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ガンダムビルドファイターズ ~orbit~

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プロローグ
  プロローグ

 
前書き
どうもどうもー。心はいつも自由(フリーダム)です。懲りずにまたガンプラ小説を書き始めます。前作のガンダムビルドファイターズ ~try hope~の八年後の話を書くつもりなので、読んでない方はぜひ前作を!←露骨なステマ

 

 
……………あれ?ここはどこだろう?しかもなんか体が動かないような………。

なんとか開いた目で周りを見ると、そこは病室だとすぐに理解し、そしてベッドの上でよく患者の口元に被せられている物を付けられ、ベッドの近くには赤色の液体が入っているパックに繋がれたチューブから自分の左腕に刺されていた。

「あっ!目を覚ましたよ! 」

「よかった…。大丈夫か少年? 」

「……はい…」

「そういえば一つ聞くが、君の名前はなんだね?急遽運ばれたため、名を知らされてないんだ。教えてくれると助かる」

「俺は………




































わかりません…。そもそも、なんで俺はこんな状態になっているんですか? 」

「「!? 」」

「院長…これは」

「ああ。どうやら……記憶喪失みたいだな」

記憶喪失?記憶喪失ってあの記憶喪失の事か?

「少年。いくつか質問がある。まず一つ。自分の事で何か一つでも覚えているか? 」

「……いいえ…」

「もう一つ。君は何か夢、または思い出とか覚えているか? 」

「……っ!…いいえ…」

この事に関しては、何か思い出そうとすると頭が痛くなった。しかし、やはり思い出せない。

「もう一つ。送られてきたところ学生だったから、この問題は分かるだろうか? 」

紙を見せられると、そこにはわり算が書かれていた。

「3/2…」

「ふむ。よし分かったぞ。少年。君は自伝的記憶、それとエピソード記憶が欠落している」

「………」

「しばらくの間は安静にしてるように。それと十二時になったら絶対にこれを飲むように。分かったかい? 」

俺は何も言わず頷き、院長が錠剤を近くのテーブルに置いて病室から出ていこうとすると、入り口らへんで止まり振り返ってきた。

「そういえば、胸に痛みや苦しみとかはないだろうか? 」

「?ないですけど? 」

「ならいい」

それだけ言うと病室から出ていった。一体なんだってんだ?

「………院長。ちゃんと伝えなくていいんですか? 」

「送られた人の中で、生き残っていたのは二人。その内一人は運ばれてすぐに死亡。結果あの少年だけが生き残った……そんな残酷な事は伝えない方がいいだろう。それに」

「知らない方が幸せな事だってある……ですか」

「そうだ。それと、あの少年は──病……────────症を患っていた。少年は不幸中の幸いか、────を起こしすぐに死んでもおかしくないのに、この病院まで命をとりとめ、身近に適性値が異常に高い───がいた。少年はある意味運がいいな」

「あんな事があったのに運がいいなんて……」

「すまない。言葉を間違えたな。悪運が強いと言っとこう」

「はぁ………」

助手がため息を吐いて呆れられたのだろうか。その時顔を前に向けると、一人の女性がこちらに歩み寄ってきた。

「どちら様でしょうか? 」

「……ここに運ばれて生き残った人はどこですか? 」

出来るだけ丁寧に聞くと、女性は唐突にそんな事を言ってきた。

「申し訳ありませんが、知らない方には教えられません。今はこのような状況なので、ご理解いただけますか? 」

「それもそうですね。けど、私はその子の事を頼まれて来ました」

「頼まれたとは…誰に? 」

「今病室にいるであろう子の母親からですよ。その友人です」

「なるほど。でも失礼ながらあなたの名前をお聞きしてよろしいでしょうか?ああ、私は院長のタカナシです」

「私は玲奈孤児院院長のレイナです。彼女の息子……●●君を引き取りに来ました」

レイナと言っていた人は孤児院の方だったらしい。それに少年の名前は●●というらしい。

「……ではこちらに。ですが、まだしばらくの間は入院はさせます」

「構いません。●●君は、私の親友の息子です。きちんと元気になってもらいたいですから」

「そうですか。ではこちらに……」

先ほど出たばかりだから、あまり間もないのに入るのは一瞬気が引けたが、構わず扉を開ける。
●●と言われた少年は、いまだに輸血をしていてベッドの上で横になっていた。まあ寝ているようだが。

「…………こんな子が命を落としかけて、酷い目にまであって…」

「だからこそ、私達大人がしっかりと支えるんですよ。この少年だけではない。全ての子供達のために、未来へのみちしるべを創っておくんです。レイナさん。●●少年を頼みましたよ」

「……はい」





ーーー--





約二週間後、俺は退院して玲奈孤児院という所に引き取られた。退院当日に、レイナという人が俺を迎えに来ていて、何がなんだが分からないまま連れてこられてるという状況だ。

「レイナ…だっけ?何で俺を引き取ったんだ? 」

「親友に頼まれていたんです。だからあなたを迎えに来たの」

「親友に頼まれただけで、自分の事とかが全くわからないオマケに、記憶喪失までしている俺を引き取るのかよ。それに院長にも薬を大量に渡されるしよ」

「…………やっぱり────で多少変わったのね…」

「あ?今なんて言ったんだ? 」

「なんでもないです。そんなことよりも着きましたよ」

車が止まって二人で降りる。そのまま孤児院の中へと連れていかれた。

「今日からここがあなたの家よ。そして、この子達があなたの新しい家族よ」

孤児院に入ると、大体小学生ぐらいの子供が五人が積み木やらあやとりなので遊んでいた。

「皆ー!今日から新しく家族が増えるわよー! 」

その言葉を子供達が聞くと、遊びをやめて俺のところに駆け寄ってきた。

「「やったーーー!!よろしくねお兄ちゃん! 」」

「「お兄ちゃん遊ぼー! 」」

「鬼ごっこしよ! 」

「院長先生ー!お帰りー!お兄ちゃんもお帰りー! 」

「はいはい皆静かにー!紹介するわこの子は……」

レイナが口を開くと、俺はようやく自分の名前が分かった。

「レイ……カグラ レイ君よ。中学二年生だから、皆の一番上のお兄ちゃんよ」

「カグラ……レイ…」

「あっ!?そういえば教えてなかったですね!うっかりしてました! 」

院長モードからすぐに素に戻り、また敬語で話し始めた。

「まあいいや…グエッ!? 」

「レイお兄ちゃん遊んでー! 」

「あっ!ずるい私もーー!! 」

「ちょっ!?乗っかってくんなお前ら! 」

「あらあら。早速人気者ですね。よろしくお願いしますねレイ君」

こうして、俺は知識以外の記憶を無くし、自分自身がなんなのか。なぜ俺は傷だらけになっていたのか。そして……大切な何かがあったのか、胸の奥がチクッと刺さった感覚があった。

 
 

 
後書き
とまあ、こんな感じで始まりました。慣れない始まり方だったけど、大丈夫かな…………。
まあ、これからもよろしくお願いいたします! 
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