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詩集「棘」

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愛しき君へ送る歌



永久に届かない想い
いずれ廃墟のように朽ち果てて
廃れたその身を懐かしく
思い出す日が来るのだろう…

琥珀に閉じ込められし
ささやかな太古の記憶
思い馳せても届かない
追いつくことのない時の彼方
想いは今へと繋がって…

愛しき君へ送る歌
終わりなき夜に鳴り響く
想いの鈴の物悲し
褪せることなき恋しさは
いつかは僕を滅ぼして…


儚くも消えゆく願い
淡い幻想の如く触れられず
静かに心へ沈みゆき
いつか愛しく抱くだろう…

瑪瑙へ写し出されし
さまざまな世界の想い
憧れ行きて彷徨うも
見ることも叶わず日も暮れゆき
気付けば一人 月見上げ…

愛しき君へ送る歌
光り無き世に流れゆく
砕けし心の虚しきは
諦め切れぬ恋しさに
いずれ焼かれて灰となり…

愛しき君へ送る歌
立ち去る今に影もなく
会えぬと解りしものなれど
愛しき君を想いしは
僕の勝手と…云いますか?



 
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