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オズのポリクローム

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第一幕その一

                       オズのポリクローム
                     第一幕  ボームさん
 恵里香達五人は今は学校のお昼休みを楽しく過ごしていました。給食をお腹一杯食べてその後で学校の図書館に入ってです。
 そこで本を読みながら楽しくお話しています、その本はといいますと。
 オズシリーズの本です、その本を読みながらです。
 恵里香はしみじみとしてです、皆に言いました。
「最初はボームさんが王室の歴史を書いていたのね」
「うん、アメリカでね」
 そのアメリカ人のジョージが恵里香に答えます。
「そうだったんだよ」
「そうよね、そしてそのボームさんがオズの国に入られてからは」
「ボームさんがオズの国から教えてくれているんだ」
 オズの国の歴史書を書くことを定められた人達にです。
「色々な手段でね」
「そうよね、ボームさんがおられてこそね」
「オズの国のことがわかるんだよね、皆」 
 神宝もオズの国についての本を手にしています。
「どうなっているのかを」
「そうよね」
「そして僕達はだね」
 神宝はこうも言いました。
「オズの国に出入りして実際に見ているね」
「そしてその歴史をだね」
 今度はカルロスが言いました。
「僕達はこの目で見ているんだね」
「そうよね、実際に」
「そして僕達の冒険もね」
「ボームさんがこちらの世界に教えてくれているんだね」
「そうよね、けれどボームさんのことは」
「私達はお会いしていないわね」
 ナターシャはまさにそのことをです、指摘しました。
「あの人には」
「確かあの人は」
 恵里香がまた言うのでした。
「王宮におられるけれど」
「まだお会いしていないわね」
「そうね、一度お会いしようかしら」
 こう言うのでした。
「オズの国に行ったら」
「うん、じゃあね」
「これからね」
「オズの国に行って」
 そしてというのです、男の子三人もです。
 オズの国に行くことに決めました、そして。
 皆でオズの国に行くことにしました、ですが。
 そこでナターシャがです、四人に尋ねました。
「皆ボームさんのことは知ってるわね」
「ええ、どうした人なのか」
「本にも書いてあるし」
「おおよそこのことはね」
「知ってるつもりだよ」
 四人はナターシャにこうそれぞれ答えました。
 そしてです、ナターシャも言うのでした。
「私もおおよそ知ってるわ、私達子供のことをいつも考えてくれている素晴らしい人ね」
「そうね、けれど私達何度もオズの国に行ってるのに」
 恵里香もナターシャに応えて言います。
「ボームさんにはね」
「お会いしていないわね」
「そうなのよね」
 この人だけにはというのです。
「色々な人にはお会いしてるのね」
「いつも王宮には行くのに」
「どうしてもね」
「ボームさんにはお会いしていないわね」
「じゃあね」
「ええ、今度の冒険ではね」
 オズの国に行くことをです、五人はこう言っています。
「まずはボームさんにお会いしましょう」
「そうするべきね」
「いや、本当にオズの国に行くことは嬉しいわ」
 ここで、です。こうも言ったナターシャでした。
「だってあの国はいつも春だから」
「ああ、ロシアはね」
「とにかく寒いからね」
「だからだよね」
「そうなの、日本の冬ですらね」
 それこそとです、男の子三人にも言うのでした。 
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