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K's-戦姫に添う3人の戦士-

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1期/ケイ編
  K5 サクリスト「D」輸送作戦

 広木防衛大臣暗殺犯を挙げるための検問、という名目で封鎖された道路を、ケイはヘリから見下ろした。
 了子のピンクの私用車と、それを囲む黒い護送車が4台しか走っていない。

「出る、でしょうか。ノイズ」
「99%出るだろうな。――怖いか?」
「正直かなり。でもやります。大丈夫です」

 未来を騙してまで加わった任務なのだ。失敗など小日向ケイがするわけない。

 ――異常はその時起こった。

 大橋を走る途中、道路の左側がひび割れ、崩れ落ちたのだ。
 車列の左にあった護送車の1台が崩れた橋の部分から落ち、鉄骨に当たって爆発炎上した。

「予想したより速い……! 頼んだぞ、ケイ君」

 ケイは硬く肯き、詠った。


            「 ――Harmones A-lens toges tron―― 」


 A・レンズのシンフォギアを纏い終わるや、ケイはプリズムレーザーを構えた。バイザーを装着し、望遠モードで車列を確認する。

 シンフォギアから流れる前奏をヘッドホンで聴き、最初のフレーズを口にした。


『 未来の「俺」からは 現在の俺なんてきっと 』


 照準を車列に取り付くノイズに合わせ、レバーを引いた。レンズを通って変換されたビームが発射される。


『 その場のノリと閃きで動く ケース・バイ・ケース野郎 』


 しかしビームはどのノイズにも当たらなかった。了子が指導中に言った大気による減衰か外力による偏向か。とにもかくにも、当たらなかったという現実にケイは焦った。

「クソッ!」
「落ち着け! 呼吸を乱すと、それだけ命中率が下がるぞ」
「でも…っ」
「了子君がお墨を付けたんだ。信じろ。それだけの腕が今の君にはある」

 今日までの了子のトレーニングを思い返す。言うことは野放図だった了子だが、覚えるべき知識と身につけるべき技術は、しっかり教えてくれた。

 ケイは腹を据え直し、レーザー砲を構え直した。


『 時間は巻き戻せないから 失くしたら取り返せないから 』


 ビームがノイズの1体に命中し、ノイズは炭化した。

「やった!」
「その調子だ、撃ちまくれっ」

 ケイは慌ててプリズムレーザーのレバーに手をかけ直した。


『 でも「俺」なら分かるだろう? 俺にとってかけがえないもの 』


 一度中てると気持ちいいくらい他のターゲットにも命中していく。


『 泣きたくない 後悔したくない 』


 レバーを引く。命中。命中。命中。的中とトランスに合わせてテンションが上がるのに対し、頭は冴え冴えとしていく。


『 現在の全力で knock out 俺が還る場所 奪わせやしない―― 』


 ラスト一体のノイズを撃ち抜いた。

 ヘッドホンから流れるBGMがフェードアウトしていく。
 ケイは息を荒げて尻餅を突いた。

 本当にこのシンフォギアは反動が大きい。きっと響たちのような少女が扱うには重すぎるから、A・レンズは適合者にケイを選んだのかもしれないとさえ思う。


 弦十郎がヘリの操縦士に、ヘリを工場地帯の近くに下ろすように檄を飛ばしている中、ヘッドホンから流れたその音を聴いた。

(何だこの音。鐘?)

 2度目の鐘の音に次いで、ケモノの唸り声に似た音が入り込んだかと思うと、煙を裂いて黄金の光柱が現れた。
 光柱は工場地帯でも高い塔を上から下へ真っ二つにした。

 大爆発。

 煙が晴れた時には、工場地帯の3分の1は瓦礫の山と化していた。

 唖然とするしかなかった。

「まさかこれが、デュランダルの力――?」

 響は。了子は。何がどうなったのか。彼女たちは無事なのか。

 ヘリがようやく下降を始めた。
 ケイはいっそ飛び降りてしまいたいほどのじれったさに耐え、ヘリの着陸を待った。 
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