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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第百五十一話 これから…

 
前書き
一応和解はした子供達のこれからについて。 

 
ここは聖竜学園の生徒会室。
今ここには選ばれし子供達が一名除いて集まっている。
正確には生徒会室の前にいるのだが。
全ての話を聞かされたヤマト達は話が終わるのと同時に溜め息を吐いた。

ヤマト「何か…俺達の理解を超越した話だな。異世界とか魔法とかデジタルダンジョンとかいう異空間での猛特訓。2年間ぶっ続けで特訓するなんて…強くなるわけだよな…」

変化も全くない空間で2年間。
少し寒気がするようだ。

大輔「とにかく、話はこれで終わりです。とにかく、俺達がすることはホーリーストーンの封印。」

伊織「あ、あの…」

ルカ「何でしょうか?」

何か聞きたそうな伊織に気付いたルカが尋ねる。

伊織「どうして僕達に教えてくれなかったんですか?教えてくれたなら、微々たる物でも協力出来たのに」

大輔「第1の理由、闇アレルギーの馬鹿がいるから。第2の理由、敵に情報が漏れないようにするためだ」

チラリと扉を見遣る大輔。
扉の前にはタケルがいた。
フェイト達は聖竜学園に入れるのも大反対したが、ヤマトが頭を下げて頼み込んだから聖竜学園に入れた。

賢「言ったところで彼は信じるどころか嘘だと断じて攻撃して来るだろう」

はやて「そんな阿呆がいるのに教えるわけないやろ」

冷たく言い捨てる彼らに太一達も否定できないのか黙り込む。

太一「タケルに関しては…俺達にも責任があるよな…俺、デビモンとの戦いであいつは強くなったんだと思ってた。だから、タケルのトラウマのことを考えていなかった…」

ヤマト「俺もそうだ。どうやってこれからを乗り越えていくか…デビモンとの戦いが終わった後はそればかり考えていた。そうだよな…あいつはまだ小さかったんだよな…」

京「で、でも…ブラックセラフィモン…だっけ?こ、殺さなくても良かったんじゃ…」

ブイモン[駄目なんだ。ブラックセラフィモンに暗黒進化した時点でブラックセラフィモンの肉体は死んでいたんだ。元々、セラフィモンへの進化自体暗黒進化一歩手前の状態で暗黒進化に暗黒進化を重ねがけしたようなもんだ。暗黒進化の負担…それが2回分ならどれだけ凄まじいか分かるよな?]

パートナーデジモン達がゴクリと唾を飲み込んだ。
特にアグモンの表情は優れない。
彼は何度も暗黒進化を体験している。
暗黒進化の重ねがけがどれだけ恐ろしいのかが分かるのだろう。

フェイト「まあ、彼の場合、自業自得なところもあるんだけど。闇はあってはならないとか、闇は倒すとか言ってるけど、それってブラックセラフィモンも例外じゃないんだよね。ブラックセラフィモンは闇属性。だから彼の言葉を使うならブラックセラフィモンも倒すべき敵」

大輔「正に自分の発言がブーメランの如く自分に跳ね返ってきたわけだな。なっちゃんの死を侮辱した報いだな」

生徒会室の扉からガタンと音がした。
そして次の瞬間、凄い勢いで足音が鳴り響く。
多分タケルは耐えきれずに逃げ出したのだろう。

賢「とにかく、これから僕達はホーリーストーンの封印をしますけど。あなた方はゲンナイさんからの依頼を頼めませんか?」

ヒカリ「依頼?」

大輔「ああ、ゲンナイさんが時折俺達に依頼してくるんだ。例えばジャンクパーツが欲しいとか、デジタルワールドの遺跡調査とかな」

光子郎「遺跡調査ですか。デジタルワールドのまだ見ぬ遺跡。興味深いです」

知識欲が疼くのか笑みを浮かべる光子郎に大輔は苦笑した。
こういう人物だからこそ知識の紋章の所有者になれたのだろう。

ヤマト「なあ」

全員【?】

ヤマト「こんなことを頼むのは過保護以外の何物でもないだろうけど、タケルにチャンスをくれないか?」

アリサ「あいつに?」

嫌そうに顔を顰めるアリサにヤマトは頷いた。

ヤマト「ああ、やっぱりあいつもあいつなりに頑張っていたんだ。せめて…」

ティアナ「気にしなくてもいいんじゃないでしょうか?時間の無駄です。そんなことより…」

ルカ「ティアナ」

ルカはティアナを制すると、ヤマトの方を見遣る。

大輔「…チャンスをですか、はっきり言って、かなり可能性が低いと思いますけどね。分かりました。チャンスをあげますよ。選ばれし子供に戻るための最後のチャンスを」

端末を操作してゲンナイにメールを送ると、ゲンナイから直ぐにOKの返事が来た。
果たしてタケルは選ばれし子供に戻れるのか?
アリサ達はそう思ってはいないらしいが。






























そして太一達が帰宅して夕食の時間。

大輔「ふう…」

タケルに最後のチャンスを与えた大輔は食堂に行くといつものラーメンを頼んだ。
隣では凄まじい勢いで料理を掻き込んでいくブイモン。

アリサ「ちょっと大輔。あんた本当にいいの?」

大輔「何がだ?」

後ろを見遣ると、トレーに夕食のパスタを載せたアリサ。

アリサ「何であんな奴にチャンスなんかやるのよ。放っとけばいいじゃない。」

彼女のタケルへの評価は対して会ってもいないというのにマイナスを振り切れていた。

大輔「お前の気持ちも分からなくはないけどな。視野の狭さはともかく、あいつ自身は善人なんだよ。」

アリサ「ふーん…」

不満そうな彼女に苦笑する大輔。
確かに彼女からすれば人でなしでしかないのだろうが、一応タケルにも同情の余地は冷静になればある程度あると思っている。

幼少期の両親の離婚。

母子家庭による孤独。

デビモンの件。

もしかしたら日常生活でも昔は何かあったのかもしれない。
片親だけという理由で苛められるケースもあるくらいだ。
恐らく様々な要因がタケルの性格を歪めてしまったのではないかと大輔は思っている。

大輔「本当に、パタモンをパートナーデジモンだと思うのなら、何とかしてみせろ」

大輔の呟きに、アリサは無駄だと言いたげに溜め息を盛大に吐いた。
































おまけ

ルカ「そういえば最近、ウェンディの悪戯が発生しませんね」

ティアナ「言われてみればそうよねえ…この前なんか…」

大輔「クアットロの眼鏡をドクターの部屋に隠したり」

なのは「ユーノ君の眼鏡を私の枕元に置いたり…」

フェイト「この間なんか生徒の眼鏡に襲撃かけたらしいよ」

はやて「何やのあの子?眼鏡に恨みでもあるんか?」

全員【さあ?】 
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