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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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ALO編 Running through in Alfheim
Chapter-15 紡ぐ未来のその先へ
  Story15-3 神の力

シャオンside

「これは…………」

白かった壁や床は、いつの間にか、どこかの洞窟のようになっている。



さらにしばらく進むとかなり開けた場所に出た。

「鳥籠だったはずなんだけどな…………ここはどう見ても洞窟だろ」

スクリーンショットで見た桜華は鳥籠に囚われていた。しかし、ここはどう見てもどう見ても洞窟だ。

居心地のいい場所では絶対にない。

「フローラ………いないのか……?」

辺りを見渡しても人影すら見えない。レイが嘘ついているとも思えないし、ここに来るまでにも横道や抜け道の類いは無かった。

「なぁ……レイ「きゃあっ!!」っ!?」

レイに状況確認をしようとしたが、レイは膝をつき、体を仰け反らせ悲鳴を上げた。

「パパ、気をつけて! 何かが……見てる……!」

レイの体の表面を紫の電光が這いまわり、一瞬のフラッシュのあとにはレイの姿は消えていた。

「レイ!?」


突然消えたレイに驚いていると、何か銀色に光るものが飛んできた。俺がそれを避けると、それはザクっと地面へと突き刺さる。

「……これは…………?」

地面に刺さったそれを見ると、明らかに投剣に使うような短い刃だった。

誰が投げたんだろう…………フローラのメイン武器は片手剣かレイピアだからこの武器はあり得ない。


俺が剣を構えると、ナイフの飛んできた方向になにやら人影が。

その形は……次第にあの世界でいつも見ていた姿になっていく。

「フローラ…………?」

返事は無い。構えていた剣を下ろすと、フローラに近づいていく。

「おい、フローラ…………」

俺がかなり近くまで接近すると、フローラは全くの無表情で手に持っていた剣を俺に突き出した。

「くっ…………」

突然の行動に、とっさの判断で剣を掲げて流そうとするが、頬を掠める。そこに本当に斬られたような鋭い痛みが走り、思わず声を上げてしまう。

「フローラ、どうしたんだよ!?」

「……」

フローラに剣を向けることなんて出来ない…………そんな気持ちを吹き飛ばすかのように、フローラは高速の突きを繰り出してくる。

「このやろっ…………!」

右手の片手剣を器用に手のひらを使って回し、高速の突きを防ぐ。

が、この防御は少しでも集中を切らすと…………

「がっ…………!?」

一瞬フローラへの疑問が浮かんだ俺に、フローラの突きがクリーンヒットし、強烈な痛みが走る。

さらに、追い撃ちをかけるように突きが襲う。リスタートダッシュをかけられなかった俺はまともにくらう。

「くっそ…………体動かねぇ…………っ!」

体に重力がかかる。重すぎる空気のせいでまともに動けない。

「…………くそっ……なんだよこれっ…………」

これはきっと魔法だな…………それも、ALOではまだ実装されてないようなテスト中の魔法…………


「誰かと思えば……シャオン君かぁ?」

「……誰だよ……?」

息するだけで体に痛みが走る。精一杯頑張って俺はその声の持ち主へと質問を投げかけた。


その人物は気持ち悪い笑みを浮かべた。

「忘れたとは言わせないよ? 一度会ってるじゃないか」

「…まさか……須郷……明宏……!?」

そうだ、フローラの病室にいたやつが一瞬見せた表情…………こいつはどれだけ憎んでも足りない…………っ!

「正解……だが、ここではイクシオン『様』と…………そう呼べっ!!」

「ぐはっ!!」

思い切り殴られて本物の痛みを感じる。

何故という疑問を投げかけようとした瞬間、向こうからこちらを完全に見下したような口調で答えを言ってくれた。

「ペイン・アブソーバはレベル6……お楽しみはこれからだよ?」

「がはっ!?」

「楽しいねぇ……人をいたぶるのは!」

俺を蹴り飛ばして笑う須郷。最悪だ……こいつは人じゃねぇ…………!

「はぁ……はぁ……お前……フローラに何したんだよ……」

「……教えてほしいかい……?

彼女、春宮桜華さんには僕と弟とで進めていた実験の対象者第1号になってもらったのさ」

「……実……験…………!?」

「どうせ死ぬんだ、教えてあげるよ……元SAOプレイヤーの皆さんのおかげで、思考・記憶操作技術の基礎研究は終了しているんだよ。

魂の直接制御という神の業を試したくてね、桜華さんの記憶を覗いたところいい感じの寂しさの感情があったからそれを激増、さらに他の記憶にも憎しみの感情を入れてやったのさ」

「頭の中を……いじくったって……ことかよ…………!!」

「寂しさの対象は君だ。つまり……対象の書き変わってない憎しみの感情は…………」

「俺に……向く…………」

そんなに……寂しかったのか…………フローラ。待たせたもんな。俺……ずっと傍にいるって約束したのに、破っちまったもんな。


そう思った俺は、精一杯の力を出してなんとか立ち上がる。

その瞬間、フローラは剣を構えて攻撃を放つ。軌道が単純すぎて体をちょっと移動させれば避けられるものだ。



だが、剣に俺の剣をかすらせて軌道を僅かにずらし、そのままフローラを抱き止めた。

「……捕まえた……!」

「っ!?」

さっきは攻撃防ぐので手一杯だったが、今度は捕まえられた。
そして、伝えたかったことを言う。

「…………寂しいなら言えよ…………っ!」

「…………!」

「言いたいことは……言わないと伝わらないんだ」

俺の言葉を伝える……俺に出来るのは、それだけなんだ。だったら、それを一生懸命やるだけだ!

「俺が全部背負う……って言えるほど俺は強くない。

でも……これだけは……言える。お前は……絶対に……1人じゃ……ない!!
いつだって! どこだって! お前と共に歩む!

だから戻ってこい! 俺のところへ!」




「………シャオン君……ホント…………?」

かすれるようなフローラの声が耳のそばで聞こえる。

「俺に二言はねぇよ」

「嬉しい…………」

突然泣き出すフローラ。

「目、覚めたかい?」

「うん」

さて、後は…………

「須郷をぶっ飛ばすだけか…………っ!?」

突然、体がさらに重くなった。動こうとしてもままならない。

「シャオンくん!?」

「大丈夫だ…………」

シュルシュル ガチャン

「な、何これ…………?」

突然、フローラの両腕にリング付きの鎖が巻き付く。

シュルシュル

「きゃあっ!!」

フローラの体が後方へと吹っ飛び、フローラは壁に叩きつけられる。

「ぐっ…………」

「俺はなぁ…………」

須郷の口調が変わった。明らかに怒っている。

「思い通りにならないのが大嫌いなんだよ」

須郷は歩いてフローラのところへ行くと、背中から剣を引き抜く。

「…………その腹いせに……俺の遊びに付き合えよなぁ!!」


須郷の大剣がフローラの胸元へと深々と食い込む。血のエフェクトではなく、真っ赤な鮮血そのものが飛び散る。

「……くはっ……!」

フローラが血を吐いた。俺は何が起こったのか理解できなかった。

「この剣は、俺が開発中のよりリアルに近づけたプログラムで作られた剣だ。鮮血のエフェクトみたいなんじゃなくて、血そのものが飛び散る感触を味わえるんだぜ…………?」

「やめろ…………フローラに……手ェ出すんじゃねぇ…………っ!!」

「うるさいなぁ……黙ってろ」

「がはっ……」

俺の左肩に剣撃が刻まれる。すごく痛い。

「お前……フローラと婚約するんだろ……? なんで手を出せるんだよ…………?」

「俺が今、考えていることを教えてほしいか?

俺は『桜華そのもの』は必要としてない。むしろ邪魔だ。俺が必要とするのは『桜華の体』だ。これだけ恵まれたスタイルを切り刻むのは……さぞかし楽しいだろうなぁ…………?

システムコマンド。プレイヤーネーム《イクシオン》の敏捷力を最大に」

「…………うそ…………」

フローラの目から涙が溢れ出した。止まることない奔流は血と混じっていく。

次の瞬間、フローラの声が出ないほどの斬撃がフローラを襲った。フローラの体は鮮血でまみれ、服もほぼぼろ切れだ。

「くそっ…………」

フローラの悲鳴に、俺は何もすることが出来なかった。















Story15-3 END 
 

 
後書き
話変更により、シャオンの方が先になりました。
シャオン「絶対助け出す…………! 絶対に帰るんだ」
キリト「逆境に負けんなよ」
シャオン「そんなもん跳ね返してやる」

さて、ラストに向けて駆け抜けていく蒼閃。Don't miss it

じゃあ……

キリト「次回も、俺たちの冒険に!」

シャオン「ひとっ走り……付き合えよな♪」
 
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