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WATCH DOGS 〜in RIDER WORLD〜

作者:カツゲン
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PHASE 12 プロフェッサーの協力

「…さて、
改めてようこそ、私の研究室へ」

戦極に連れてこられた場所は最初の研究室であった

「…で、目的は何だ
何故俺を招き入れた」
「ちょっとした利害の一致ってヤツかな
まず聞かせてもらうが、何のために情報を盗もうとした?
それが聞きたい」

戦極の問いに、一瞬躊躇うが
直ぐに事の経緯を説明した



「…なるほど、
もしかしてその依頼主は
こんなやつじゃないかな」

そう言って彼が呼び出したモニターには
監視カメラの映像と思われるものが映っていた
そこではあの男、ガイが何かを手にしていた

「こいつだッ!こいつが俺にこんな依頼をしてきた!」
「フム、こいつの情報を知っているかと思ったが
まさか面識もあったとは」
「こいつは何をしている?
そしてあんたは何を俺にさせるつもりだ?」
「簡単さ
この映像で彼が立っているのはそこだ、行ってみてくれ」

彼が示したところには透明のガラスに囲われたボックスと
幾つかのロックシードが置かれていた

「これは…?」
「そいつは私が極秘に
開発していたロックシードだ
と言っても幾つかは封印しているがね
極秘だから知っているのは
私だけのはずだが…
どこからか漏れていたらしい」

そこにあったロックシードは
ドラゴンフルーツを模した物と
リンゴを模した物、
そしてドス黒い不気味な色のブドウのような物のロックシードであった

「本来ならそこにもう一つあったんだ
しかも特に危険なやつが」

彼が資料を投げ渡してきた
そこにはアウラウネロックシードという名前と
その図が載っていた

「ガイはこいつを盗んだと?」
「その通りだ
何のために使うか…まあ、良くないことだろうが
とにかくあまり派手に暴れられて
貴虎のやつに知られても困る」
「貴虎?ここの主任か
仲間じゃないのか?」
「彼は信頼できる男だが、
少し…何というか馬が合わなくてね
彼は戦闘用のロックシードの存在をあまり好んではいない」
「なぜだ?」
「詳しくは言えない
だが元々、ロックシードは戦闘のために開発されたものじゃないということだ」
「…お前の依頼は
そうなる前にそいつを奪い返してほしい、
そういう事だな?」
「ああ」
「見返りはなんだ」

その言葉に対し、
彼はベルトを指差した

「そいつを強化してやろう」
「え?」
「君のライダーシステムを強化してやると言ったんだ
安心しろ、この私のゲネシスドライバーと変身態のデュークにも
強化を施してある
同じようなことをするだけだ」
「だがこいつはあんたが開発したわけじゃない
システムもかなり違うはずだ」
「私を誰だと思っている
データさえ渡してくれれば簡単さ」

戦極の言葉に少しばかり考える
だが、答えは最初から決まっていたようなものだった

「OK、乗った」
「君ならそう言うと思っていたよ
では、そのスマホ…名前とかはないのか?」
「名前?
スマホに名前なんてつけないだろ」
「まったく、君にはユーモアというものがないな
君のライダー名は?」
「バレルだ
と言ってもベルトの名前から取っただけだが」
「では今からそいつの名前は
バレルハッカーだ
シンプルでいいだろう?私の趣味だ」
「ハァ…何でもいい
とにかく頼む」
「じゃ、そのバレルハッカーを渡してくれ」
「ほらよ」
「これでいい」

彼は直ぐにバレルハッカーとコンピュータを繋いだ

「今、そっちのデータをコピーすると同時に
こちらのデータを送信している」
「いいのか?」
「構わん
これもお互いの信頼関係のためだ
それにこのシステムがばれたところで
どうということはない」
「そうか…感謝する」
「では、これでデータは貰った
あとは開発するだけだ
数日程度かかるかもしれないが
パワーは保証する」
「ありがとう、本当に感謝する」
「いいんだ、お互いのためだ」
「それでは」

翔は戦極の研究室を後にした





「…よし、それでは
解析を始めるか…
あれがどこで何のために作られたのか
非常に興味深い
強化は…後回しだ、悪いな」















太平洋上空 個人ジェット機内

一人の男が新聞を読んでいる
その脚は側に倒れている殺し屋の顔を踏みつけている

「全く…こんな狭いところで襲ってくるなんて
お前は相当バカだな…侵入したことは褒めてやるがな
何処からの依頼だ?」

殺し屋は答えない
沈黙したままだ
どうやら気絶しているらしい

「…ま、見当はついているがな
どっかのテロリストだろ
それ以外に恨みを買われたことは…あるか」

側にいたコワモテの部下に指示を出し、
殺し屋の身体を運ばせる

「…にしても翔のやつ、
立派にビジランテやってるみたいだな」

彼が読んでいる紙面には
沢芽市に出没するビジランテについて書かれていた

「待ってろよ、翔
この俺が帰ってくるぜ…」

彼の隣の席には
ベルト…フォースドライバーと
一人の男についての資料と写真が
置いてあった 
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