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我輩は逃亡者である

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第二章 世界からの逃亡者三人。
  12.IS合体!

「それじゃあ、いってきます!かーくんくーちゃん、お留守番よろしくね!」
「待って、説明!何処行くかとか説明を!人のこと言えないくらい束先輩も脈絡無く突飛な行動とるよね!?」
「あれ?言ってなかった?」
「はい、私も聞いた覚えがありません」

ホテルに来てから数日…そのままホテルで過ごしてました。次何処にラボ置こうかーとか初心に戻って日本にしようかなとか話してたらいつの間にやら結構日数が経ってたね。

いいじゃない快適だもの かける。

「で何処にいくんですか?」
「いやー昨日ファンタとタコスから会えないかって言われたのさ、それでちょっと出てくるよ」
「ああ、ファンタコスですか」
「ファンタコス…程よい略しかたですね」
「そうそうファンタコス!で晩御飯は向こうで出すみたいだからくーちゃんたちは適当に食べといてね!はいその場所の地図!この店だってさ!」
「あ、これテレビで紹介してた店ですね。美味しいらしいですよ?多分」
「はい、晩御飯はかーくんさんと済ませておきます束様」
「それじゃあ改めていってきます!」
「いってらしゃい、お土産期待してます」
「いってらっしゃいませ、束様」
「おー!期待しといてね!束さんが6人になってるかも!」
「ヤメテ!?」

そう不吉なことを言い残して束先輩は出ていった…いや、いい始めたのおれだけどね。考え直すと束先輩×6とか恐ろしすぎて冷や汗が止まらない。
それにしてもくーちゃんと二人留守番かぁ…

「こうしてくーちゃんと二人きりになるのって初だね」
「そう言われればそうですね…束様が磯の香りとともに連れて帰ってきてからある程度経ちましたがこうして二人きりになるのは初ですね。何をして待ちましょうか?」
「そうだなー、束先輩がISが認められなくてミサイル撃っちゃったとか言ってたけど結局どこに撃ったんだろ?」
「え?知らないんですか?白騎士事件って言われてるんですけど日本に向けて2000発ほどのミサイルが撃たれたんです」
「束先輩によってね」
「そうです。それを切り捨て去ったのが白騎士、一番最初のISですね、束様に聞いたところによると乗っていたのは織斑千冬だと」
「なんだって…!?」

あの二人本当に規格外だよね。そうです束様は素晴らしいです。とかグデーと話してるとふと気になったことが。あの引きこもり天災科学者なイメージのある束先輩だがどうやってくーちゃんは知り合ったのだろう?


「くーちゃんって束先輩とはどこで知り合ったの?」
「そうですね…それを言うにはまず言っておくことが。私は人の子ではありません、ある実験から生まれたんです」
「ん…?ん!?」
「そのとある研究施設である実験の試験管ベイビーの失敗作として生まれたんですが捨てられてるところを束様に拾ってもらいましたね、実験の名残で目の色が黒と金なんです」

そう言いながら目を開いて見せてくれた。自分で言う黒目が金、白目が黒だった。金色のとこがきれいでしたマル

「あれ?ジャブのつもりで放った会話が一撃KOで返ってきた、どうしようおれの語彙じゃ返せない」
「そして死にかけていたので束様の治療でISコアと合体しました」
「さらに追撃…ん?ISと合体!?何ソレなんてロマン!?」
「あなたと合体したいです!」
「ISアイエス合体!GO!インフィニットストラトス!」
「IS合体失敗!ISコア分離します!」
「失敗したの!?」
「してませんよ」
「だよね…くーちゃんアニメの台詞とか知ってるの?」
「はい、束様が出掛けたりしているときにはネットやアニメを見てましたので。さすがに全部見てる時間はなかなかないので主に台詞だけ覚えてるものが多いですが」

シリアスで重要そうな話題っぽかったけどそんなことなかったみたいだ!
それにくーちゃんがネットか…3チャンネルとか見て名言とか拾ってそうなイメージが浮かぶ。

「それにしてもかーくんさんのリアクションが思ったより薄いですね、もっと驚くなり引くなりするかと思いましたが」
「そりゃあ驚きはしたけどくーちゃんはさらっと言うしムキになって自国に撃たれた2000発ほどミサイル切り落とさせた人側にいるとそのくらいどうってことないと思うんだよね」
「そしてそのミサイル全部切り落とすものをつくった人がいますしね…なんか私が霞みますね」

駄目だよくーちゃんその二人には何があっても勝てないよ、寧ろくーちゃんが癇癪で撃たれたミサイル切り落とすようなことがあると束先輩が一番へこみそうだ。

「くーちゃんのその目は何か特殊能力とかないの?ものの死の線が見えるとか命令を順守させるとか」
あれば勝てずとも少しは対抗できるかも
「残念ながら…未来視くらいしか」
「え!?未来視できるの?いつも目を閉じてたのは目を開いてると常に未来が見えるからとかそういうこと!?」
「冗談ですよ、多少演算能力が向上しますが…束様が側におられるので実感がわきませんしやはり霞みますね」

冗談か、だよね!演算能力の向上か、確かに束先輩が側にいると実感が…

「束先輩が側にいたら何でも霞まない?」
「そういえばそうですね…束様しか自分と比べる人がいなかったのですが束様と比べること自体無謀でしたね」
「頭も身体もオーバースペックの天災だしね」
このホテルに来るまでにそれを実感した、体力には自信あったつもりだけど小脇に抱えて悠々と走られたし。

「でも案外子供っぽいとこもあるんだよね」
「そうでしょうか…?」
「自分の発明が認められなくて癇癪起こすとことか」
「その結果ミサイルの雨を切り落としたんですけどね」
「あとは家事が壊滅的なとことか」
「…それは確かにそうですね、私が束様よりできることといえばそれですし。因みに織斑千冬も家事が壊滅的みたいです、弟にやってもらってるとか」

世界レベルの天才たちは家事ができない呪いでもかかってるのだろうか?

「まあ誰にでも苦手なことはあるんだね、そろそろ晩御飯食べいこうか?」
「そうですね…束様が行かれているところへ行ってみましょうか?」
「おーそうしようか、ちょうど束先輩も地図置いていってるし」
「束様のことです、来てほしかったのかもしれませんよ?」
「そうかもね。店の場所に赤マルして矢印で指して『ココ!』って書いてあるし」
「では、少しはやいですけど行きましょうか」

今日はくーちゃんと色々話せたので少し仲良くなれたと思う。

--晩御飯には少し早いが店までの移動時間も考えてもう出ることにしたのであった。






▽▽▽▽


所変わってファンタとタコスならぬ亡国機業(ファントムタスク)のオータムさん


「くそっ、何でわたしがわざわざ子供二人を人質にするために来なけりゃならねーんだ」
そりゃスコールの言う通り人質の有効性もわかるがそれならそれで他のやつ…Mにでも任せればいいのに。

--そんなことを思いながら篠ノ之束の連れがいる部屋の前まできたオータムは…憂さ晴らしもかねてIS《アラクネ》でドアを吹き飛ばして中へと入っていった。

「オラッ!ガキども大人しく……あれ?」

--既にもぬけの殻となった部屋へと。

「…やべぇ!スコールに怒られる!何処だ!どこにいる!?」


ただでさえ憂さ晴らしでホテルのドアを吹き飛ばしてしまったのだ。

――スコールには抵抗されたとか言い訳しようとしてたのに子供が二人ともいないのでオータムの焦燥感はマッハでトップ高となったのであった。
 
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