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ソードアート・オンライン~雷皇の狩人と双棍の闘士~

作者:村雲恭夜
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A:侵食する闇

第一層最上階ーーーー

ライトの願いで、サナとトールバーナで合流した俺達は、すぐに第一層攻略を開始し、一時間後、最上階に辿り着いた。
「……さっすがにチート無いとキツいな」
首を回しながら、俺はライトに言う。
「ん?そうか?」
「と言うか、お前のその体はチートだろ」
ライトに首をかしげられ、リンが更に追撃。
「え……」
「僕も同じ考えだよ」
「珍しくアルマに同意だな」
更に神二人に追撃され、心にグサッと槍が刺さる。
「……ひでぇ」
その様子を見ていたサナとソラは、苦笑いをしながら見ていた。

そんなこんなで最上階のボス部屋に到達。後半部分は主にダークと、ライトとリンを放り込んで殲滅させた。
ボス部屋前の扉で、再度ボス攻略に付いて話す。
「まぁ、全員分かっているとは思うが、<イルファング・ザ・コボルドロード>及び<ルインコボルド・センチネル>は強敵だ。特に、ルインコボルド・センチネルは喉元を狙わなければマトモなダメージは望めない。また、イルファング・ザ・コボルドロードはラスイチで武器を曲刀に持ち変える。ダークが模倣した通りなら、まず避けられる筈だ」
そこまで言うと、ダークが言葉を引き継ぐ。
「唯、今回だけでなく、これ以降のボス攻略は恐らくゴア・マガラのせいで強化されている場合もある。十分に注意してくれ」
そこまで言うと、皆が頷く。
と、そこで一人頷かなかったライトが言う。
「ゴア・マガラ……と言うと、彼奴が乱入するってことか?」
「まずそれはない」
ダークが反射的に言う。
「何にせよ、やる前から不安を煽んなバカ」
と、俺はライトを殴る。
「いてぇ!」
「……心配すんな。もしもの時は俺が何とかしてやらぁ」
俺は言うと、足を扉に付ける。
「んじゃま、イッツショータイムだ!!」
ドゴォ!と扉を蹴飛ばし、一斉に入る俺達。
すぐに松明から灯りが灯り、光源がジェネレートされる。
そして次の瞬間ーーーー
「グルルラァアアアアアッ!!」
獣人の王、<イルファング・ザ・コボルドロード>とその取り巻き<ルインコボルド・センチネル>が出現した。
設定通り、ルインコボルド・センチネルの数は三。イルファング・ザ・コボルドロードのHPバーが一つ消える度にルインコボルド・センチネルは三体現れるが、それでも優位性はある。
その一つがーーーー
「んじゃあ……消えな」
背から出したシルバリオ・ファングをルインコボルド・センチネルの喉目掛け放つ。
途端、ルインコボルド・センチネルは消え去り、ポリゴンが巻き散る。
シルバリオ・ファング特殊能力『オブジェクト・イレイザー』。
ボスに対応はしていないが、雑魚なら一撃で消滅せしめる、嘗てユイが使用した能力だ。
『コネクト・プリィズ……』
ウィザーソードガンをコネクトで取り出しながら叫ぶ。
「ルインは俺に任せろ!ロードは頼む!!」
銀弾を放ってヘイトを此方に集めると、ライト、リン、アルマ、サナ、ソラが頷き、イルファング・ザ・コボルドロードに向かう。
代わりに、ルインコボルド・センチネルに付きまとわれた俺は五人と距離を取ろうと、バックダッシュをしながらシルバリオ・ファングで攻撃を防ぐ。
「っとぉ!?」
ルインコボルド・センチネルの一撃が少し重い。
「これもゴア・マガラって奴のせいか……!」
回し蹴りで一方を防ぎ、もう一方をウィザーソードガンの弾丸で弾くと、壁を背にする。
「あ、動きミスった」
そこに、二体のルインコボルド・センチネルがジャンプする。
「って、言うと思ったかい♪」
ルインコボルド・センチネルに背を向けて、壁を蹴りあげると登り、そのままルインコボルド・センチネルの背後へと着地する。
「ダブルホリゾンタルッ!」
片手剣剣技<ホリゾンタル>。それの二刀流<ダブルホリゾンタル>。
GMである前に、体を電撃とし、データを取れる俺は、前アインクラッドに残っていたキリトのデータを体に梱包している。つまりーーーー
「二刀流が初期から使えるんだよ」
ポリゴンと化したルインコボルド・センチネルに言うと、ダークが叫ぶ。
「おい!ルインコボルド・センチネル出たぞ!!」
HPバーを確認すると、既に一本消えて、二本目も半分を切る。
ルインコボルド・センチネルは左右の高い壁から、ルインコボルド・センチネルが四匹現れた。
「四匹!?……悪意あるプレゼントだな……!」
ウィザーソードガンをガンモードにすると、壁から飛び降りたルインコボルド・センチネル四匹を狙撃。
ルインコボルド・センチネルは態勢を崩して落下し、
「アルマの馬鹿野郎!」
「馬鹿とはなんだ!」
その下に居たダークとアルマのダブル気違い神によって斬り伏せられた。
「ダーク!馬鹿野郎とはどういう意味だい!?」
「そのまんまの意味だ真偽の神様」
アルマがダークに詰め寄り、何かを叫んでいる。
と、それを見たイルファング・ザ・コボルドロードは何を思ったか。
「グルルラァアアアアアッ!!!」
二人目掛け斧を振り下ろす。
「おい、二人ともーーーーー!」
俺が叫ぶと同時。
『豚は引っ込んでろ!!』
同時に避け、同時に脚に足払いを掛け、転ばせる。
「グォオオオオッ!」
ズズゥ……ンと音を立てて転んだイルファング・ザ・コボルドロードのHPバーは二本目を容易く削られ、二回目のルインコボルド・センチネル部隊が姿を現す。
「やらせるか!!」
再びウィザーソードガンで狙撃し、態勢を崩す。しかし、その下はーーーーー
「「何で俺らの上にぃいいいいい!?」」
間の悪い事に、ダークとアルマの上に落ちたルインコボルド・センチネルは転送され、ライトとリンの真上に落ちる。
「ふざけるなぁあああっ!!」
「後で覚えとけダークゥウウウウ!!」
あ、ダークは確定か、と突っ込みは入れず、俺は二人がルインコボルド・センチネルを狩ったのを見て、言う。
「……このパーティで来たの間違いだなぁ」
心底思ってしまった。
「んじゃ、そろそろ行きますか」
軽く地面を蹴り、立ち上がったイルファング・ザ・コボルドロードの顔面に。
「チェストォオオオオオ!!」
雷の回転蹴りを浴びさせ、ダーク&アルマ方面へと吹き飛ばす。
『いい加減に此方に飛ばすな!!』
未だ喧嘩中の二人はシンクロしてパンチではね返す。
「ちょ、俺まだ滞空ちゅーーーーー」
そのまま俺は巻き込まれ、イルファング・ザ・コボルドロード共々壁に激突。HPバーを約半分削った。
「いってぇ……ん?」
壁から出た俺の前に、イルファング・ザ・コボルドロード。
「グルルラァアアアアアッ!!!!」
「うるせぇよ!!」
雄叫びと共に放たれた斧を避け、ウィザーソードガンソードモードで足を斬る。
血に似たポリゴンを噴出し、俺はすぐに下がる。
「サナーーーーーは取り合えず良いとして、ライト!!」
「んだよ!!」
「蹴るから力貸せ」
途端、ライトが俺に蹴りを入れる。
「痛い!!」
不意打ちの為、体が付いていかずに生身で受ける。
「いい加減にしろよ!!お前はいつも………」
「そうじゃねぇのによぉ……」
どうやら強力は得られそうに無いので、指輪を付けてかざす。
『チョーイイネ!キックストライク!サイコー!!』
「さて、最終楽章『ソウルフィナーレエンド』!!」
分身し、そのまま空へ飛ぶと、一斉にキックストライクを放つ。
多方向からの蹴りで一気にHPが削られ、ライフはゼロとなった。
「タイムゼロ……それが貴様の絶望のゴールだ」
パンパンと煙を払うと、全員に言う。
「おーっし、攻略終了!」
「呆気ねぇなぁ……」
ライトが言うと、リンも言う。
「今回活躍してねぇな、俺。必要あったか?」
「無いね」
「二の次言わせなくしてやろうか!?」
リンが肩を付かんで揺さぶる。おおう、脳がシェイクされる。
と、そこでソラが叫ぶ。
「三人とも、後ろーーーーー!!」
「「「後ろ?」」」
ハモッた瞬間。
ズガァアアアアン!!
強大な衝撃音と共に、俺の体が両断された。
「うぉおおおお!電気で良かったぁああああああっ!!」
『そこかよ!!』
ライトとリンに突っ込まれる。それより……
「ライト、リン、そいつはイルファング・ザ・コボルドロードか?」
疑問を口にしてみる。
「あ、ああ……」
「でも、黒いぞ!?」
言うと、イルファング・ザ・コボルドロードが曲刀を俺の体から抜き、吠える。
「グルルラァアアアアアッ!!!!!!!」
「……狂竜化ウィルス」
ソラ、いやセレナが言う。
「アレが、ゴア・マガラ本来の力。アレに感染すると、一度死んでももう一度甦り、強化される未知なるウィルス。これを食らった人間もウィルスに感染するけど……下手をすると死ぬわ」
「……どうする、ライト?」
「出直してもデータが再構築されて、元通りだろ?なら、狩るしか無いだろ!!」
そのままライトが突っ込むが。
ガキィン!
「あ、固い」
「グルルラァアアアアアッ!!」
そのまま曲刀の餌食になるかと思えば、武器を手放して避ける。
「……硬化、あれもウィルスの特殊能力よ」
「うへぇ……」
「ダーク、アルマ……ってあいつら高みの見物に切り替えやがった!!」
リンが叫ぶと、此方に手を振る二人。あいつらめ………。
「こうなりゃ仕方ねぇ!ライト、リン、そんでサナ、こっちこい!」
俺が叫ぶと、三人は走って来る。
「何かいい案でもあんのか?」
「出来れば使いたくは無かったけどな……背を向けろ。少し、くすぐったいぞ?多分」
三人は俺に背を向けると、俺は、背中を指で縦になぞる。
「おい!」
ライトが言った途端、三人の回りに光の柱が走る。
「何だぁ!?」
「ゼロ、まさか……」
「どうなってるの?」
ライトは叫び、リンは何をするか分かり、サナは少し動揺する。
「セレナ、半分だ。時間稼げ」
「良いけど、ラストは頂戴?」
「ありゃライトの物だ」
言うと、セレナはすぐに駆けてイルファング・ザ・コボルドロードの顔面を蹴り倒す。女って恐ろしいよな。
「さてとまぁ……システムアカウント解放!」
コードを言うと、キーボードが出現し、画面が現れる。
「さってと、派手に行くぜ!!」
キーボードに手を添えると、眼鏡が出現。そのはは高速タイプを始める。
「うおっ!」
ライトが驚きの声を上げる。
当然だ。彼らの防具と装備をこの場で『元々の居場所の防具とスキルと共に、武器を転送している』からだ。
因みに全裸ではなく、ちゃんと光の膜が覆ってるから大丈夫。
「ライト、いつの間にこんなスキルを」
「ゼロ、な?俺の体なら、何処にでも電波などを通して他世界に侵入出来る。今回のはお前らんとこのダークからデータ受け取ってやってるから、下層では無類の最強だぜ?」
フフンと言うと、ライトは言う。
「何でやらなかったんだ?」
「出来ると知ったらダークにやれと言われそうだから」
と、言い返す。
「ホイ、サナ終了。TRIGGERも使えっからとっとと風刃出しぃ」
「え、うん。風刃・オン!」
すぐにトリオン体となり、サナはイルファング・ザ・コボルドロードに向かっていく。
「おい、俺達はまだか!!」
途端、ライトが焦る。流石彼氏、だが……
「まだだ」
「何で!?」
「お前らは数が多いんだよ。どんだけチート化してるか知ってるか?」
「グッ……!」
俺に言われると、ライトは黙り、逆に今度はリンが言う。
「それにしては、俺の方は速いな?」
「当たり前。お前のは特に、ダークから貰ってる奴があるからな、その影響があってライトより速いんだよ……っと雑談してる間に終わりだ、リン」
「おし!行ってくるとしますか!!」
翔翼神を展開し、空を飛ぶリンに、ダークが飛び乗る。リンとダークが二言三言話すと、ダークも翔翼神を使う。……あいつめ、俺からスキルを奪ってたな?。
すると、ライトが叫ぶ。
「クソッ!ゼロ、このままで良い!俺を出せ!!」
「一部のが使えないけど良いのか?」
「後でやってくれ!!」
「全く……」
すぐに終わらせると、黒いコートを纏ったライトが俺の目の前に現れる。
「さて、行くぞライト」
「おう!ワイルドに吠えるぜ!!」
今再びーーーーー
Wライト、コンビ再結成。 
 

 
後書き
ネタが……今回も在ります。暇なときにお探しください。色々在ります。
それより、トーナメント以来のWライトコンビ結成。どれだけチートの拍車をかける気だ俺。
ダーク「……それも村雲恭夜って奴のせいなんだ」
オイコラ。否定できないけれどネタで言うな。
と言うことで二話構成となった今回のお話。次回、白黒勢プラス狩黒主人公勢のチート大戦です!……因みにアルマは次回は高みの見物です。アルマェ………。
つーことで次回も?
ゼロ「雷電霹靂にショータイム!ってな?」
ダーク「ウェイクアップフィーバー!」 
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