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ガンダムビルドファイターズボーイ

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第六話 SDガンダム対巨大モビルスーツ

某所にて・・・

「・・・・・」

一人の青年がデスクで大会参加者の資料に目を通している。ある程度チームを把握している時ノックが響き女性が入ってきた。

「メイジン」

「ん?レディ?」

「次の参加者・・・面白そうなチームがあるわ」

メイジンと呼ばれた青年はレディと呼ばれた女性から渡された資料を見て驚愕した。

「これは・・・プラモ狂四郎・・・ガンダム野郎・・・プリンセス・フェアリー・・・表舞台から姿を消したレジェンドたち?」


第六話 SDガンダム対巨大モビルスーツ


プラモ狂四郎の近所にある喫茶店・キャピトラ。子供のお小遣いでもお腹いっぱい食べられるという理由で近所の子供のたまり場になっている。

なお、悪さをしたら奥から料理人が飛び出してきてとんでもない事が起きてしまう。

そこに翼たちガンダムボーイが試合前の腹ごしらえをしに入ってきた。

「畢姉ぇ~」

「ん?おお!八百虎の息子!」

翼に呼ばれて奥から出て来た料理人兼店長の畢・ナカジマさん。見た目は17歳くらいなのだが本人いわく3歳児らしい。

「どうした?八百虎の息子?いつもので良いか?」

「あんあん!!」

「畢姉!あたしも!」

翼と香澄が注文する最中、新之助だけは相手チームの研究をしていると翼と香澄の前に顔くらいあるハンバーガーが出て来た。

さらに・・・

「ほれ新之助ピザなのだ・・・」

新之助にピザ出す畢。

「けど・・・俺・・・」

「腹が減ってはなんとやらというのだ・・・心配するな!私の奢りなのだ!」

「あ・・・どうも」

畢の剣幕に押されてしばしば食べ始める新之助・・・だが緊張が程よくとけたのだろうかがっつき始めると何かに気付いた。

「ん?あれは?」

新之助が見たのは棚に飾られてあったSDガンダムに目が行った。それは・・・

「キャプテンガンダム?それに・・・ガンバイカー?」

旧デザインと新デザインを足して二で割ったようなデザインのキャプテンガンダム。

すると畢は・・・

「それ風使いのお姉ちゃんに作ってもらったのだ!ちゃんとルールに沿った仕様だよ」

「風使いのビルダー!?」

最近風のように現れた風使いのビルダーでありルールに沿った最高ものからルール外の反則機体まで造り上げるという凶悪なビルダーの噂で誰一人としてその顔を見た者はいないという・・・その容姿は悪魔のようだとか邪神のようだとか言われているが・・・

「風使いのお姉ちゃん算数は出来ないけどいい人だよ?」

「そうなの?がつがつ・・・ていうか畢姉喧嘩は格闘タイプだよね?」

「私はガンダムは重武装タイプが好きなのだ!もちろん格闘も出来るようになっているのだ!」

ハンバーガーに夢中になりながら翼が呟くと畢が翼の腕に装着されているブレスを見つめた。

「ん?お前・・・それ」

「あ?これ?父ちゃんの持ってたブレスなんだって。四郎さんから渡されたんだ」

「ほぉ~・・・で?お前それで何に変身するんだ?」

「へ?変身?」

「大体そういう変わった形してるブレスは変身アイテムって相場が決まっているのだ・・・風使いのお姉ちゃんも似たようなアイテムもってるし・・・」

「変身って・・・まさか~」

ありえないと言った具合でブレスを見つめる翼。

そんなこんなで腹ごしらえを終えた翼たちは畢に見送られながら会場に向かうのであった。

1時間後

「おっそーい!」

一足先に控室で待っていたユアが全員の到着を確認すると奥で待っていた狂四郎が対戦チームの紹介を始めた。

「えっと今回対戦するのは・・チームデストロイだって」

「何か嫌な名前だな」

「チーム名は強さに関係ないと思うよ?」

『うんうん』

翼の不安を一蹴りする香澄と天津。

取りあえず作戦を考えるのだが・・・

「よくわかんねぇ・・・」

いつも行き当たりばったりの出たとこ勝負の翼は作戦考えるのが苦手らしい。

「まぁ・・・相手が何を使ってくるか分からないと作戦の立てようがないかもしれないし・・・」

『そうなってくると初戦と言うのは難しいものだな』

新之助の言葉に武瑠が頷くと時間になってしまった。

結局作戦らしい作戦は思い浮かばずいつものように行き当たりばったりで行くことになったガンダムボーイだった。

『ただ今よりBステージにてチームガンダムボーイ対チームデストロイの試合が開始されます』

アナウンスと同時にバトルフィールドに現れるガンダムボーイとチームデストロイ。

相手は先日の出来事・・・レジェンドたちが集まっているという前評判のためか闘志をむき出し翼はそれに飲まれそうになったが懐から烈斗が飛び出した。

『心配するな翼!俺達を信じろ!』

「烈斗・・・おっし!」

相棒の言葉に緊張を吹っ切った翼は気合を入れた。

GPベースをセットし相棒たちをセッティングするガンダムボーイ。

「天地翼!武者烈斗頑駄無!!」

『おっしゃああああ!!試合だ試合!!』

両手で己の顔面を引っ叩き気合を入れる烈斗。

「獅童香澄!武者天津頑駄無!!」

『はぁぁ・・・忍!!』

忍びの印を構え精神統一する天津。

「龍見新之助!武者武瑠頑駄無!!」

「・・・行くぞ」

金属の盾を腕に装着しいつでも飛ぶ準備をする武瑠。

「ガンダムボーイ!出陣だぁぁ!!」

翼の号令で3人同時に出撃しフィールド舞い降りた。

フィールドは地上の荒野のようだ。

「だだっ広いな・・・これじゃ丸見えじゃないか?」

隠れるような場所が無いので相手チームを確認するため周囲を見回す翼。

だがこれと言って姿は無くレーダーにも何も映っていない。

すると

『翼・・・敵がいるぞ』

「え?」

気配を感じ取ったのか烈斗が翼に警告すると天津が地面に耳を立てた。

『1つ・・・いや・2つか・・歩いてるかジャンプしてるか分からないけどこっちに向かってきてる』

『なら一人は空か・・・準備するぞ新之助』

「ああ!」

一人の特性を察した武瑠がバックパックの翼を広げ飛行形態になり準備をする。

すると突如何もない場所から高出力兵器が放たれた。

「みんな!散れ!!」

「「わわわわわ!!」」

新之助の号令で緊急回避する翼と香澄。すると香澄がエネルギーの流れてきた方向と己の勘でいる場所を読むと手裏剣を投げつけた。

何もないところに突き刺さる手裏剣・・・そこに・・・

「はあ!!」

飛来する武瑠が盾でぶん殴るとビンゴだったのかある装置が放電を始め姿を現し始めた。

「なるほどねぇ~開始早々ミラージュコロイドかなんかで姿を隠して隠密活動してたってわけね」

「先手はとられたか」

状況を解説するユアと狂四郎。

現れた相手チームの機体を確認すると出てきたのはストライクダガー・ウィンダム・・・・そして

「デストロイガンダム!!!?」

物凄いでかいサイズのガンプラの登場に仰天する翼。

「ちょっと待って!大型モビルアーマーの類って3人で1個じゃなかったっけ!?」

ルールを確認したい翼・・・すると新之助が横から・・・

「そういえば小学生の部のルールだとその辺の制限は特に設けられていなかったような」

「なぬ!?どうして!?」

「ほら創作意欲とかを向上させるためじゃないの?せっかく作っても出せないんじゃ嫌だろうし・・・」

「そりゃそうだけど・・・じゃあもしかして、こういうデカイの3体で組んでる奴らもいるってこと?」

若干ルールが違うのに戸惑っている翼。

一方対峙している烈斗達は・・・

『・・・でっけえなぁ』

『どこから攻める?ここは私が懐に潜り込んで・・・』

『・・・いやここは飛行能力を持っている私が行くという手もある』

冷静に相手を見極めているのであった。

『翼!どうする!?いつも通りの出たとこ勝負で行くか?』

「そうだな!よし!まずデストロイは後回しだ!」

烈斗が菊一文字を抜刀しようとすると・・・

「あれ?」

「おろ?」

何かに引っかかってしまったので確認すると天津が背中の忍刀を抜刀しようとしている姿だった。お互いに引っかかってしまい抜刀出来ていない隙を見逃すはずも無くウィンダムが上空からビームサーベルで斬りかかった。

すると

「は!」

飛行していた新之助が割って入って防ごうとするが・・・

「抜けた!」

「あいた!」

香澄がやっとの思いで抜刀したと思ったら勢い余って武瑠の頭にぶつけてしまい援護し切れなくなってしまう武瑠。

取りあえずビームサーベルは天津が防ぎ難を逃れたが、放置されていたデストロイがエネルギーチャージを完了させ高出力になった収束砲を放った。

体制を立て直した武瑠が金属の盾で防ごうとするが出力を甘く見ていたのか踏ん張ることを忘れそのまま盾もろとも吹っ飛ばされてしまいストライク・ダガーの相手をしていた烈斗を巻き込んでしまった。

ぶっ飛ばされた烈斗と武瑠は目を回しているが盾は全くの無傷であった。

翼たちの戦いを見たユアが頭を抱えた。

「しまった・・・皆にチーム戦の戦い方を教えるの忘れてた!」

そう・・・今までは自身が好き勝手戦うだけで済んでいたのだが、いざチームで戦うとなるとそう言う訳にはいかない。

こうしてチームデストロイ相手にお互いの足を引っ張り合いながらも戦わなければならないガンダムボーイであった。

「くそ~思い通り戦えねぇ・・・けど絶対にあきらめるもんか!」

「・・・言い訳したくないけど1対1の戦いだったらこんな奴」

「相手だけじゃなくて仲間の動きを研究するべきだった」

翼・香澄・新之助はお互いの癖が強すぎるのか上手く連携が取れない事に焦り段々パニックになると・・・

狂四郎が立ち上がった。

「みんな!取りあえず今回は自分の持ち味だけをやるんだ!!」

「「「は!」」」

その一言に我に返ったガンダムボーイは・・・

『食らえ!!』

デストロイガンダムが収束砲を放つと同時に新之助と武瑠が向かい金属の盾で完全に防ぐと追撃のミサイルの乱舞が繰り出されると烈斗と天津の元に飛びすべて防いだ。

「防御は任せろ!」

新之助は攻撃するという概念を捨て防御のみに徹する事に決めた。

「「ならば!!」」

その言葉に翼&烈斗と香澄&天津は菊一文字と忍刀を構えデストロイの両サイドに飛んだ。

デストロイは方向転換しようとするが追いつかない。

「その大きな身体で私のスピードに着いてこれるかな!!行くよ!天津!」

『了解!!』

香澄に発破をかけられ天津がトップスピードでデストロイの周囲を移動し始めた。ただでさえ小回りの利かない大型モビルスーツ、そして天津のトップスピードは残像を生み出しているためデストロイは狙いを定められない。

「トップスピードじゃないよ!本気出せば消えることができるけどこの方が相手をかく乱できるから残像が出る程度に手加減してるんだからね!」

「確かにこっちの方が神経に触る」

香澄の主張にかく乱されているデストロイはすっかり忘れていた。

「天来変幻!!」

デストロイの上を取った烈斗が金剛形態になり更にフルパワーとなった。

慌てて烈斗に狙いを定めようとしウィンダムとストライク・ダガーが援護に入ろうとすると・・・

獅子(レオ)咆哮螺旋(ハウリングスパイラル)!!』

天津の拳から放たれる3つの獅子が螺旋を描きながらストライク・ダガーを飲み込み撃破しウィンダムを離脱させデストロイを翻弄し動きを封じた瞬間。

『烈火!鳳凰斬!!』

炎の鳥となりデストロイに向かって炎の刃となった菊一文字を振り下ろす烈斗。だがデストロイは苦し紛れにミサイルを発射する

だが

「うおおおおおおおおおお!!」

飛来する武瑠によってミサイルは全て防がれてしまった。

そして

『でやあああああああああ!!』

「ぐああああああああ!!」

一刀両断されるデストロイと燃え盛る菊一文字の炎を振り払い鞘に納める烈斗が元の姿に戻ると全ての粒子を使い切ってしまったのか動かなくなってしまった。

せめて1体はと思ったウィンダムが粒子が切れて動けなくなった烈斗に向かって突っ込んできた。

咄嗟の事で香澄も新之助も援護に行くタイミングが遅れてしまった。

だが

ガシ!

振り下ろされたウィンダムのビームサーベルの柄を持って防いだ粒子残量0で動けないはずの烈斗。

『んな・・・プラスチックの身体なんざぁ』

思いっきり血走った目で頭を起こし・・・

『俺の根性でぇ・・・いくらでも動くんだよぉぉぉぉぉぉ!!』

根性出して無理矢理動き始めた烈斗。あまりの事にウィンダムはおろか翼までが仰天していると・・・

『本物の武者頑駄無なめんじゃねえぞ!!剣勢拳!!』

剣勢拳の一発でウィンダムを撃墜する烈斗だった。

〈BATTLE END〉

辛くも勝利を納める事ができたガンダムボーイ。

すると狂四郎とユアが駆け寄り勝利を祝福するが・・・

「帰ったらチーム戦の特訓だな。俺とユアのペア」

「手加減しないよ~みんなの癖を踏まえた上でのチームプレイ特訓なんだから今の感覚を忘れないうちにしっかりと煮詰める!」

「「「えええええ!!」」」

たった今試合が終わったばかりだと言うのに帰って早々に特訓を申し付けられるガンダムボーイだった。



 
 

 
後書き

「2回戦に向かう俺達だけど・・・な!なんだ!?空間が歪んでる・・・どうして!て!武者のザク!?実物って・・・なんだ!?」

烈斗
『翼!今こそそれを使う時だ!』


「父ちゃんのブレス?」

烈斗
『それを使って正義の結界を作り出せ・・・そして俺になれ!!』


「どういう事だ?」

烈斗
『俺に武身しろ!!』

次回! 発動!結界コントローラー!


「俺の姿が・・・変わる」
 
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