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ドリトル先生と森の狼達

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第七幕その八

「人の後ろについていくことが」
「そうなんだ」
「成程ね。けれどね」
「けれど」
「僕達基本ただついていくだけだよ」
 人の後ろをというのです。
「それが夜道だと怖いかも知れないけれど」
「それだけだね、確かに」
「何もしないけれどね」
 こう言うのでした、少し不思議な感じで。
「それが面白いんだね」
「生物学的にね」
「そういうものなんだ」
「ニホンオオカミはかなり特殊な狼だからね」
「そんなに特別視されるものかな」
「君達がそう思っていなくてもね」
「ただ絶滅したと思っていたらいただけじゃないんだね」
 王子がここでまた言いました。
「本当に」
「そう、かなり独特の狼だから」
 先生は王子にもまた答えました。
「貴重なんだ」
「成程ね」
「まあとにかく、後で君達の群れに案内してもらうということで」
「わかったよ」
 狼さんは先生にこのことについてまた答えました。
「そういうことでね」
「宜しくね」
「狼の群れに囲まれる」
「本能的に怖いね」
 オシツオサレツはここでこんなことを言いました。
「僕達草食動物にとっては」
「これまで何度もあったから慣れたけれどね」
「うん、どうしてもね」
「狼さんの群れは身構えるね」
 ガブガブと老馬もでした。
「逃げようとね」
「思ったりするね」
「君達みたいな生きものは食べないよ」
 狼さんはオシツオサレツ達にこのことを保証しました。
「だって僕達森にいる生きものしか食べないから」
「あら、そうなの」
「僕達には興味がないんだ」
 今度はダブダブとチーチーが言いました。
「食べる相手と思っていない」
「そうなんだ」
「そうだよ、知っているものなら食べるけれど」
 それでもというのです。
「知らない生きものは食べないよ、ましてやお空を飛ぶ鳥は」
「僕達だね」
「そうね」 
 トートーとポリネシアは自分達のことだとすぐにわかりました。
「狼さんもお空は飛べないから」
「だからなのね」
「そうだよ、とにかく僕達は君達は絶対に食べないから」
「だといいね」
「そうだね」 
 ホワイティはジップとお話しました、狼さんのお話を受けて。
「食べられることがないのなら」
「一安心だよ」
「というか食べられないとね」
「安心出来るわね」
 チープサイドの家族にとってもこのことは気になることです、雀達もこうしたことはどうしても気になることだからです。
「狼さんでもね」
「それならいいわ」
「狼は嘘を言わないよ」
 狼さんはこのことはこれ以上ないまでに強く言いました。 
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