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WATCH DOGS 〜in RIDER WORLD〜

作者:カツゲン
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PHASE 10 潜入、ユグドラシル

「もしもし、聞こえるか」

電話で真野を呼び出す

「ああ、聞こえてるよ
今正面玄関のところにいる」
「OK、こっちも今マンホールから地下へ入った
これからリク…あー、お前以外の協力者から送られてきた
地図を元にタワーへ向かう
準備はいいな?」
「うん」
「よし、作戦開始だ」

翔が地下から侵入している間に
真野が責任者である男、呉島貴虎を呼び出し、
動きを止める、
そんな単純な作戦だ

真野は雑誌の取材などを仕事としているため、
今回もその一環として行くことにしていた
これは、もし翔の侵入が失敗した時に
少しでもアーマードライダーの情報を集められるように
することも兼ねている

だが、問題は
この作戦がついさっき決まったため
取材のアポを取っていないというところだ

もし取材できなかったら
そいつの注意を引けず
翔が失敗した時の保険も無くなってしまう

かなり二人の運任せの作戦になってしまった




「すいません」

受付に行き、そこの女性に声をかける

「こんにちは、本日はどういったご用件でしょうか」
「呉島貴虎という方に取材を行いたくて参りました」
「事前にそのことについてお話はしていますか?」
「あ…すいません、していません…」
「…わかりました、お名前と会社の名前を」
「真野亮介、朝日ジャーナルです」

女性が電話に手をかけ、番号を入力する

「もしもし、こちら正面玄関の受付です
朝日ジャーナルの真野亮介という方が
主任に取材をしたいと…」



「はい…はい、わかりました」

女性が電話を切る

「丁度、時間が空いていたそうです
今、担当の者が来て
ご案内いたします」
「ありがとうございます!」


やった
少々手こずると思っていたが
すんなりと行けてしまった
思わず笑みがこぼれそうになるが
なんとか抑える

「真野さんですね、ご案内いたします」

セキュリティオフィサーのような男がやってきて
エレベーターの方へと向かう

(さ…そっちも上手くやってくれよ…俺のためにだがな…)

彼は不敵な笑みを浮かべながら
エレベーターへ乗り込んだ






(そろそろいいか)

翔は下水道から続く地下道に入り、
そこからユグドラシルの建物内へ入った
扉はハッキングで
あっさりと開いた

スマホに表示された地図を元に進んでいく
だが、前から来るものを見て、
とっさに物陰へと隠れた

「ちっ…あれが警備システムの一つか」

彼が見つめる先には巨大なスイカみたいなロボが三体徘徊していた
事前に入っていた情報によると
あれはアーマードライダー達の装備の一つを
自動操縦で動かしているらしい

「あまり相手にしたくはないな…
となると…方法は…」

彼はスマホに彼らを写した
するとそのうちの一体から
弱い電波が漏れているのがわかった

「ラッキー、狙い通りだ」

画面を操作し、その一体にハッキングをする
すると他の二体に向けて攻撃を始めた
急な出来事に対応できず、一体が
倒れ、停止したもう一体も抵抗をするが
互いに向けた武器で相討ちとなる

「よし」

ロボ達の残骸を超え、
彼は次の部屋へと向かう
だが、わずかにエネルギーを残していた個体が、
こちらに向けてエネルギー弾を撃ってきた

「ッ!」

慢心からか、エネルギー弾に直撃してしまう

「この野郎…痛えじゃねーか…」

撃ってきたやつを見るが、
今ので限界だったらしく
今度こそ動かなくなっている

彼はそれを確認すると
改めて次の部屋へと向かった
 
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