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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜

作者:
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シャルの裏切り

 
前書き
こんにちわ〜。今日も暑いですね〜 

 
「なんの冗談ですか?シャル?」

私は目の前に立ちふさがる人影に言う。オレンジの専用機を起動させており、銃を私達に向けている。私の後ろには不意打ちを食らった一夏が横腹を手で押さえている。私はその一夏を構うように前に立つ。

「……なんで?僕の名前を知ってるの……?」

そう言って、私を見つめたシャルの瞳にゾッとする。そこには私が知っているシャルは居なかったーー私を見つめて、小首を傾げるのはシャルに似た誰か。だって、シャルがあんなに虚ろな瞳をするわけがない。
(それに……)

「そんな怖い顔で睨まないでよ。お姉ちゃん?」

「………」

シャルの後ろに立っている金髪の少女には見覚えがあった。シャルが誘拐させる数日前、シャルを監視するように物陰から見ていた少女。彼女がこの事件の犯人であるのは間違いないらしい。

「シャルに何をしたんですか?」

「何もしてないよ。自分からわたしの味方になってくれたの」

その白々しい態度に知らずに顔にシワが寄って行く。そのムカつく少女に切りかかろうと思えばーー

「っ!!」

「……優里は僕が守る……」

「ふん。これじゃ埒が明かないですね」

私は後ろをチラッと見つめる。一夏はよろっと立ち上がる。その一夏に目で会話する、一夏は一瞬渋い顔をしたが頷いてくれた。一夏は雪片弐型を構えると準備完了とアイコンタクト送る。

「お願いします。一夏」

「おう、任せろ」

一夏がシャルに飛びかかると同時に私は少女へと飛びかかるが。

キィーン。

「貴女も……持っていたんですね」

「それは持ってないと、お姉ちゃんに殺されますもの」

そう言って、ふわっと笑う少女に背筋が凍る。一旦、離れた方がいいかもしれないと思って後ろに下がる私の頬を掠める弾丸。掠った頬からは生暖かい液体が流れる。

「……優里から離れて。じゃあ、無いと僕は貴女を倒さないといけない」

「さっきから気になっていたんですけど、貴方が言う優里は私の事ですよ。そこの人は優里って名前じゃないと思いますよ」

「……」

一夏と戦っていたシャルは突然、私の元へ瞬時加速で来ると私を殴ると飛んでいく私の近くでダンダンと銃を私のISに打ち込む。ISスーツじゃないところも打ち込まれ、紅い血が流れる。その痛みに顔をしかめながら、シャルを見つめる。

「貴女が優里なわけがない……。僕が優里を……間違えるわけない……」

そう虚ろな瞳でつぶやくシャルに私はこれ以上言うのは無理と判断する。
(……厄介ですね……。本当……)

「優里っ!大丈夫か!?」

一夏が私のフォローに入ろうと瞬時加速で向かってくる。その白いISを横から蹴る山吹色のIS。一夏はゴロゴロと地面を転がり、お腹を押さえて顔をしかめる。

「一夏っ!」

「貴女の相手は僕だよ」

「っ!」

一夏の元へ向かおうとすると銃で足元を撃たれる。憎らしげにシャルを見るが、相手は涼しい顔である。

「シャル、その人は倒してはいけませんよ。その人には自分の罪を知ってから死んで頂かないと」

山吹色のISの少女がそうシャルに呼びかけるとシャルは頷く。

「うん。優里の言うとおりにするよ」

「………好き勝手、言ってくれますね」

(箒が来るまでなんとか持ちこたえないと)
二人の話を聞きながら、一夏をチラッと見つめる。一夏はお腹を押さえながら、立ち上がる。それを格闘でボコボコにして行く山吹色のIS。これ以上したら、一夏のISが……。

「【疾風迅雷】!!」

「っ!!」

緑のオーラを纏った私は山吹色のISを鬼切で切りつけて、一夏から離すと一夏を連れて後ろに飛びのける。一夏のISは所々、ボロボロでエネルギーもほとんど無い感じだった。
(本当は嫌ですが……。箒が居ない今はこれしか……)
こんな状態で置いておくのは不安だった私は一夏の頬を両手で挟む。私の突然の行動にびっくりした一夏は目を丸くする。

「一夏、私が言う言葉を続けて言って下さい」

「……あぁ、でも。優里」

「静かにしてくださいっ。時間が無いんです」

「お、おう」

「いきますよ?……【山紫水明】」

「【山紫水明】……?」

そのおっかなびっくりな言い方に笑ってしまいながら、私は一夏にキスをする。目を閉じる私は一夏が驚きで目を丸くするのを感じるが気にしない。一夏と私を柔らかい薄紫の光が包む。途端、身体が怠くなる感じがするがもう少し一夏にエネルギーを渡したいので構わない。ゆっくり唇を外すと私は一夏から離れる。呆然としている一夏を見ると

「箒が来るまでここにいてください。あの二人は私が食い止めますから」

「……あぁ」

その魂が抜けたような返事に不安になりながら、少しはエネルギー分けたから大丈夫か〜と思うがやはり不安だし。それに私も一夏にエネルギーを渡したことで余裕がなくなったのでもう一回釘を刺す。もし、一夏が来ても私は一夏を守れないから。

「ここを離れたらいけませんよ。分かりましたか?一夏」

「あぁ……わかった……。大人しくしてる……」

「本当にですか?不安なんですが……」

一夏の言葉を信用して、後ろを振り返り二人の元へと帰る。だから、分からなかったーー。一夏が呟いたその囁きにーー浮かべるその怪しい笑顔にーー。

「………優里と……俺……」



ズキン、ズキンと何故か胸が痛む。
僕は胸に右手を当てる、まだ胸が痛い。原因は分かっている、あの銀色のISの操縦者が白いISの操縦者にキスをしていたからだ。でも、何故それに僕はこんなにも心が痛いのかーーまるで見たくなかったものを見た時のようでーー。

「お待たせしました。わざわざ待ってくれるなんて、いい人たちですね」

その皮肉が混ざった軽口をどっかで聞いたことがある。でも、それは今僕の後ろにいる人物がいつもしてることで僕が好きなのはーー彼女なわけで。なのに何故ーー

「恋人さんとの最後の逢瀬ですもの。水をさすわけにはいかないでしょう」

最初の言葉に顔を真っ赤にする銀色のISの操縦者。そして、変な顔しながら僕たちを睨む。

「一夏とはそんなのではありません。それに私には他に好きな人が居るんで……」

「……」

(何をホッとしてるの、僕。彼女は敵ではないか、僕と優里の仲を裂く。……でも)
そっと正面に立つ少女を見る、肩まで伸びた髪をお下げにしていて僕を睨みつけているその瞳は吸い込ませそうな蒼。
ズキン、ズキンッ

「ッ。何なの……なんで君は僕を……」

「シャル」

後ろから僕の好きなその声が響く。その声で名前を呼んで欲しくて、僕はこれまで頑張ったんじゃないかっ。認めて欲しくて、褒めて欲しくて。僕と優里はいつもそういうーー。
でも、ふと考えてしまう。
(……そうだったけ。僕と優里はそんな関係だったけ……)

「シャルっ。相手に惑わされたらいけません」

「……」

優里が抱きしめてくれる。その暖かさにホッとして、僕は正面を向く。少女を見つめると複雑な表情をしていたが彼女が僕の心を乱すんだ。彼女を倒してしまえばーー。

「優里。……待ってて、僕が君の敵を倒して見せる」

「はい。待ってます」

その優しい笑顔を見て、僕の心に闘気が宿った。
 
 

 
後書き
ヤンデレシャルさんの登場でした〜。早優のISは強力ですからね、あはは。 
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