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オズのカエルマン

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第二幕その六

「だからあの人はお風呂好きなの」
「人間もお風呂に入っていないと臭くなりますからね」
「汚くなりますから」
「だからですね」
「あの人も毎日お風呂に入ってるんですね」
「そうなの、だから私達もね」
 にこりとして笑って言うドロシーでした。
「お風呂に入って」
「そして奇麗にして」
「晩御飯をですね」
「そうしましょう、髪の毛も洗って」
 ドロシーはこのことも忘れていませんでした、見ればドロシーの髪の毛はいつも通り奇麗な長い髪の毛です。
 その髪の毛を自分の手に取ってまた言うのでした。
「さもないとね」
「はい、髪の毛は」
「奇麗にしないと」
「汚くなりますしね」
「一番念入りに洗わないと」
「そう、しっかりと洗って」
 そうしてというのです。
「拭いてね」
「乾かして」
「整えましょう」
 こうしたこともお話するのでした、そしてお風呂から出るとです。 
 カエルマンは男の子達とトランプをしていました、しているのはポーカーですが。
 神宝はくすりと笑ってです、そのカエルマンに言うのでした。
「カエルマンさん、駄目ですよ」
「むう、私の目がだね」
「はい、動き過ぎますから」 
 きょろきょろといつも動いているその大きな目を見ての指摘です。
「わかりますよ」
「僕の動きがだね」
「やっぱりポーカーは表情です」
 それが第一だというのです。
「相手にどれだけ読ませないかですから」
「僕はどうしてもね」
「目に出ています」
 その考えがというのです。
「どんな状況は」
「それはよくないね」
「はい、ポーカーをするうえでは」
「困ったことだね」
「それだけ素直ってことでもありますけれど」
 神宝はくすりと笑ってこうも言いました。
「僕も結構表情出ますけれど」
「うん、実際神宝もね」
「思ったこと顔に出る方だよ」 
 ジョージとカルロスはそれぞれ五枚のカードを手に神宝に言います。
「すぐにわかるよ、何を考えてるか」
「どうしたいかね」
「だからポーカーの時も」
「結構いい状況かどうかわかるよ」
「まあそれは僕達もだと思うけれど」
「実際のところね」
 自分達のこともここで言うのでした。
「結構ナターシャが表情出ないけれどね」
「いつもクールだしね」
「うん、ナターシャはそうだよね」
 神宝も二人に答えます。
「いつも表情がね」
「出ないよね」
「あれこそ本当のポーカーフェイスだよ」
「表情が出る時もあるけれど」
「勝負の時は特に出ないんだよね」
 こうしたことをお話していました、そして。
 カエルマンが最初にでした、お風呂から出て来てそれぞれ王宮にある奇麗なドレスを着ている女の子に気付きました。
 そしてです、カードを持っていない左手で手を振って言いました。
「やあ、お風呂はどうだったかな」
「ええ、ゆっくりとね」
 ドロシーはにこりと笑ってカエルマンに答えました。 
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