向かって行く。剣と剣が火花で散るが、こっちは本物のエクスカリバーだし、七本の内の一本とかでは負けてられないんだよ!一歩後退してから、電光石火で斬りつけた。エクスカリバー同士だが、相手はただの刀だと思ってるから俺が持つエクスカリバーとは思わないだろう。赤龍帝の籠手で、譲渡した力を刀に送る。

『Transfer!』

「へえぇぇぇ。籠手の力を譲渡出来るんですかい。ドラゴン対エクスカリバーですかい!面白い勝負でざんしょ」

聖なるオーラ対赤龍帝の力、オーラは強くなるがこちらも強くなる。だが奴は段々と速度が上がって行くが、もしかしてあれは天閃の聖剣か?少し面倒だが、こちらも速度を上げようではないか。

「へえー、一誠君の剣は速いね。でもこちらも負けてませんぜ、何せ俺様の持ってるエクスカリバーは『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』!速度だけなら、負けないんだよッッ!」

フリードの持つ、聖剣の切っ先が速くなったがこちらも負けないように追いつく。神速対神速なのか見えてない状況となっているが、人払いの結界とイリナ達に知らせといたからそろそろ来る頃だろう。

「一誠君、僕も手伝うよ・・・・速度では『騎士』として負けてられないからね」

「どうやらそのようだ木場。挟み撃ちするから、上手くやれよ」

挟み撃ちで斬るが、中々素早くて倒せない。二体一なのにこいつは強いが、タイマン勝負だったら俺が勝っている。魔剣の硬度が、聖剣エクスカリバー相手なので斬ろうにも破砕音を立ててしまう。創り直しては、すぐ折れるが本来なら硬度は俺並のはずだがどうやら木場は焦っていると見た。

「他の使い手さんより俺様の方が強いんだぜ?つまりだ!俺を二人掛かりで倒した瞬間、満足な相手はいなくなるって事でございますよ!いいんかい?俺を殺したら満足できる聖剣バトルはなくなるぜ?」

フリードは挑発を言ってくるが、俺と木場は冷静になりながら相手を見ていた。俺は本気になると、周辺が吹き飛ぶから手加減いる。迷っていると、第三者の声が聞こえたので声が発した所を見た。

「ほう『魔剣創造』か?使い手の技量次第では、無類の力を発揮する神器だ」

「・・・・バルパーの爺さんか」

フリードの言葉に少し驚いたが、こいつがバルパー・ガリレイか。

「・・・・バルパー・ガリレイッ!」

憎々しげに木場は初老の男を睨む。

「如何にも」

男、バルパーは堂々と肯定した。あいつが木場の仇のようだな。

「フリード、苦戦中だな」

「爺さん、魔剣使い君はすぐ終わらせるがコイツが持ってる刀は何々だよー。斬っても折れねえぞ、あんなに細いのに!そればかりか速度が俺様より速いぜ」

「ふん。聖剣の使い方がまだ充分ではないか。お前に渡した『因子』をもっと有効活用してくれたまえ。その為に私は研究していたのだが、体に流れる聖なる因子を出来るだけ聖剣の刀身に込めろ。そうすれば速度や斬れ味が増すだろうが、それよりもあの刀は非常に興味がある。何しろエクスカリバー相手なのだが、折れないとはとても興味を持つな」

フリードが持つ聖剣の刀身にオーラが集まりだし、輝きを放ち始める!

「こうか!そらよ!」

フリードが持つエクスカリバーは、増々速度が出てきて木場は追いつかずに斬られそうになるが金色の結界によって守護され後退。俺は前進して吶喊したが、相手はそれ以上の速度が上がる。俺も負けてられないので、手加減と本気の中間まで行き速度を上げた。フリードが後退したので、俺も一歩下がる。

「今回は逃げさせてもらうぜ!次に会う時が最高のバトルだ!」

捨て台詞を吐くフリードだが・・・・。

「逃がさん!」

俺の横を凄まじいスピードで通り過ぎる者は、ゼノヴィアであった。フリードの聖剣と火花を散らす勢いのまま斬り込む。

「やっほー、一誠君。人払いの結界と、一誠君から貰ったお守りですぐ見つかったよ」

「イリナ!良い所で来てくれた!」

「フリード・セルゼン、バルパー・ガリレイ。反逆の徒め。神の名の元、断罪してくれる!」

「ハッ!俺の前で憎ったらしい神の名を出すんじゃねぇや!このビッチが!」

斬戟を繰り広げるゼノヴィアとフリードだが、奴が懐に手を突っ込むと光の球を取り出した。あれは逃亡用のアイテム、俺は咄嗟に拳銃を取り出してフリードの背中に発信機を付ける事に成功。発信機は魔力で透明に出来るので、バレる事はない。

「バルパーの爺さん撤退だ!コカビエルの旦那に報告しに行くぜ!」

「致し方あるまい」

「あばよ、教会と悪魔と人間の連合共が!」

フリードが球体を路面に投げ放つ・・・・光が目を覆う程の光だったが、サングラスしてたのでマシとなった。他の皆は一瞬視力を奪われてしまったが、視力が戻った時にはフリードもバルパーも消えていた。発信機によると、まだ近くにいるとされている。

「追うぞイリナ!」

「うん!」

ゼノヴィアとイリナが頷き合って、この場を駆け出す。

「僕も追わせてもらおう!逃がすか、バルパー・ガリレイ!」

「三人共気を付けろよ!」

木場も二人の後を追って、この場を駆け出した。俺は刀を鞘に戻し、人払いの結界を解いて小猫ちゃんは俺の後ろにいた。取り残された俺と小猫ちゃんだったが、戦闘態勢を解いて息を整えていると。不意に後ろを見たらリアスと会長がいた。隣には匙がいたが。

「力の流れが不規則だと思ったら・・・・」

「これは困ったものね」

「おい兵藤!これはどういう状況だ!説明しろ!」

険しいリアスと会長と説明を要求し出した匙。

「エクスカリバー破壊って、貴方達ね」

額に手を当て、極めて機嫌を悪くしていたリアス。俺と小猫ちゃんは、近くの公園に連れて行かれた。噴水前にいるが、小猫ちゃんは正座して俺は立っている。俺は仲介役であるし、何も悪い事してないからな。腕を組みながらリアスを見てるが、会長と匙は学園に戻っていった。

「祐斗はそのバルパーを追っていったのね?」

「ああ、一応フリードに発信機付けといたから問題無いはずだ。ゼノヴィアとイリナも一緒にな」

「そう。場所が分かり次第、祐斗を連れて帰るわよ。というか一誠も正座しなさい!」

「却下。俺はあくまでサーゼクスの頼みで協力しているだけだから、リアスの指示は聞けない。俺は正しい事をしただけに過ぎんし、俺は三大勢力とは属していないからだ」

そのまま探査を続けたが、話を戻すと今は小猫ちゃんに説教をしていた。

「小猫」

「・・・・はい」

「どうして、こんな事を?」

「・・・・祐斗先輩がいなくなるのは嫌です」

小猫ちゃんは自分の思いを正直に口にした。リアスもそれを聞き、怒りというより困惑するような顔に転じていた。

「・・・・過ぎた事をあれこれ言うのもね。ただ貴女がやった事は、大きく見れば悪魔の世界に影響を与えるかもしれなかったのよ?それは分かるわね?」

「はい」

小猫ちゃんは頷いたが、ただ俺は悪魔世界には興味がないから探査を続けていた。どうやら廃城の所にいるようだが、廃城外に三つ反応あったから到着した様子だ。俺はリアスに無言で立ち去ったが、何か言っていたように聞こえたが俺は無視をして人間界本家に戻った。

あのお守りは、二つの効果がある。一つ目は、対聖剣戦に特化された金色の守護結界を張ってくれる事がそれ以外は守護してくれない。つまり堕天使が持っている光の槍で、突かれたら怪我だけでは済まない程なダメージを負う事。

二つ目は、危険となれば自動的に人間界本家に転移するようにしてあるか、ダメージが一定以上溜まると強制的に転移魔法陣で人間界本家メディカルルームに行くようにしてある。俺はメディカルルームに行ったら、まだ誰もいなかったので医療班をいつでも治せるように待機させていた。

ノーパソで様子を見ていたら、どうやら誰かの聖剣が奪取されたようだ。恐らくイリナの聖剣かもしれんと思ったら、転移魔法陣が展開されたが三つ同時だった。木場とゼノヴィアと傷ついたイリナがいたので、二人は一瞬唖然としたがイリナは気絶していたのですぐに医療班によって治療開始した。

「こ、ここはどこだ。さっきまでコカビエルと戦っていたのだが・・・・」

「ここは一誠君の家のようだよ。そこに一誠君がいるし・・・・」

「よう。お守り持たせて正解だったな、お守り持たせなかったら今頃どうなっていたか。とりあえず怪我してないか?見た所イリナ以外は大丈夫そうだな」

二人は戦闘態勢を解き、ゼノヴィアはエクスカリバーを布で包んだ事で木場は創るのを止めた。一応医療班による簡易検査をしたが問題は無い。今は夜なので、軽い夕食を摂ると二人は充分な休息を取っていた。

フリードに付けていた発信機が、駒王学園に向かっていたので次元の狭間本家にいるアスモデウスを念話で情報収集をお願いした。その間、駒王学園に付けていた隠しカメラで見たら丁度戦闘中だ。駒王学園及び周辺一帯は、恐らく結界を張っていると見た。俺のカメラは何でも見えるので問題ない。

「一誠君、戦いは始まっているのかい?なら僕達も行かないとね」

「ああ・・・・私も戦わないといけないしな。兵藤、移動魔法陣を頼んでいいか?」

「それより確実に移動させてやるよ!」

空間切断にて、頭を空間に入ったら駒王学園内で人気の無い所だったので二人の手を掴んで移動。

「俺は人間界本家にて、戦闘準備に戻るが俺の力は気にしない方がいいぞ。俺はあくまで三大勢力の仲介役だ。『木場、俺は創造神でもある存在だからそう簡単には戦闘介入出来ない』俺は戻るがお前達は気を付けろ?相手は、四本のエクスカリバーを持った輩とコカビエルだ。生きて帰って来いよ?」

「うん、僕は必ず生きて帰る。そしてバルパーを斬る『分かってるよ。もし魔王様達の軍勢が来ても勝てなかったら来てくれるかい?』」

『その時は介入させてもらうさ』

「ああ、任せておけ。破壊の聖剣がある限り、私は戦える!」

二人は戦場に向かった後、俺は人間界本家に戻って情報収集を始めた。皆、俺が行くまで生きてろよ。

朱乃side

私とアーシアは一緒に寝ていましたが、深夜かつてない程のプレッシャーを感じて目を覚ましました。姫島家にいるお母様は気付かないようでしたので、私とアーシアちゃんも感じたのか起きてみました。私が窓の外を見る、とあの時の神父がこちらを見てた。まるで挑戦的で下品な笑みを向けている。神父が手招きしていたので、即座に着替えた私とアーシアちゃん。部屋のドアを開けて外へ向かう。

「やっほー、アーシアたん。ご機嫌麗しいねぇ。元気してた?」

相変わらずの下品な口調で、アーシアちゃんに向けて話しかけていた。アーシアちゃんは私の後ろに隠れていた。

「何の御用ですか?」

私は気付いたが、先程のプレッシャーはコイツからではなく上空にいた。月をバックに、浮かんでいた者・・・・漆黒の翼を生やした男の堕天使!数を数えると、黒い翼が十枚あったから二対五枚のようだから装飾の凝った黒いローブに身を包む若い男の堕天使。私の事を見ると苦笑していた。

「初めましてかな、姫島家の娘。黒髪が麗しいものだ。バラキエルと人間との間に生まれた者だったか、実際見るのは初めてだがやはりバラキエルの血を受け継いでいるように見える」

いきなり挑発的な事を言ってきたが、私はあくまで冷静にいた。アーシアちゃんは私の手を掴んでいる。

「こんばんは、堕天使幹部でありますコカビエル。私のお父様を知っていると思いますが、私の名は姫島朱乃。貴方と同じく堕天使幹部であるお父様の一人娘です。一つ付け加えさせて貰うなら、姫島家ではなくグレモリー家なら魔王様は最も近く最も遠い存在とも言えます。この場で政治的なやり取りなど無駄ではありますが、祐斗さん達はどうしたのですか?」

「ああ、俺達の根城まで来た奴らか。エクスカリバー一本奪った後、金色の魔法陣に守られて転移魔法陣で消えてしまったよ。どこに行ったかは知らんけどな」

良かった、祐斗さん達は無事なようだけど金色の結界とはどう言う事?そういえば一誠さんが、皆にお守りを渡したと言っていたけどその効果なのかしらね。それにお父様は今、冥界堕天使領にいますから通信は出来ませんね。

「魔王と交渉などと言うバカげた事はしない。本当はグレモリー家の妹に挨拶しようと思ったのだが、俺らの戦場が駒王学園であったので『女王』であるお前に挨拶した訳さ。グレモリー家の妹を犯して殺せばサーゼクスの激情が俺に向けられるのかもしれないが、それも悪くないがバラキエルの一人娘を犯す事もいいな」

私は侮蔑したような目でコカビエルを睨んだ。

「グレモリー眷属が根城である駒王学園を中心として、この町で暴れさせてもらう。そうすればサーゼクスも出てくるだろう」

「そんな事をしますと堕天使と神、悪魔との戦争が再び勃発しますよ?」

「それは願ったり叶ったりだ。エクスカリバーでも盗めば、ミカエルが戦争を仕掛けてくれると思ったんだが・・・・寄越したのが雑魚のエクソシスト共と聖剣使いが二名だからつまらん。余りにもつまらん!だから悪魔である、サーゼクスの妹がいる根城で暴れるんだよ。ほら楽しそうだろう?」

こんなにも怒気を向けるのは、初めてかもしれない。こいつはとんでもない戦闘狂・戦争狂でもある。

「・・・・戦争狂め」

私がそう呟くと、コカビエルは狂喜の笑いを上げるだけだった。

「そうだそうとも!俺は三つ巴の戦争が終わってから、退屈で退屈で仕方がなかった!アザゼルもシェムハザも次の戦争に消極的でな。それ所か、神器何てつまらん物を集め出して訳の分からん研究に没頭し始めた。そんなクソの役にも立たない物が俺達の決定的な武器になるとは限らん!・・・・まあ神滅具クラスの物ならば話は別だが・・・・早々見つかる訳でもないだろう」

コカビエルがそんな事を言っていたが、神滅具なら一誠さんが持っていますわ。赤龍帝の籠手ではありますが、アザゼルは確か堕天使の総督と聞いたけど神器コレクターともお父様から聞いています。神器を集める理由までに関しては知りませんが、こいつを放ったらかすつもりもない。

「どちらにしろ、俺はお前らの根城で聖剣を巡る戦いをさせてもらう。なのでこの事をリアス・グレモリーに伝えておいてくれ、戦争をする為にな!サーゼクスの妹とレヴィアタンの妹、それにバラキエルの一人娘が通う学び舎だ。さぞ魔力の波動が立ち込めていて、混沌が楽しめるだろう!エクスカリバー本来の力を解放するのに最適な場所だ!戦場としては丁度いい!」

「ひゃははは!最高でしょ?俺のボスって、イカレ具合が素敵で最高でさ。俺もついつい張り切っちゃうよのよぉ!こんなご褒美までくれるしね」

フリードが取り出したのはエクスカリバー、しかも両手に一本ずつ!腰にも帯剣しているわ。

「右のが『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』左のが『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』腰のは『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』でございます。ついでに聖剣使いから奪った『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』もゲットしちゃいました!もう一人の女の子が持っている『破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)』もゲットしたい所ですなぁ。ひゃはっ!俺って世界初のエクスカリバー大量所持者じゃね?しかも聖剣を扱えるご都合な因子をバルパーの爺さんから貰っているから、全部使えるハイパー状態何だぜ?無敵素敵!俺って最強じゃんひゃははははっ!」

フリードは心底面白ろ可笑しそうに哄笑をあげている。

「バルパーの聖剣研究、ここまでくれば本物か。俺の作戦に付いてきた時は正直怪しい所だったがな」

この場にあるのは四本のエクスカリバー、不味い!これじゃ勝てる気がしません。

「エクスカリバーをどうするつもりなの!?」

コカビエルが十枚の翼を羽ばたかせ、学園の方に体を向けた。

「ハハハ!戦争をしようか、魔王サーゼクス・ルシファーの妹リアス・グレモリーに伝えよ!」

フリードが、逃走用の目晦まし用の球を投げると一瞬にして視力を奪われた。私とアーシアちゃんは、視力が戻るとコカビエルもフリードもいなかった。

「アーシアちゃん、学園へ向かうわよ!」

「は、はい!」

私達は学園へ向かって、リアスとソーナにもこの事を伝えるとすぐに学園を結界で張ってくれるようだわ。説明は、匙君がしてくれると言うから私達は駒王学園近くにある公園で、オカ研メンバーと生徒会メンバーが集まっていた。一誠さんと祐斗さんがいないが、そう考えていると匙君の説明が始まった。それとここからは、リアス目線なので私は静かにしていたわ。

「リアス先輩。学園を大きな守護結界で覆っていますが、これで余程の事がない限りは外に被害は出ません」

「これは最小限に抑えられる為のものです。正直言って、コカビエルが本気を出せば学園だけでなく、地方都市そのものが崩壊します。更に言うなら、既にその準備に入っている模様です。校庭で、力を解放しつつあるコカビエルの姿を私の下僕が捉えました」

やはり何かするみたいだけど、何をするかは分からないが全力で対抗した方がいいわね。こんな時に、祐斗と一誠がいないのは心細いけどやるしかない。ソーナの説明は続いていたので聞く私達。

「攻撃を少しでも抑える為に、私と眷属はそれぞれの配置について結界を張り続けます。出来るだけ被害を最小限に抑えたいものですから・・・・学園が傷付くのは耐え難いものですが、堕天使幹部が動いた以上、堪えなければならないでしょうね」

ソーナは目を細めて、学園の方を憎々しげに見つめる。恐らく、学園にいるコカビエルへ向けたものなのでしょうね。学園に被害が出るのは、決定事項。

「ありがとうソーナ。あとは私達が何とかするわ」

「リアス、相手は桁違いのバケモノですよ?確実に負けるからでも遅くない、貴女のお兄様を頼るのよ・・・・」

これは私達の問題。お兄様の力を借りる訳にはいかないし、祐斗や一誠がいなくても私達は戦い続けるわ。

「貴女だって、お姉様を呼ばなかったじゃない」

「私の所は・・・・貴女のお兄様は、リアスを愛している。サーゼクス様なら必ず動いてくれます。だから・・・・」

「既にサーゼクス様に打診しておきましたわ」

私とソーナの会話を遮って朱乃が言ったが、お兄様を呼んだって言うの!

「リアス、貴女がサーゼクス様にご迷惑ををお掛けしたくないのは分かるわ。貴女の領土、貴女の根城で起こった事でもあるものね。しかも御家騒動の後だけど、幹部が来た以上話は別よ。貴女個人で解決出来るレベルを遥かに超えているわ・・・・魔王の力を借りましょう」

私をあんなに詰め込んだ朱乃は、初めて見たかもしれない。確かにそうだけど、私の領土でもある所を簡単に魔王の力を借りる何て事は。そして私は頷いた。

「お話を理解してくれてありがとうございます、部長。ソーナ様、サーゼクス様の加勢が到着するのは一時間後だそうですわ」

「一時間・・・・分かりました。その間私達生徒会は、シトリー眷属の名にかけて結界を張り続けます」

ソーナの決意を聞いた私はやる気になったが、一時間持てばお兄様の軍勢が来る。その間に何とかしなければ。

「・・・・一時間ね。さて私の下僕悪魔達、私達はオフェンスとして動くわ。結界内の学園に飛び込んで、コカビエルの注意を引くわ。この面子だけどやるしかないわ。これはフェニックスとの一戦とは違い、死戦よ!それでも死ぬ事は許されない!生きて帰ってあの学園に通うわよ皆!」

『はい!』

朱乃と小猫とアーシアは、気合を入れた返事をしてくれた。あとは祐斗と一誠が来てくれると嬉しいけど、私は必ず来てくれると信じると思った。 
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