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EVANGELION ANIMA~もう1つの可能性~

作者:
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参話 変わる世界(後)

 
前書き
リッちゃんがぁ~、リッちゃんがぁ~っ!。
ボクの好きなキャラ5本指にはいってたのにィ~。
(今後リツコの登場機会は、殆どないかも)
まさか好きなキャラを自分で消すことになるなんて…。
今とてもココロが痛んでいます。(中間テストとリツコのことで)
がんばって書くので見て…シクシク 

 
[ゴゴゴゴゴ…ドカッ]
ジオフロントに弍号機の時と同じような十字の柱が上がる。
[ズオンッ…ズズズズズ]
地面を突き破って出てきたのはエヴァ初号機。
「なっバカなっ、固められていたハズだぞっ」
戦自は、意外な出来事に混乱していた。


[ガキィィィン]
「ハァ…ハァ…こぉんのォォォォ!」アスカは体力的にも精神的にも疲労してきていた。弍号機の動きがどんどん鈍くなっていくのに対して四号機は、ほんの少しずつスピードが上がっていっている。時間が経つにつれ戦闘に慣れていっているようだ。
[ギィィィン…ドスッ]
「きゃっ!」ついに力負けしてバランスを崩す弍号機。
[ジャキッ]
二本の剣を構える。止めを刺すつもりのようだ。四号機が弍号機の胴体をまたがっている状態なので身動きがとれない。
「嫌っ、イヤァァァッ」恐怖のあまり目を瞑るアスカ。
剣を降り下ろそうとした次の瞬間、四号機の背後に紫色の巨人が現れ…。
[ザシュッ]
ナイフで四号機の両腕を切り落とす。とっさに後ず去る四号。
「シ、シンジ…!?」
『ごめん、アスカ…遅くなって…』スピーカーを通してパイロットの声が聞こえる。間違いない。アスカの知っている碇シンジの声だ。
「なによ!…今頃来ておいしいとこだけ持っていくつもり!?」アスカは、シンジをずっと待っていた。しかし生来の性格のため、素直に自分の気持ちを伝えられない。シンジやレイと同様アスカも不器用なのだ“生きることが”。
『いや、そんつもりはないよ』

「ミサトさんが言ってたんだ。生きてる内はやり直せる。やるだけやって死になさいって。だから僕はアスカ…君を助ける」
『ふんっ……好きにすれば!』この言葉がアスカの照れ隠しだということをシンジは気づいていた。
「……(ニコッ)」


「戦況は!?」ミサトが第2発令所に戻って来た。
「葛城さん!…その腕は…」日向が声を掛けるが怪我をした腕を見て顔をしかめる。
「大したことないわ。それよりどうなっているの?」
「つい先程初号機が弍号機に接触しました。四号機は現在再生中ですが時間の問題かと」シゲルがミサトの方を振り返り外の情報を伝える。
「シンジ君とアスカは?」マヤに近寄り二人の状況を訪ねる
「会話を終えた後徐々に精神グラフが安定してきています」映し出されたグラフから確かに落ち着いているが見てとれる。
(よかった)アスカがシンジを拒絶しないか心配していたミサトは、安心した。


「アスカいける?」かなり疲労しているだろうアスカに声を掛ける。
『あんたバカぁ?。あたしを誰だと思ってんの?』精神汚染される前のように元気なアスカをみてシンジは苦笑する。
「エヴァのエースパイロット式波・アスカ・ラングレー…でしょ?」
『わかってんじゃない』
[グググ]
両腕が完全に再生しこちらを睨むエヴァ四号機。
「アスカくるよっ!」
『人の心配しないで自分の心配したら?』
第2ラウンドのゴングが鳴った。


「弍号機パイロットの復活だけでなはくシンジまでもが…」ターミナルドグマへと続く通路をゲンドウは一人で歩いていた。
「計画が大きくずれている。この修正は容易くないな…」
[スッ…ピィー]
カードをスキャンし、ロックをはずす。
[ギギギギギ]
大きな扉の向こうには、十字架に貼り付けられた第2使徒【リリス】と…
「赤木博士…」
ゲンドウに拳銃を向けているリツコ…
「おまちしておりましたわ。
ここから先は、貴方の思い通りにはならないわ」
「思い通りにならないとは…一体どうするつもりだね?」拳銃など気にしていないかのように淡々と喋るゲンドウ。
実際に拳銃などどうも思ってない。
「貴方を殺して私も死にます。よくある話でしょう?安っぽいドラマに」
「……そのちっぽけな拳銃でかね?」ちっぽけとは言えど十分に人を殺せる。
「いいえ、
先程MAGIのプログラムを変えさせていただきました」
「…」
「母さん、娘からの最後の頼みよ。一緒に死んでちょうだい」
[ピッ]
自爆装置のスイッチを押す。…が、



「!」
爆発が起こる気配はない。
「作動しない!?何故!?」
MAGIのコントローラーの画面には、
『MELCHIOR:1 承認』
『BALTHASAR:2 承認』
『CASPER:3   否定』

「カスパーが裏切った!?」
最後の最後にカスパーが裏切った。MAGIの自爆装置は、『メルキオール』『バルタザール』『カスパー』の3台が承認しなければ作動しない。
「母さんは、娘よりも自分の男を選ぶのね…」
[チキ…]
「赤木リツコ君」
顔を上げるとゲンドウが拳銃をこちらに向けて立っていた。先程とは、正反対の状態だ。
「今まで君は、本当によくやってくれた…愛していた」変わらぬ表情で告げるゲンドウ。
[パァンッ]
拳銃が火を吹く。
[…ドサッ]
発砲とほぼ同時にリツコが倒れた。弾は急所に当たっている。すぐに救助しても助かる見込みはゼロに等しいだろう。
「君には、いや君達母娘には本当に感謝しているよ…」倒れたリツコに感謝の言葉を伝える。本心かどうかは定かではない…。


[ガキィィイ]
「うぉぉぉぉっ!」シンジが四号機の地面に押さえつける。
[ギギギィ…]
「うっ…」四号機は力押しで脱出しようとしている。全体重を掛けて何とか押さえられてはいるが少しも油断できない。
「アスカッ!」シンジは弍号機へ合図をだす。
この作戦は、シンジが囮役となり四号機と正面から戦いシンジの合図が出たら身を隠していた弍号機が背後に回り込みプラグを抜き取るといったものだった。身を隠す理由は、四号機が弍号機を警戒しないようにするためだ。
アスカは、当然囮役を立候補したがシンジが『自分がやります』と聞かなかったので渋々せの作戦を受け入れた。

『まっかせなさい!』弍号機が素早く背後に回り込む。
[ザシュン]
四号機の反応が遅れプラグの保護(?)システムの作動しない。思考に体がついていけない様な感じだ。
[ベリッ…ザシュ]
手早くプラグを抜き取り後退する。
[ズゥゥゥン]
四号機が停止する。マヤの言っていた通り弱点は、エントリープラグだったのだ。

『後はコレを潰せば…』
手に力をいれプラグを破壊しようとするアスカ。
「ちょっと待って」
四号機が完全に停止したのを確認してから弍号機に近寄る初号機。
『なによ、中にパイロットが乗っているとでも?これはダミープラグだからパイロットは…「そうじゃないんだ」?』
言葉を途中で煽られて不機嫌になるアスカ。
「その仕事を僕にやらせてほしいんだ。」
『ハァ?』
ダミーとはいえど自分からプラグを潰したいなんて普通思わない。
「僕は僕なりにケジメをつけたいんだ。」
モニターに映るシンジの顔は、真剣だった。
『…プラグを潰したいなんて変態よ!。好きにすれば!?』
初号機にプラグを渡す弍号機。
「ありがとう」
『…本当に検査うけたら?』プラグを潰せて“ありがとう”なんて頭がおかしんじゃないかしら?アスカは、本気でシンジを心配していた。


[グググッ…]
(この感覚今でもハッキリと覚えてる…)トウジが乗った参号機のプラグを潰した時に似ていた、初号機は、ダミープラグが起動しておりシンジの意思など関係なく動いた。でも何故かプラグを握り潰した時の感覚だけはあった。
(この中には、綾波のクローンが使われてるのかな…)
いつだったかリツコに案内されて綾波のクローンをみたのは。その時ダミーシステムは綾波のクローンが使用されていると聞いた。

[ググ…バキャッ]
真っ二つに折れるプラグ。中からは、オレンジ色の液体、LCLが漏れ出していた。
「……」
『シンジ…?』
アスカの声が聞こえる。心配してくれているようだ。
『シンジ君!?ごめんなさい途中で回線がきれてしまって』
もうひとつのスピーカーからミサトの声が聞こえる。作戦通達の後に声が聞こえなくなったのはこのためか。
「ミサトさん…僕…僕やりましたよ。アスカを守りました。」
『…よくやったわ。シンジ君私からも礼を言うわ。ありがとう』
シンジは大きく一歩大人に成長した。


[ガンッ]
『どうするのだっ!シナリオに修正できない程のずれが生じたのだぞ!?』いくつものモノリスが浮かぶ暗い部屋では、老人達が焦っていた。
『落ち着け。まだ量産機はこちらの手にある。シナリオの修正は可能だ』01のモノリス、キールがその場を納める。
『碇の処遇はどうする』
『あやつも今頃焦っているのだろう。我々を裏切った訳ではない。それにあやつ程有能な人材は、めったにおらんよ』
『しかし、冬月のことはどうするのだね?』冬月はゲンドウと違ってユイとの再開に全てをかけている訳ではない。
しかし、ZEELEや保完計画のかなり奥深くまで知っている。
『問題いらんよ。我々の目的は、葛城三佐もちろんNERVにいる殆どの人間に知られているであろう。今頃大した問題ではない。ことの終結がシナリオ通りになればそれでよい』


『『『『『『全てはゼーレのシナリオ通りに!』』』』』』




「計画が大きく狂い始めた。まずいな…」裏死海文書にはないセカンドチルドレン、サードチルドレンの復活と立て続けに起きた予想外のハプニング。
サード・インパクトの発動が遅れるのは、明らかだ。
「くっ…」何時も表情を崩さないゲンドウが悪態をつく。ゲンドウは自分が愛した妻碇ユイに再会するためだけに10年近くもの時間を費やした。
その他にも、NERVの職員や自分の息子までを利用していたのだ。
[パァン]
「!」
気がつくと喉が銃弾により貫かれている。振り返ると地面に横たえながらもしっかりと拳銃を構えたリツコの姿。
急所を撃たれかなり時間がたっているにも関わらず喉を的確に貫くことができたのは、ゲンドウに対しただならぬ執念を抱いていたからだろう。
「フフッ…嘘つき…貴方が、愛し、たのは、あの人だけ、で、しょ」
リツコの命は、そこで絶えた。
「…」
しかし、ゲンドウは倒れない。アダムを体に宿していたからだ。リツコもこの事は気づいていなかった。知っていたのは、冬月とゲンドウだけ。移植手術を行った医者達は、既に消されている。
[…カッ、カッ、カッ]
喉の傷が再生したゲンドウは、リツコの死体を見つめた後ドグマを後にした。



「撤退命令が上からきた。全部隊に伝えろ」元第3新東京市の周りでは、戦自が撤退の準備を始めた。
「何故です!隊長!?奴等は世界を滅ぼそうとしているのですよ!?」いまがチャンスじぁないですか!若い兵が隊長に訴える。自分達が受けた任務は、NERV本部職員の抹殺とMAGIの入手。が、もう少しで達成できると思った矢先に撤退命令が出される。納得できないとのも当然だった。
「サード・インパクトに関わっていたのは、司令と副司令だけで他の職員は、保完計画の存在すら知らなかったらしい。NERV本部全体が関わっているというのはデマだったそうだ…」
実際にゲンドウと冬月そしてリツコ意外は、保完計画の存在を知らなかった。A級職員(准尉以上の階級)でさえ“聞いたことがある”くらいだった。
「!なら私達は罪のない人間を殺していたということですか…?」いくら軍人でも無罪の人間を躊躇なく殺せるのかというとそうではない。
「…」
隊長である男は、何も答えられなかった。




戦自が撤退した後シンジはアスカを抱えてゲージに降りてきた。
[タッタッタッ]
「シンジ君!アスカ!」
ゲージの入り口からミサトが走ってくる。
「ミサトさん…」
「ミサト…」
[ガバッ…ギュゥゥゥッ]
ミサトは、シンジとアスカを力いっぱい抱きしめた。二人の顔がミサトの豊満な胸に沈む。
「みぃがほはん!くぐしいほ!(ミサトさん!苦しいよ!)」
「あにふんのよ!みはほ!(何すんのよ!ミサト!)」
二人は、逃げようとするがミサトは二人を離さない。
[ポトッ…]
「ん?」
シンジの頬に一滴の雫が落ちる。ミサトの涙だ。
「ありがとう…二人とも本当にありがとう」
涙声のミサト。腕を離しやっと解放される二人。
「な、泣かないでくだいよ…」
「いい大人がだらしないわね…」
そう言う二人も涙ぐんでいた。
後からマヤにマコト、シゲルも続いてやって来る。NERVはZLLELに勝利した。

しかし、そう嬉しいことは長続きしない…

戦自の攻撃により莫大な被害を受けた本部。ミサトの後退命令のおかげでA級職員の殆どが無事だったが全体の半数以上の職員が殺されたのは痛手だった。ターミナルつまり入り口から第2発令所までの区間は血の海と化していた。
頭を撃ち抜かれている者や爆発によって手足が吹き飛んだ者火炎放射機により焼かれた者。通路は、銃弾の跡や爆発でぶち抜かれた壁など漫画や映画でも見せられないような悲惨な光景だった。軍人であるミサトが目を背ける程だ。

施設の清掃や修理は本部の職員だけで行った。マヤの潔癖症が治ったほどのものだった。死亡した職員の死体については、はジオフロントで一人ずつ火葬し、骨壺に納めた後肉親や親戚に渡すという対策がとられた。

もう1つ悲しいニュースがあった。ドグマでシゲルが発見したリツコの死体。ミサトは、戦自が介入する前の様子からこうなる予感はしていたので死体が見つかったという報告を受けた時もそこまで動揺しなかった。
一番ダメージを受けたのはマヤだ。
シンジたちが四号機に勝利してからリツコの死体が発見される二週間マヤは開発部長代理を務めていた。気力だけで仕事をしていたがリツコの訃報を聞いた瞬間糸が切れた人形のように崩れ落ちた。その後復活したかと思えば今まで以上に仕事にのめり込み、倒れる寸前でミサトが強制入院させた。
マコトやシゲルも何人もの同僚を失い気が立っていた。仕事中の口喧嘩は、しょっちゅうでミサトの制止がなければ殴り合いにまでなりかけたのだ。オペレータートリオと呼ばれる程仲の良かった3人はバラバラの状態だった。

そして、最も大きな事件があった。
司令のゲンドウと副司令の冬月そして綾波レイの失踪。
ゲンドウとレイが失踪したのは仕方がない。なぜなら二人共体に使徒を宿しておりニンゲンではないからだ。
しかし、いくら混乱状態だったとはいえ冬月までも逃してしまったのだ。3人が今どこにいるのか見当もつかない。

ZLLELとの戦争もまだ終わっていない。向こうは9体とエヴァを所有しており、各支部のMAGIを利用できる。
戦いは、始まったばかりだった。



次回
NERV本部は独立し組織名を『WILLE』と改め行動を始める。
元NERV本部のターミナルドグマでは、ZLLELに対抗すべく極秘に『AAAヴンダー』の開発が進められていた。
そして時は流れ、西暦2018年。
ZLLELはWILLEに攻撃を仕掛けるようになってきた。
人類最大の戦いが幕を開ける。 
 

 
後書き
文字数が増えたので無理矢理終わらせました。最後らへんが意味不明になっていたらすみません。
これで一応序章は終わりです。次回からは、新劇場版が主になっています。Qに出てきた登場人物も出てきます(年齢は無視します)あ、サクラちゃんは出しません。さすが無理があるので(年齢的に)。
マリは出そうかどうか迷っています。(もしかしたらでないかも…)
オリキャラは一切出さないつもりです。設定がメンドウなので。

さ~て次回もサービス、サ~ビスゥゥウ 
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