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ダンジョンに英雄を求めるのは間違っているだろうか

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冒険

 
前書き
更新再開します。 

 
迷宮都市オラリオ。ダンジョンと呼ばれる地下迷宮の上に築き上げられたこの街は様々な人がいる。
しかし、今、俺が仮にパーティを組んでいるベル・クラネルという少年ほど変わった人はいないだろう。

白髪に赤目、そしてその雰囲気から兎を、連想させる彼はダンジョンに出会いを求めているらしい。

最初にそれを聞いた時には、え?君、大丈夫?みたいな感じになったのだが、どうやら理由があるみたいで……。

どうやら育ての親が原因らしい。曰くハーレムだの、男のロマンだの、いろいろな事を吹き込まれたらしい。
まあ、俺もそんなのもありかなと思ってた時期があったが、今は全く目的が違う。
今は強くなることしか頭にない。
戦闘狂ではないからな?

ちなみにこういった情報は全て本人の口から聞いた。というか聞いたら答えてくれた。とても素直な少年だ。
俺の友人にそっくりだ。


さて、余談もここまでにして、絶賛、俺、ロイ・キャンベルとベル・クラネルは……。

「ヴヴオオオオォォォォォォッ‼」
「ギャアアアああ!!!!!!!」
「な、なんでこんなところに牛さんが!?」

ミノタウロスに追いかけ回されています。

念願の冒険者に慣れたのが嬉しくてついつい五階層まで来てしまいました。
まあ、なんでこうなったか、説明します。




~~~~~~


「さて、ロイ。お前も今日から冒険者だな……」
「はい。オッタル兄さん」


迷宮都市『オラリオ』に存在するバベル。
その最上階で一人の青年とオラリオ最強の戦士が話をしていた。

「武器はどうする?必要な物があればアレンやへグニに調達させるが……?」
「アレンさんやへグニ兄さんに悪いですよ。その、武器は自分で調達したいんです。と言ってもさっき、オッタル兄さんから大剣を貸してもらったんですけどね…」


アレン・フローメル、職業は冒険者、性別:男、人種:猫人(キャットピープル)
ステイタスはLv.6。実力派冒険者。
二つ名は『女神の戦車(ヴァナ・フレイア)』。

俺にとっては雲の上の存在だ。
いつも俺に優しく接してくれて武術などを教えてくれている。

へグニ兄さんも、Lv.6の実力派冒険者だ。
黒い大剣でよく、訓練しているところを見かける。
へグニ兄さんには剣術を稽古してもらっている。

他にもヘディンさんや、ガリバー兄弟などという、実力派冒険者が沢山いる。


「じゃあ、俺、フレイヤ姉さんに挨拶して行ってきますね」
「ああ、気を付けて行ってこい。本当に大剣以外なにもいらないのか?」
「アハハ。オッタル兄さんは心配性だなぁ~。大丈夫です!じゃあ行ってきます」


そういい、俺とオッタル兄さんは別れる。
さて、フレイヤ姉さんの所に行かなきゃ……。

バベルの最上階で一番、見晴らしがいい部屋の前で止まる。

コンコン。


「誰かしら?」
「ロイです」
「入りなさい!」

ロイですと告げた瞬間に大声で入りなさいと言われたものだから驚いてしまった。

「あ、あの。フレイヤ姉さん?」
「ほ、本当にダンジョンに行くの?なんならオッタルや、アレン達と行けばいいのに……」

フレイヤ姉さんはすごく心配そうに俺の顔を覗く。
顔が近くて、俺の顔が赤くなる。

「い、いや!一人で行かないと意味がないんです!はい!」
「そんなもんなのかしら?でも怪我なんかしちゃだめよ?それと知らない神様に声を掛けられたら殴っとくのよ?いいわね?」


お母さんみたいに言ってくるフレイヤ姉さん。
それに、声掛けられたら殴るって……。

「さて、それじゃあステイタスを更新しましょうか」
「あ、はい」


上着を脱ぎ、部屋にあったソファに寝そべる。フレイヤ姉さんが懐から針を取りだし、自らの指を刺す。すかさず俺の背中に指を滑らせ、刻印を施していく。

冒険者は少なくともどこかの【ファミリア】に所属し、そこの主神に【ステイタス】-『神の恩恵』を授かる。

俺も拾われたときに授かった。

……どうでもいいけど初めて【ステイタス】を刻まれた時、フレイヤ姉さんの手がすごく、温かかった。


「終わったわ。まあ、ダンジョンに潜ってないんだから上がってはないけれど本当にロイのスキルはすごいわね」


上着を羽織、フレイヤ姉さんが用意した俺の【ステイタス】が写された用紙を見る。ちなみに共通語ではなく神々が使う【神聖文字(ヒエログリフ)】で書かれている。俺も自分のステイタスぐらいは読めるようになってきた。


まあそんな事より、【神聖文字】を解読した俺の【ステイタス】は……



ロイ・キャンベル

Lv.1
力:H103 耐久:I12 器用:I16 敏捷:H130魔力:G225

≪スキル≫

血液覚醒(アルファイド)

・攻撃する度、攻撃を受ける度に能力が上がっていく
・能力は身体能力や魔力など
・また戦闘後も覚醒時と同じステイタスでいられる。

【無ノ黒鎌】

・自在に操ることの出来る無数の黒い鎌を操れる
・剣や斧、槍など形態はなんにでも変更することができる
・一度に出せるのは10まで

≪魔法≫

【混沌なる皇帝の威厳】

・自分の精神が保てる状態なときのみ発動される魔法
・半径6mに結界を張り、相手からの攻撃や魔法を半減していく。
・???


このステイタスを見て思う事……。
最低だとしかいいようがない。

まず、スキルは友人から殺して奪ったものだし、魔法だって自力で発現したわけではない。
いろんな人に手伝ってもらって発現したものだ。
納得がいかない。


「ふふッ。ロイ、また自分を責めているでしょう?いいのよ。ゆっくりで…。私と一緒に地道に来ましょう?」
「はい……。それじゃあ行ってきます」
「ええ、行ってらっしゃい」


フレイヤ姉さんは笑顔で俺を送ってくれる。
さて、初めてのダンジョンだ。頑張ろう。

俺は錆びた大剣を背負ってダンジョンに向かう。



そして冒頭に戻る。


「な、なぁ!ベル!ミノタウロスって中層のモンスターじゃなかったけ!?」
「いいから走って!!」


はい。

そしてそんな事をしてたら重要なことに気がついた。

道がないです。
行き止まりです。


「くっ!」

身をひるがえしミノタウロスと相対する。改めて敵を確認する。膨大な【ステイタス】の差により俺達の攻撃では傷1つ付かない。
俺はスキルと魔法を使えばなんとか逃げ切れるかもしれないが、ベルは……。

そんなことを考えていると……。

その瞬間、ミノタウロスの胴体に一線が走った。

「「え?」」
『ヴぉ?』

俺とベル、ミノタウロスが間抜けた声。
そして閃光のように斬られていくミノタウロスの体。

次いでミノタウロスの大量の血しぶきが襲いかかってくる。

「うわっ!」

俺とベルはその瞬間、返り血を沢山浴びてしまった。


「……大丈夫ですか?」

そこにいたのは冒険者に成り立ての俺でも知ってる人物だった。

真っ直ぐな金髪、しなやかな肢体、綺麗な金眼。【ロキ・ファミリア】所属、二つ名【剣姫】、その名は……

アイズ・ヴァレンシュタイン……。

「あの……大丈夫、ですか?」

意識をアイズさんに向ける。

「あ、ありが「うわあああああ!!!」え?」

俺の隣で、アイズさんの剣捌きの閃光よりも速いスピードでベルが消えた。
え?ベル君?
あいつ、アイズさんの剣のスピードより速かったぞ。


「あ、えっと、その助けてくれてありがとうございます!」
「……うん。君の名前は?」
「ロイ・キャンベルって言います!本当に助けてくれてありがとうございました!」


俺は体を90度にまげて、お辞儀をし、その後全力でベルの通った道を追う。
こんなところで剣姫に出会うなんて……。

俺は嬉しい気持ちもあれば悔しい気持ちもあったままベルを追うのであった。




 
 

 
後書き
アイズさんはマジでかわいいですね。本当に神ですよね。
あ、自分はダンまちは八巻まで全部読破しました。
外伝はまだ読んでません。すいません。 
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