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オズのポリクローム

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第三幕その六

「だからね」
「はい、じゃあゆっくりですね」
「先に進んでいくんですね」
「ポリクロームさんのお家まで」
「そうするからね、さてと」
 ここまでお話してです、魔法使いは。
 操縦をする舵から離れました、すると。
 その魔法使いにです、臆病ライオンと腹ペコタイガーが尋ねました。
「操縦はいいの?」
「舵を取らなくても」
「うん、自動操縦にしたよ」
 魔法使いは二匹の獣に微笑んで答えました。
「だから大丈夫だよ」
「ふうん、そうなんだ」
「この飛行船自動操縦も出来るんだね」
「じゃあ魔法使いさんが動かさなくても」
「ポリクロームのお家まで行けるんだね」
「そうだよ、だから私もね」
 魔法使いは皆のところに来て答えました。
「こうして皆とお空の旅を楽しむよ」
「そうするんだね」
「魔法使いさんも一緒にね」
「僕達とこうして」
「お空の旅を楽しむんだね」
「そうだよ、さて外を観ないかい?」
 魔法使いは皆にあらためて提案しました。
「窓の外をね」
「飛行船からですね」
「お空を見るんですね」
「うん、飛行船の旅の楽しみといえば」
「はい、窓の外つまりお空を見ることです」
「それですよね」
 五人も魔法使いに笑顔で答えました。
「やっぱり」
「それが一番ですよね」
「そうだよ、ほら観よう」
 魔法使いは飛行船の右手を指さしました、すると窓の外にです。
 青い小さな鳥が沢山並んで飛んでいました。その鳥達を見てです。
 カルロスは首を傾げさせてです、こう言いました。
「鳩、だよね」
「そうだよ」
 その通りだとです、魔法使いはカルロスに答えました。
「あの鳩達はね」
「そうですよね、青いから」
「マンチキンの鳩ね」
 ナターシャも言います、ですが。
 カルロスとナターシャはその青い鳩達を見て何かおかしいと思いました、それで首を傾げさせつつ言うのでした。
「何かね」
「あんな鳩いたかしら」
「うん、僕達の世界にね」
「少し違う感じがするわね」
「色はともかくとして」
 恵理香も言います、その鳩達を見ながら。
「公園によくいる鳩じゃないわね」
「そう、何かね」
「違うわ」
 カルロスとナターシャは恵理香にも言いました。
「妙にね」
「違う感じがするわね」
「何が違うのかしら」
「あの鳩はまさか」
 神宝はその鳩達を見てその目をじっくりとさせて言いました。
「リョコウバト!?」
「あっ、そういえば」 
 神宝の言葉を受けてです、ジョージもはっとなりました。
「あの鳩はね」
「そうだよね」
「うん、リョコウバトだよ」
「まさにね」
「まさか」
 ジョージは驚いたお顔で言うのでした。
「オズの国にリョコウバトがいるなんて」
「オズに国にはいるんだよ」
 魔法使いは微笑んでジョージと神宝に答えました。 
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