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色のささやき

作者:萩原正貴
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二日目


その日は午前中で授業が終わり
友達となんやかんやと騒ぎながら下校した

『オレ今日橋本に行くんだ』
『お前トラコーマ?オレも行くぞ』
『目、開けるのやだよなあ』
『薬べたべたして気持ち悪い』

橋本眼科にかかる子供は毎年結構な数がいたらしい
今日橋本に行ったら誰かに会えるかもしれないな、と毎回同じことを思ったものだ

親の都合で受診するため
橋本で会おうぜ!などと約束することはなかった

昼食の素麺をすすり、カルピスを飲んで
じゃ、行きましょうと母から声が掛かるのを待つ

壁の時計が午後2時を示す頃
母に帽子を被れと言われ慌てて帽子をひっ掴んだ

『橋本、行くの?』
『そうよ。早く診て貰って早く治さないとね』

 
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