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オズのポリクローム

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第二幕その十一

 最後はデザートでした、そのデザートは。
「あっ、これは」
「ええ、パイだけれど」
「五色のパイですね」
 見ればです、赤と青、黄色、それに黒とピンクの五色のパイです。
「これは凄いですね」
「貴方達の色のパイよ」
 オズマがジョージにお話します。
「これはね」
「僕達のですか」
「実は今エメラルドの都でそれぞれの色の苺を作っているの」
「僕達のそれぞれの色の」
「そう、赤と青、黄色はね」
 それぞれジョージ、神宝、カルロスの好きな色です。
「カドリング、マンチキン、ウィンキーから取り寄せて」
「あの、じゃあ」
「私達の色は」
 恵理香とナターシャがオズマに尋ねました。
「どうして作ったんですか?」
「ピンクと黒は」
「オズの国の色はその五色が多いけれどその五色だけではないから」
 だからと言うオズマでした。
「ピンクも黒もあるから」
「その色をですか」
「苺に入れることもですか」
「出来るから」
 だからというのです。
「その二色の苺も造ったの」
「それで私達の色もですか」
「あるんですね」
「それでね」
 そのパイにというのです。
「貴方達の色の苺を全部入れたの」
「だからこうした五色のですね」
「パイになったんですね」
「そしてその味はね」
 苺のそれはといいますと。
「オズの国だから」
「美味しいんですね」
「苺も」
「そしてパイも」
「そうなんですね」
「実は貴方達がいない時に一度食べたの」
 この五色の苺のパイをというのです。
「そうしたら美味しかったから」
「だから私達も」
「今から」
「食べてね」
 是非にというのです。
「皆で」
「はい、じゃあ」
「今から」
 五人はオズマに笑顔で応えてでした、そのうえで。
 その苺のパイを食べました、パイは五人がこれまで食べたどんなパイよりも美味しかったです。そのパイを食べて。
 そしてでした、魔法使いが五人に言いました。
「さて、後はね」
「はい、後はですね」
「ゆっくりと寝て」
「そして朝になれば」
「いよいよですよね」
「うん、飛行船を出してね」
 そしてというのです。
「それからだよ」
「その飛行船に乗って」
「そしてその飛行船に乗って」
「それからですね」
「お空に出るんですね」
「ポリクロームさんのところまで行くんですね」
「そうだよ、今日はそのことを楽しみにしてね」
 そのうえでというのです。
「寝よう、ゆっくりとね」
「何か楽しみで寝られないです」
 ジョージは笑ってこんなことを言いました。 
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