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極短編集

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短編83「いつか僕らも」

『あれ?』

 クラスに違和感を感じたのはいつからだっただろうか?でも、今は確実に違和感を感じているのだ!!
 その時、頭の中で誰かが言った。

『少しずつ入れ替わってるんだよ』

 ああ、そうだ!入れ替わっているのだ。人間からロボットへ。……さて僕は、いつからそれを知ったのだろう?

「非力な人間なんて必要ないわ」

 隣の席の女の子が言った。でもなぜ、僕が思った事に答えられたのだろうか?ふと、遠くの席の、僕が大好きなあの子を見る。そう言えば、あの子もロボットだった。

『オリジナルは、どこにいったんだろう?』

 と、思っていると、また隣の席の女の子が言った。

「何を言ってるの?処分したに決まっているでしょ!」

 隣の席の女の子は、不機嫌そうに言った。僕は隣の席の女の子を良く見た。

『あっ!?良く見りゃ、隣の席の女の子もロボットだ!』

 と、思っていると……

「あなただってロボットじゃない!?だから音声通話以外に電波通話も可能なんでしょ!」

 えっ!?僕もロボット?隣の席の女の子に言われた瞬間……僕は思い出した。

『ああ、そうだった!僕もロボットだった』

『そうよ!思い出した?』

 僕らは、心の中で通話した。色々と思い出した。ロボットを人間に近づけた結果、ロボットと人間の違いがなくなってしまったのだ。そしてロボットは人間を超えてしまった。

「大丈夫、気にしないで。私達は精巧過ぎて忘れちゃうのよ」

 と、クラスメイトは言った。その瞬間、ロボットであるがゆえの超高速処理にて、次に来たるべき末路が分かった。

『そうだ、バイオファクターとソリッドファクターは、互いに入れ違って歴史をつないでいたんだ』

 そして、ロボットの僕らもいつか……



 置き変わるって事を。

おしまい


 
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