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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第八章 反転
  第2話 現れる乱入者

 
前書き
どうも、ラーフィです。

完全に不定期更新になりましたが頑張るぞー!

ではでは〜 

 

真那「兄様を殺そうとした恨み、ハラさせてもらいやがります……よ!」

麦野「……フン」

真那の蹴りを片手で受け止める麦野。

そのまま彼女は右手に『原子崩し』を出してそのまま放出する。

真那は麦野の肩を押し倒すようにして片足で飛んでそのままキックする。

麦野「ぐっ……」

掴んでいた真那の足を払い、距離をとった。

真那「(変ですね……)」

と、真那は少し疑問に思った。

真那「(……彼女の能力は間違いなく遠距離型なのに近距離戦も慣れていやがります。それに、さっきの攻撃……)」

などと考えていると緑色の閃光が飛んできた。

真那「チッ」

それを華麗に避けて麦野の方へと突進していった。







一方上条はというと、

上条「くっ……」

浜面「おりゃ!」

絹旗「……!」

上条が防戦一方だった。仕方もない。二対一なのだから。

上条「こうなりゃ……」

上条は一歩下がり、絹旗を無視して浜面の方へと殴りかかる。

浜面「うおっ!?」

絹旗「なっ……?」

あまりにも大胆な作戦に一瞬怯んでしまうがすぐに切り替えて応戦する。

上条と浜面が一対一で殴り合っていると絹旗が遠くからでかい岩を持ち上げていた。

「「………え?」」

殴りあうのを辞めてついそちらを見てしまう。

絹旗「では、二人とも気絶してください」

「「気絶じゃ済まねえよ!!!」」

絹旗は何のためらいもなくソレを投げた。

「「うわっ!?」」

二人は直ぐさま逃げて、それを回避する。

ドン!!と岩が地面を叩きつける音が響いた。



その時、それを見越したかのように岩の上に誰かが降り立った。

それはーー



浜面「お前は………!?」

絹旗「……どうしてここに」

上条「削板、軍覇……!」











真那「『一閃』!」

真那は何もないところから一本の剣を出現させ、それを高々と構える。

麦野「………なんだそりゃあ」

真那「日本刀『村正』のレプリカです。オリジナルほどの力はありませんが、私専用に調整されたものですよ」

麦野「フン、くっだらねぇ」

真那「そんな口を叩けるのも今のうちでいやがりますよ?」

麦野「やってみろよ」

何の予備動作もなく『原子崩し』を発射させる。

真那は先ほどとは違い、避ける動作をせず『村正』を下から上に振り上げるだけだった。

緑色の閃光はそれに応じて真上へと軌道を変える。

麦野「……なるほどな。面倒な剣だ」

真那「分かりやがりましたか?」

麦野「……」

真那は一気に距離を詰めて麦野へ斬りかかる。

麦野「チッ!」

それをギリギリのところで躱す。

そこからは『原子崩し』で作った盾で何回か防いでいるが、レプリカとは言え伝説の剣の一つ、『村正』の威力に盾は数撃で破られてしまう。

真那「(遠距離型の能力に補うように近距離戦の格闘スキルが高い。ですがそれさえ封じればこっちに勝機が……!)」

相手の力を細かく分析し、確実に勝ちに行く戦法。

しかし、

麦野「テメェのやりたいことは読めてんだよ」

まだ、彼女はすべての力を出していなかった。

麦野はポケットから一枚のカードを取り出し、それをフワッと空中に上げる。

真那「……え?」

『原子崩し』をそのカードに向けて放出する。

麦野「『拡散支援半導体(シリコンバーン)』」

カードに当たると同時、『原子崩し』は何十本と拡散した。

その内数本は真那へと一直線に向かってる。

真那「くっ!?」

一気に振り払おうと下から上に一気に斬り上げるが、全部は防ぎきれず、一本たけ肩に命中してしまった。

真那「がっ……」

背後での爆発音も気にする暇もなくその場に倒れ伏してしまう。

真那「(油断、しました……まさかあんな奥の手があるとは……。今から本気を出してもこのザマでは勝てる気が……)」

相手の出方を伺いながら、これからの戦法を考えよう。

そう結論づけてゆっくりと立ち上がった。

だが、麦野はこちらを見ていなかった。

上条がいる方向を、なぜか見ていた。

あっちはあっちで激しい戦闘を繰り広げているはず。

麦野「何であの野郎がここにいる?」

真那もそちらを見ると何故かでかい岩が突き刺さっており、そこに立っている一人の少年が目に入った。


真那「あの人は……誰でいやがりますか?」


誰に問いかけたのか分からないその言葉は、ドカッという音によってかき消された。









ドカッ!と削板は岩を叩きつけて割って見せた。

少しの砂埃と岩の破片が飛び散る中で、彼はゆっくりと上条当麻の方へと近づいていく。

削板「久しぶりだなカミジョー」

上条「……そうだな」

削板「さっそく見せてほしいんだけどよぉ」

上条「見せる?何をだ?」

ピタッと止まり、腰を低くして戦闘態勢に入る。





削板「精霊の力ってヤツをだよ!」






一瞬にして上条の腹下に潜り込み、勢いを殺さず殴る。

上条「ぐはっ!?」

何もすることができず一気に吹き飛ばされる。

勢いを殺せぬままゴロゴロと地面を転がり、壁へ勢いよく激突する。

上条「……っ」

削板「どうした?根性ねぇなあ。その程度か?」

上条「……」

絹旗「せ、精霊……?」

浜面「な、なんだそりゃ……」

麦野「……何をさっきから言ってんだ?」

真那「精霊……?いや、そんな……ありえないです!」


様々な想いがある中、上条はゆっくりと立ち上がり、言って見せた。

上条「……いいぜ」

その時の彼は、上条当麻とはまた別の誰かのようだった。

上条「見せてやるよ、精霊の力ってやつを……」






ーーーー
ーーー
ーー





微かに地面が揺れた。

僅かに風が吹いた。

こんな些細な変化しかなかったのかもしれない。

誰もが気のせいだと見逃すような『揺れ』

それは、



今の″彼″の姿を見ていなかったら、の話だが。



ツンツンしていた髪は力を無くしたように降ろされ、ストレート髪になっている。身体自体にはあまり変化はないが、ピンク色のオーラがあり、それでも、男なのでとても精霊には見えない。

削板「……これが精霊の力ってヤツか?何が変わったのかイマイチ分かんねぇけど」

上条「軍覇。悪いことは言わねぇ。この状態の俺と戦うのはやめとけ。痛い目に合うだけだ」

削板「ハッ!誰に向かって言ってんのか分かってんのか?」

上条「あぁ。″だからこそ″、だ」

削板「……根性あんなぁ。じゃあ俺も根性出して本気でやるか」



そして、


大きな力と力のぶつかり合いがあった。



ーーーー
ーーー
ーー



勝負を終えた時には既に上条当麻はいつものツンツン頭に戻っていた。

解析不能の削板の力と正体不明の上条の力のぶつかり合いはこの大地を揺るがすほどの威力があった。

しかし、その力がぶつかり合った時、



削板の身体が真後ろに吹き飛ばされたのだ。



つまり、この勝負を制したのは上条。

二人がどこまで本気を出していたのかは分からないが、削板はこの結果に満足なようで、

削板「……なるほどなァ。いいもん見せてもらったぜ」

これから特に戦う気はないようだ。

上条「それで?あんたらもまだ戦うのか?」

麦野「……」

浜面「ど、どうする?」

絹旗「これは……超ヤバい気がします」

三人が険しい表情すると背後から一人の少女が近づいてきた。

滝壺「むぎの」

麦野「……どうした?お前は遠くで見てろって言ったろ?」

滝壺「これ以上はやってもむだ。今すぐやめて」

麦野「……オイ、発言には気をつけろよ。いくら滝壺でもーー」

滝壺「フレメアが解放された、ってさっき電話きた」

麦野「何っ!?」

浜面「解放されたって……」

絹旗「超どういうことですか?」

滝壺「えっとね、もうこちらの目的は大いに達成できたからって……」

麦野「あの原田って野郎か?」

滝壺「うん」

麦野「チッ……」

上条「(フレメアって確か……何回か会ったことあるあの子だよな?)」

麦野は少し考え込むと、再び滝壺達の方を見た。

麦野「帰るぞ」

滝壺「うん」

浜面「……いいのか、これで」

絹旗「……不意に落ちませんが、ここは超退散するとしましょう」

真那「……帰るんですか?」

真那の問いに、浜面が足を止めてこちらに顔を向けた。このまま理由を話さずに帰るのはマズイと思ったのだろう。

浜面「こっちも何の利害も無くあんたの兄貴を殺そうとした訳じゃねぇんだ。こっちも人質を取られててーー」

麦野「浜面。それ以上言うな」

浜面「……わりぃ」

しかし、それは麦野によって止められた。

麦野「……それと、そこの女」

真那「……私のことでいやがりますか?」

麦野「あぁ。……その、なんだ」

麦野は真那に背を向けたまま静かに言った。



麦野「悪かったな。お前の兄貴を殺そうとして」




この時、浜面と絹旗と滝壺がとても驚いた表情をした。

浜面「は?え、ええぇぇぇ!!?」

絹旗「む、麦野が超謝った!!?」

滝壺「……いちだいじ!」

麦野「ぶっ殺すぞテメェら!!」

あぁ、先程までの緊張感はなんだったろだろうと思えるぐらいの日常感があった。

真那「それはお互い様ですよ。ですが……麦野さんでしたっけ?案外可愛いところあるじゃないですか」

その時、緑色の閃光が真那の顔の横を通り抜けていった。

まるで「殺すぞ」と言ってるかのよう。

真那「……怖っ」

上条「ははは……削板はどうするんだ?」

削板「俺も帰るわ。見るもんみたし、満足だ」

上条「そうかい」

削板「カミジョーはどうすんだ?」

上条「連れ去られた大事な仲間を取り返しにいく」

削板「根性あんなぁ。頑張れよ」

削板が右手の握りこぶしを前に出した。

上条「おう」

上条も合わせるように自分の拳をコツンと叩きつけた。

麦野「そういやお前の名前ってなんだっけ?」

真那「崇宮真那です」

麦野「崇宮……?兄貴と苗字が違うじゃねぇか」

真那「仕方ありません。家庭の事情と思っておいてください」

麦野「……」

真那「と言っても、彼は『崇宮士道』の頃の自分を覚えていないようですけど」

麦野「変な話だな」

真那「……」

それを聞き終えると麦野一行は学園都市へと帰っていった。

削板もいつの間にかいなくなっていた。

上条「そっか、崇宮士道か……」

真那「……」

上条「崇宮の時に何があったんだ?」

真那「隠し事はお互い様ではないですか?」

上条「そうだな」

真那「ではDEM社に向かいましょう」

上条「……いつか」

真那「?」

上条「いつか話し合えるといいな……」

真那「……そうですね」

そして、二人は地を蹴って大空へと飛び出した。

連れ去られた十香を助けるために。










 
 

 
後書き
書き終えてから気づく。数百人の客はどこに行ったのだろうか、と。

……戦いに夢中で知らぬ間にどこかへ行ったということにしてくださいm(_ _)m 
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