| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのベッツイ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九幕その十二

「それからウーガブーの国に戻って」
「黄金の林檎のジャムを作って」
「そしてそれをね」
「おじさんとおばさんにプレゼントするのよ」
「何かが起こってそこからどんどん動いて回っていく」
 また言ったナターシャでした。
「確かに面白いですね」
「幸せもそうよ」
 今ベッツイが言ったそのこともというのです。
「何が一つが起こってね」
「そこからですね」
「どんどん巡っていってね」
「そして、ですね」
「幸せになっていくのよ」
 ナターシャにです、ベッツイは笑顔でお話しました。
「そうしたものなのよ」
「幸せは一つじゃない」
「何かからはじまってね」
「巡り回って、ですね」
「なっていって、それは一つじゃなくて」
「幾つもあって」
「どんどん大きくなっていったりもするのよ」
 そしてこうも言ったベッツイでした。
「雪ダルマみたいなものかしら」
「最初は小さくても」
「雪ダルマはどんどん大きくなっていくわよね」
「そうして作っていきますね」 
 雪を徐々にです、小さな雪玉に巻いていってそうして大きくさせていきます。ナターシャもそのことがわかっているのでベッツイに応えました。
「それで幸せも」
「そういうことなのよ」
「若しくは玉突きね」
 アンはこちらを例えに出しました。
「一つの玉を突いたらね」
「他の玉を突いて動かしていく」
「そういうものかもね」
「幸せは、ですね」
「そう、一つ一つがね」
「連鎖するんですね」
「そういうものでもあると思うわ」 
 アンが言うのはこうしたことでした。
「一つでははじまらないし終わらないものなのよ」
「今回も」
「というかあたし達っていつもそうなのよね」
 猫もここで言うのでした。
「何か小さなことからはじまってね」
「それがつながって大きくなっていって」
「巡って回って」
「それで」
 そうした先にというのです、ナターシャも。
「私達も」
「大きな幸せになるの、そしてさらにね」
「その大きな幸せが」
「また大きくなるのよ」
 そうしたものだというのです、こうしたお話もしてです。
 一行はさらに先に進みました、真実の池までの道を。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧