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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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九校戦編〈下〉
  九校戦七日目(4)×一年女子からのカウンセリング&治療とミラージ・バット決勝戦

無頭竜からの盗聴をした後、俺は会長さんからの頼みを聞いたら一年女子に動揺広げないよう協力して欲しいという事だった。俺はエンジニアの前にカウンセラーの資格も持っている万能であるからか、天幕にて俺はこれから決勝戦で使うデバイスチェックをしている間に、出来るだけメンタルケアをする事が主な任務だと察した。表面上は何もなかったかのようにする事だけど、事故の事もあるが既に試合を終えた者や予選落ちをした者、悩みがある一年女子は何故か一列に並んでいた。

既にデバイスチェックを終えたので、ミラージ・バット決勝戦までのほとんどを一年女子のカウンセラーをしていた事に他の上級生や俺の事が嫌いな男子も気になってこちらを見るようになっていた。占いの母ならぬカウンセリングできる場所となってしまったが、作戦スタッフも他の選手やエンジニアらもだったが、中には少し怪我をした生徒もいた。俺が医師免許を持っていると知ったのか、治りにくい捻挫や女子が気になる怪我の跡を消したりとしていた。例えを挙げても、数に限りがある。

「ありがとうね、織斑君」

「良いって事よ。次からは気を付ける事だ、次の人、どうぞ」

天幕と言っても、七草会長がさっきまでいた所を借りてカウンセリング室や治療室となってしまった。

「一真君、お願いがあるんだけどいいかな?」

「俺で出来る事があればだけど、何かな?」

「ここの部分に怪我の跡が出来ちゃったんだけど、すぐ消えると思って放置しといたんだけど中々消えなくてね」

「なるほど、この部分は女子にとっては厄介な部分だな。だが俺に見せてもいいのか?俺は異性で一年男子だぞ」

「一真君は他の男子には持ってない事を持っている。さっき友達が言ってたんだ、女子の気になる部分であっても消してくれるって。エロガキじゃなくて、紳士だって噂だからだよー」

この子のケースだと内ももと内股の辺りに怪我か日焼けなのかは知らんが、何らかの跡だと分かった。それとモノリスでの事故があったから、精神に不安を感じ取ったので治療を開始。と言っても、朝に6対12枚の翼から集めた太陽光を注ぐ事で何らか痕跡を消したり、精神不安を抱え込んでいるのを軽減したりとの事だ。ちなみに一年女子からは名前で呼ばれているが、上級生の女子達からは名字で君付けになっている。

「・・・・これでよし。何らかの痕跡も見事に消したし、精神的な不安要素を少し取り除いたから前よりかは楽になったと思うよ。モノリスについては心配しなくとも大丈夫だから、あまり思い詰めないようお勧めする」

「わあ!ホントに消えた、ありがとう一真君。それと何だか身体が軽くなった気がするよ」

「また何かあれば相談に乗るからさ、友達と一緒でも構わないから俺のメルアドを教えとくんでな。このメルアドはカウンセリング専用回線だから、大丈夫だよ」

「何から何までありがとう。正直言って、他の男子には私達からも言っとくよ。一真君の事を二科生だと見ない様にってね」

そう言って俺のメルアドを載せたメモを渡してから、その子は行ってしまった。ちなみに専用回線のは、相談者専用端末に送られてくるのでまた何かあればいつでも相談出来るようにしてあり、名前とかの個人情報も俺のみ見れるようにしてある。守秘義務だが、普通の男子には分からない相談とかも来るのでそれはそれで桜花、結衣、沙紀にどういうコメントをした方がいいのかを聞いてからコメントをしている。

「もうすぐミラージ・バットの決勝戦が始まるな、そろそろ移動した方がよさそうだな」

「お疲れ様ですお兄様」

「深雪か、スマンな。受付嬢みたいな真似をさせて」

「私ならいいんですよ。お兄様が万能であっても、他の男子には違う何かを持っている事は私が一番知っていますから」

深雪が受付嬢みたいな真似をさせたのは、俺が呼ぶと一人一人を並ばせて順番を乱さないようにしてくれた。最後の一人を終えるとそろそろ時間となったので、切り上げてくれたからさっきの子が最後の一人。今回は主に相談事やメンタルケアに治療と俺は保健室の先生か?と思うぐらいだったからか、外にいた先輩達も驚いていたし俺を敵視していた一年男子や上級生もいつの間にか敵視しなくなっていた。

恐らく相談や治療を終えた一年女子や上級生の女子達からの注意を受けたのだろうな。ミラージ・バットの決勝戦がそろそろ始まるので、第一高校が使う控え室にはほのかとスバルが着替え終えて待っていてくれた。

「やっと来た来た、てっきり来ないかと思ってたよ」

「悪い悪い。デバイスチェックを終えた後からは、カウンセリングをしていたからな」

「一真さんが調整したCADなら、決勝も楽勝ですよ!」

「そう粋がっていると、凡ミスもあり得るからさ。ブリーフィングを始めたいと思うが、予選と戦い方が変わった訳ではない。ミラージ・バットは持久力勝負だからな」

森崎らの事故については、顔の色が真っ青になったがすぐに俺の声で落ち着きだした。ま、アイツらはこれ以上二科生である俺に対する嫉妬からの事故みたいな感じだ。なのであまり気にしないように言っといてあるが、そろそろ決勝戦なので二人にアドバイスをした。

「気力で勝負、は厳禁だぞ。必要なのは、あくまで冷静なペース配分だ。とりあえずスバルには、織斑印のデバイスにより光をより見えるような機能を付けておいた」

「それってつまり・・・・ほのかのように光波の発生を意味するエイドスの変化に鋭敏になったという事?」

「ま、そう言う事なんでな。とりあえずライトを消してくれゼロ・・・・暗くしたからどこから光球が出るか当ててみてくれ」

暗くなった部屋は、人間の目では見えないようになっているが光波が敏感という事は光球がどこに出現するか分かるはずだと思った。実験開始してから数分経ったけど、すぐにスバルは光球が出現前に指を差してから出現したのだった。

「なるほどね、これならいつどこに光球が出現するかで分かるようになればあとは跳躍だね」

「そういう事だが、本来デバイスにこういう機能は付ける事は出来ない。ま、俺だけの技術という事で納得してくれ。それとほのかは余計な細工はしない方がいい、練習でやったみたいな幻術魔法でのダミーをばら撒くなよ?スタミナ浪費で一気に想子(サイオン)が消費されてしまうからな」

二人に釘を刺してから、それぞれのデバイスによる最終チェックを数分で終わらせてからほのかとスバルにデバイスを渡してから手首にはめた。ほのかには光波がもっと感じるようにして、スバルには光波を感じ取る事が出来るような補助機能を付けた織斑印のデバイス。

「二人とも、自分の持ち味とデバイスの補助機能を出せば百%の力が出せる。大丈夫だ、それでワンツーフィニッシュは頂きだ」

「「はい分かりました/うん分かったよ」」

俺の発言により、一位二位独占出来る事を宣言したにも関わらず冷静な対処をするために緊張感を無くしてから送り出した。蒼太が合流した事で、俺らは会場の席にて立って見ていた。エンジニア専用の席とも言ってもいいが、俺ら技術屋が見える最高の席となっている。

真夏とはいえ、一年で最も日が長い時期というのは過ぎている。夜七時ともなれば日はすっかり落ちて、青空から夜空が広がっていた。まるで天空神からのサプライズかのように、今日の夜が特別のように感じた俺であった。

「湖面が照明の光で反射していますね」

「円柱に立つ六人の少女達ではあるが、俺が調整したデバイスは優勝出来る補助機能が備わっている。あとは本人の力を信じるのみだ」

『にしても、身体の線が際立たせる薄手のコスチュームではありますが俺らにとってはどこが薄手なのでしょうか。水面に揺らめく光の中で妖精郷の趣を醸し出しているかもしれませんから、男性ファンがとても多いようですね』

『蒼太の言う通りだが、現在のドレスコードを考えればしょうがないとしか言いようがないね。2030年前後に地球の急激な寒冷化が原因だからか、最近のは露出を抑え気味のようで物足りないとは思わないか?』

俺と蒼太は、途中から念話となって現在のドレスコードについてを話していた。ついでにミラージ・バットは、地上十メートルに投影される立体映像の球体を専用スティックで叩き消す競技であり、その球体の数を競うもんだ。

叩くと言っても手応えは感じないし、割れたり散ったりする訳でもない。選手の持つスティックが出す信号と球体の投影位置を演算機で分析し、両者が重なった時点で球体の投影が終了しスティックの信号から選手が判別されてポイントが加算されるという仕組みとなっている。

「それにしてもこの競技に必要なスキルは二つであり、如何に速く球体の投影位置まで跳び上がるのと如何に早く球体の投影位置を把握するかだ」

「光より速いのはありませんが、立体映像の光を確認してから動くのが早いという定石になっています。ですが例外というのもある訳ですね」

『空中立体映像は結像するまでにコンマ数秒のタイムラグがあるが、結像中の光波の揺らぎを知覚できれば実際の光を確認するよりも早く光球位置を把握出来る』

『光波の発生を意味するエイドスの変化に鋭敏なほのかの感覚は予選と決勝でも、役に立ってますからね。それにスバルが持つデバイスにも、そういう補助機能を付けたから楽勝ですね』

決勝戦が始まった瞬間に跳び上がったほのかだったが、頭上に赤い球体が出現する一瞬に術式発動。ほのかとスバル以外の選手はまだ動いていないが、まるで諦めるかのようにして見送っている。次の光球が出現した一瞬にスバルが跳び上がり、他選手より速く叩き割った事でスバルの跳躍とデバイスの補助機能が立派に機能している証拠となっていた。

「もう飛び上がった!?」

『光井選手ポイント!』

「光波の動きに敏感なほのかだけど、まさかスバルにも敏感な感じと見ていいね」

「お兄様が調整したCADには、競技用に使われるCADに補助システムを付けるのが得意ですからね。たぶん光波が敏感という補助システムを付けたんだと思うわ」

青色で光っている時間が長いのは、最もポイントをゲットしやすい球体である。それを見逃さないようにして、他選手が一斉に起動式の展開をしているがスバルは他選手が上がったとしてもそれよりも速く叩き割っている。

同時に起動処理を始めて、その処理が最初に完了するのは常に第一高校の二人だった。同じフィールドで競い合っている選手よりも、フィールドの外で見ていた技術スタッフが歯を食い縛るか唇を噛み締めていた。それを見ていた観客席にいた中条先輩も同じエンジニアではあるが、俺とレベルが大違いな事も一応知っていた。

「す、凄い。流石は織斑君の調整・・・・!(飛翔・静止・着地、全ての工程が記述された起動式。それが最初の一回で処理されているからか、まさに最小の魔法力で最大の事象改変!)しかも処理速度が速いからか、起動式自体が小さいからだわ」

と心の声が聞こえてきたが、あえてスルーした。それに分かっているが、ここまで安定的に差が生じている以上はデバイスの性能差を認めぬ訳にはいかない。各校とも規制上限ギリギリの機種を選んでいるはずだが、ハード面の性能は同じである。残りはソフト面の性能差だが、ハードとソフトは俺オリジナルなので残りは腕の違いだけだと他校は思っているだろうな。

「一真様、悪い意味での笑みが出ていますよ」

「おっと。俺の悪い性格が出てしまったようだが、ハードとソフトをオリジナルだからか。性能差が同じだと思っている様子だな、残りはエンジニアの腕だが」

「ま、一真様オリジナルデバイスについては反則級だと思われますが、あのデバイスを使えば魔法師であってもタイプDを倒せるようにしてますもんね」

俺らが話していると他校のエンジニアがボヤいていた。

「クソッ、何であんなに小さい起動式で、あんなに複雑な運動が出来るんだ!」

恐らくキルリアン・フィルターという、想子(サイオン)の濃度と活性度を可視化する為にフィルター付きのカメラでほのかとスバルの起動処理を撮影していた。ちなみに起動処理は、起動式の展開から読み込みまでの処理の事。一直線に立体映像へ向かって飛び、光球の前で静止してから得点後に放物線を描いて足場へ戻ってからの慣性をキャンセルして着地。ま、重力加速度を無視しているが。

「同じ性能のはずなのに、なぜここまで差がつくんだ!」

「と他校で嘆いていますが?」

「それはそうだろうな。一連の運動中は、ほのかとスバルは一度もデバイスを操作していないからさ。跳び上がる時点で使用した起動式は、着地までの工程を全て一工程で済ませているというより記述されているという事の方が分かりやすいか」

「観客席にいる中条先輩もきっと同じ事を思っているかと。私は現代魔法を使う手の者ですが、起動式が小さい程起動処理が早く終わり起動処理の回数が少なければ魔法師の負担がより一層軽くなります。最小の魔法力で最速の事情改変とはこの事かと」

俺らが解説をしていると、他校からの舌打ち混じりにぼやいたのを聞いた俺と蒼太はバレた?とでも感じ取った。まるでトーラス・シルバーみたいだと聞こえているが、実際俺がトーラス・シルバー本人なんだからな。

「あーちゃん、どうしたの?」

あずさが振り向くと、目を見開いて突然硬直してしまっていた彼女自身を真由美が不思議そうに見ていた。

「何でもありませんが、流石は織斑君の調整したCADなんだなと思いまして」

「そういう事なら私も驚いているわよ?あんなに小さな起動式で、飛翔・静止・着地を一つにしてしまうという事ぐらいかな」

そう答えてから、真由美は観戦に戻ったがあずさがこうなる事も無理がないと真由美も悟ったのだろう。同じエンジニアスタッフなのに、俺が調整したのはどれも一級品に近い程だ。

「(・・・・まるでトーラス・シルバーみたい?)」

先程誰かがぼやいたが、歓声と悲鳴に紛れた言葉があずさの耳にはハッキリと響いていた。

「(あの起動式のマニュアル操作と自立支援型AIゼロとの連携によるアレンジ・・・・汎用型のメインシステムと特化型のサブシステムを繋ぐ最新研究成果の利用に特化型にも劣らないショットガン形態の汎用型に、本来なら補助機能などをデバイスにインストールなど不可能を可能へとしてしまった。汎用型CADにループ・キャストを組み込んだ技術力・・・・『インフェルノ』『フォノンメーザー』『ニブルヘイム』・・・・どれも起動式が公開されていない高等魔法プログラム)」

同じ魔工師を目指す者として、この大会で度胆を抜かされ続けた数々の『離れ業』が、あずさの脳裏をグルグルと駆け回る。

「(まるで?トーラス・シルバーみたい?ううん、これって・・・・トーラス・シルバー本人じゃなきゃ不可能なんじゃ・・・・)」

『・・・・意外にも俺達と同じ日本人かもしれませんよ』

不意にあずさの記憶の中から彼の声が聞こえてきた。そして試合終了後に一位二位独占をした事で、あずさの考えは織斑一真=トーラス・シルバーなんじゃないか?という疑問が生まれたが、あの時彼が言ったのは推測ではなくすぐ近くにいたのではないかと。

「(まさか?まさかまさか?まさかまさかまさか?)」

そのフレーズだけが今のあずさの脳内にあった言葉だった。二人の下級生は圧倒的なリードを奪った事で、他校の関心を第一高校に向けていた。ほのかとスバルが戻ってきたら、疲労と緊張を無くそうとしてからそれぞれの感想を聞いていた。

ほのかはいつもよりも光波が敏感となり、すぐに光球の位置が把握出来た事。スバルは光球の位置がいつもより的確に分かったからか、織斑印のデバイスを使わなかったらどうなっていたか分からないと言っていた。 
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