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オズのベッツイ

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第三幕その六

「そうしたことは気になりません」
「それならよいがな」
「私にとってはマトンの匂いはいい香りです」
「ふむ、しかしな」
「マトンのその匂いが駄目ということはですか」
「わからんのう」
 どうしてもというのです、そしてです。
 ナターシャはです、こう言いました。
「お魚や海老の方が匂いがしない?」
「うん、そうだよね。海老とかね」
「魚介類の方が匂いはするよ」
 ジョージと神宝もナターシャのその言葉に頷きます。
「生臭いっていうかね」
「残るしね、魚介類の匂いって」
「正直マトンよりもね」
「気になるよね」
「そう?確かに新鮮さが気になるけれど」
 恵里香はナターシャも入れた三人に首を傾げさせて答えました。
「食欲そそられない?」
「それを言うのならマトンも同じよ」
「うん、あの匂いで食欲を刺激されないことはね」
「少しわからないよ」
「これが文化の違いかしらね」
 ベッツイは恵里香達のお話を見て思うのでした。
「それぞれの国の」
「そうじゃないですか?やっぱりそれぞれの国で違いがありますよ」
 そのベッツイにです、カルロスが応えます。
「オズの国はそれが反映されますし」
「そう、アメリカのね」
「アメリカは色々な国から人が来ますから」
「文化も多彩なのよね」
 それぞれの国のです。
「それでこうしたことも見られるのね」
「そうですね」
「まあそれでも。恵里香自身が羊肉を好きならいいわ」
 彼女自身がそうならというのです。
「別にね」
「じゃあ今から」
「羊料理を楽しみましょう」
 皆が大好きなそれをというのです。
「それとカボチャも食べる?」
「カボチャですか」
「何かカボチャを食べたくなったのよ」
 だからこれにしようというのです。
「どうかしら」
「そうですね、お肉とですね」
「カボチャね。カボチャのサラダに」
 カボチャをよく煮てから作ります、ポテトサラダと同じ要領です。
「カボチャのポタージュ、カボチャのパイにね」
「本当にカボチャ尽くしですね」
「けれどいいでしょ、美味しいし身体にもいいし」
「そうですね、カボチャは」
「別にジャックを食べる訳じゃないから」
 ベッツイは笑ってジョークも交えました。
「安心してね」
「ジャックさんの頭をですね」
「そう、誰もジャックの頭は食べないわよ」
 そのカボチャはというのです。
「だから安心してね」
「はい、それは流石にないですね」
「普通のカボチャよ」
 ジャックではななく、というのです。
「それを楽しみましょう」
「そして羊料理は」
「そうね、ステーキにしましょう」
「マトンのステーキですね」
「食べやすいから、ステーキは」
 それで、というのです。
「おソースも用意してね」
「それじゃあですね」
「ええ、ステーキよ」
 今回出すのはというのです。
「それじゃあ出すわね」
「ではお言葉に甘えて」
 羊飼いさんも微笑んで言いました。
「ご馳走になるか」
「それじゃあですね」
「食べ終わったらな」
 それからというのです。 
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