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とある異世界の交差物語(クロスオーバー)

作者:鉄龍王
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第21話  黒の剣士、家族と語る

 
前書き
やっとできました!日曜日曜と言いながら結局出来上がってないこの体たらく……パソコンを持たないこの身。休みや仕事明けを利用して何とか今回の話を書き上げました。

こんな駄文ですがよかったら見ていって下さい


それではどうぞ! 

 


エギルの店を出て、俺はSAOからの仲間…タカトラこと藤堂 平助と別れ、急いで実家に戻った。俺は自分の部屋まで戻り、2年間俺を縛り続け、だけど同時に共に戦い続けた戦友と呼べるナーブギアを持ち、もう一度俺に力を貸してもらうよう願いながら頭に被ろうとした瞬間、俺にとって想定外の展開が起こった


「お兄ちゃん!今お母さんから電話があったんだけど、明後日“あの人”が遊びに来るっ……て………」


突然ドアを開けて俺に尋ねてきた妹 スグに俺がたった今ナーブギアを被ろうとした瞬間を見られてしまったため、当然スグの反応は…


「お兄ちゃんっ!!何でナーブギアなんか持ってるのっ!!」

「え゛!えと、その……」

(スグ)の圧倒的な気迫に俺は情けない声を出してしまった。心なしかスグの後ろに金棒を持った巨大な鬼の幻想が見えた気がした……

俺は事の詳細をアッサリとばらした。するとスグは何を思ったのか……

「それなら あたしも手伝うっ!!」

なんて、トンデモナイことを発言しやがった…!

「な、ダメだ!そんな危ないマネをスグにさせるわけには…!」

「お兄ちゃんは良くて、あたしはダメなの!?あたしにまたあの2年間の恐い思いを味あわせたいのっ!?」

「!?」

そうだ…スグは2年間、俺がいつ死ぬかわからない恐怖と戦ってたんだ。毎日病院へ見舞いに通い、病院に着くたびに誰かが死んでいる報告を聞かされ、俺じゃないと分るとホッとするが“次は兄である俺かもしれない”という恐怖とスグは闘っていたんだ。しかもスグは“それに”とつぶやき…

「去年の春…“あの人”がお兄ちゃんの見舞いに来た時にあたしに言ったんだ。『和人を信じてやれ直葉…お前の兄は少々抜けているがイザという時は誰よりも頼りになる男だ。そういう男は約束を破らない。絶対に生きて帰ってくるさ……それでも もし、和人が何かに悩み、苦しんでいたらアイツの力になってやれ直葉…』って…」


“あの人”って“師匠”の事か……まさか今この場にいないあの人にそんなに株を上げられていたとはな…

「わかったよスグ…俺はアスナを助けたい。力を貸してくれ!」

「まかせて!!」


そうして俺はスグことALOで屈指の上位プレイヤー“リーファ”という頼もしい仲間が入ってくれることに胸が熱くなるのを感じながら、ゲームをログインしたらシルフ領近くの森で落ち合う事を約束し、ALOへダイブした。



「リンクスタート!」



そして俺はアバターネーム“キリト”とSAOと変わらない名前で。色的にやっぱり黒を好むからスプリガンとして設定し、妖精の国……“アルブヘイム・オンライン”へと飛び立った



キャラの設定が完了し、ALOの世界に入ったが何故か上空から落下中だった…




「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」








「なん…………ぁ………ぁ………ぁ……っ……!」









何か知り合いの声を聞いた気がするがこっちはそれどころじゃなかった。





「イデッ!」



尻を打ったが何とか無事にALOに到着した……あの高さから落ちてよく尻打った程度で済んだな。まぁそんな事より俺はこの世界の状況としてメニュー画面を開くと見覚えのあるステータスがあった。それもSAO時代に俺が鍛え上げたステータスだった…アイテムメニューを見ると文字化けがほとんどだった。だけど僅かな可能性に賭けて“あるアイテム”を探し続け、最後の一覧に確かに存在した…



MHCP-001



すぐにこのアイテムにタッチした瞬間、雫の形をしたアイテムが輝きだし、その光が人の形に変わっていく。そして俺はこのアイテムに…いや、この子に声をかけた



「俺だ。わかるか?ユイ…」


すると今まで目を閉じてた俺とアスナの娘…ユイが目を開き、涙を流した

「また、会えましたね…パパ……」

「ユイ!」

「パパ…パパァ……!」

飛び込んできたユイを俺は優しく抱きしめ、もう会えないかと思っていた愛娘(ユイ)と再会できた歓びを胸に思わずこの言葉を呟いた



「奇跡って…あるんだな…」



俺とユイの感動の再会の余韻に浸っていると、林の向こうで何か争う音が聞こえたので行ってみることにした



ちなみに目的地に着く間ユイの指導の下、フラフラと情けない飛び方で駆け付けたのだが


そこにいたのは金髪の妖精…シルフのプレイヤーが全身赤い鎧をまとった3人の妖精…恐らくサラマンダーのプレイヤーに囲まれていた。あのシルフは恐らくリーファなんだろうけど、俺は即座にサラマンダー2人を斬り捨て、残り一人に“アンタも戦う?”と聞くが、アッサリと降参し、退散してくれたところでシルフのプレイヤーと合流し、まず確認をした

「えーと、リーファ…だよな?」

「そっちはお兄ちゃん…だよね?」

なにか色々とアクシデントがあったが、当初の予定通り合流することが出来たところでさてどうするか話し合おうとした所で




「ぜい…ぜい…ぜい…」




後ろから息切れを起こした声が聞こえてきたので振り返ってみるとそこにいたのは戦友(タカトラ)によく似たサラマンダーが約一名、肩で息をしているほど疲労していた










そして俺達はサラマンダー、いや…タカトラと合流し、アイツの説得で俺は一人ではなく仲間を頼る道を選んだ。その為に俺達は、作戦会議をするためにスイルベーンへと向かった


到着して早々、俺達はシルフからすごい注目の的になっていた 


「オレ達…なんか浮かんでないか?つーかオレが一番シルフ達に睨まれてないか?」

「そりゃそうだよ…お兄ちゃんもそうだけど、タカトラ君はサラマンダーだからシルフの皆からは“サラマンダーが単身でシルフ領に入って来た”って警戒されてるよ?」

「え!?まじかよっ!!??」

「災難だな、タカトラ!」

「うるせー!」


そうこうしてるとシルフの少年が俺達…というよりリーファの元に駆けて来た

「リーファちゃーん!」

「レコン!」

「知り合い?」

「うん。あたしのクラスメイト」

「無事だったんだ。流石はリーファちゃん………って、スプリガンにサラマンダー!?」

やっと俺とタカトラに気付いたのかレコンは警戒し、腰の短剣を握る。

「ああ、大丈夫よ。この人たちはあたしのリアルの知り合い」

「へ?そうなの?」

「うん」

それで納得したのかレコンは短剣から手を離し、自己紹介をした。

「えっと…初めまして。リーファちゃんと同じパーティーメンバーのレコンです」

「キリトだ。よろしく」

「オレはタカトラ。サラマンダーだけど、アイツ等の仲間ってわけじゃねえから安心しな」

自己紹介を終わらせて俺は“ある事”と話そうとタカトラと小声で相談した


(タカトラ。レコンはリーファとリアルの知り合いみたいだし、俺たちが“SAO生還者(サバイバー)”だって事話さないか?)

(別にかまわねぇけど、何で急に?)

(この先、アスナを助けるのにやっぱり人出は多いほうがいい。だけど下手にあやしい奴を仲間に入れたくない。だから、少しずつ信用できるプレイヤーを増せば心強い。どうだろ?)

(……わかった。オレの方でもALO(ここ)に来る前に知り合いに連絡したから詳しいことは後で話そう)


「リーファ、レコンに俺とタカトラの事を話そうと思ってるんだけどいいか?」

「私はいいけど……レコン、あんたはどうする?」

「うれしいけど…今は止めておく」

「どうして?」

リーファの誘いを断るレコンに理由を聞くと



「シグルドたちがいつもの酒場で席取って待ってるから…それに最近のシグルドの動きが怪しいからね。ちょっとその様子を見ておきたいんだ」

「「シグルド?」」

シルフ(うち)の領主サクヤの側近で《シルフ五傑》と呼ばれる程の超アクティブプレイヤーなの」

「なるほどな…そのシグルドって奴はシルフのナンバー2で最近怪しい動きをしている…と」

「そういう事…だから僕はもう少しシグルドのパーティーにいるよ」

「そう……だったら気を付けなさいよ!アンタってどこかでドジを踏むことが多いんだから!」

「わ、わかってるよ!それじゃ…あ!キリトさん!タカトラさん!」

「「ん?」」

「誘ってくれてありがとう!シグルドの件が終わったら、絶対に貴方達のパーティーに入ります!」


その言葉に嬉しくなった俺とタカトラはこう返した

「ああ、わかった!」

「いつでも待ってるぜ!レコン!」


そう言って俺たちはレコンを見送った後に“すずらん亭”へと向かった




少しレコンを見送った後、俺とユイ、リーファ、タカトラの4人の作戦会議…世界樹攻略を始めた


「それじゃあリーファ、あの世界樹までの最短ルートってどう行けばいいんだ?」

「まずはこのシルフ領で一番高い風の塔の頂上から飛んで行くの。長距離を飛ぶには塔の天辺から出た方が高度を稼げるの。そこからの距離はかなりあるけどルグルー回廊って所まで行くんだけど、その直前に山脈が見えるからそこから飛ばずに徒歩で洞窟に入るの。詳しいことは向こうに着いてから説明するね」

「わかった。それじゃあ、行こうか皆…」

「あぁ、ちょっと待ってくれキリト」

「なんだよ?」

「実はALO(ここ)に来る前に助っ人を頼んでいたんだ。オレもログインする前に下調べしたからその助っ人にもルグルー回廊で落ち合う手筈になってる。そのうちの一人はソウジだ」


「ソウジか…わかった。あと1人は?」

「あと1人はオレとソウジの知り合いだけど、戦力になる男だから大丈夫だ」

「でもその人ってVRMMOをやったことがあるの?」

「ああ、それは無いけどあの人は北辰一刀流の使い手だから戦闘に関しちゃ問題ないぜ」

「「北辰一刀流!?」」

北辰一刀流っていったら俺でも知ってるくらい有名な剣術の1つじゃないか!!そんな剣士がおれたちの仲間になってくれるってことか!?

「ああ、オレも北辰一刀流の使い手だけど、剣の腕と頭の回転ならあの人が上だな。味方になってくれたらかなりの戦力になるぜ?」

それを聞いた俺とリーファは昂ぶる気持ちをなんとか抑えながらもすぐに出発準備をした

「よし!その話を聞いたら早く行かなきゃいけないじゃないか!!」

「そうだねお兄ちゃん!!」


スイルベーンである程度の武器とアイテムを調達した俺たちはシルフ領にそびえ立つ風の塔へ向かった。


そして塔へ着き、いざそのエレベーターへ向かった瞬間


「リーファ!」


いきなり俺たち…正確にはリーファに声をかけた男性プレイヤーが数人の仲間を連れて近づいてきた

「こんにちわシグルド…」

先頭の男…成程、コイツがシグルドか…

「パーティーから抜けるみたいだな」

「まぁね。しばらくこの人達と一緒にやることになってるから…」

「勝手だな。残りのメンバーが迷惑すると思わないのか?」

「な!?」

「それにお前は俺のパーティーの一員として既に名が通ってる。そのお前が理由もなく抜けたらこちらの顔に泥を塗られることになる」

「話が違うじゃない!!パーティーに参加するのは都合の付くときだけで、抜けたくなったらいつでも抜けていい約束だったでしょ!?」

「約束?俺はそんな条件を飲んだ覚えはないぞ?勝手なことを言うな!」

「っ!?」

自分勝手にも程がある。シグルド(このおとこ)の言い分に腹を立てた俺とタカトラはリーファの前に出てこう言い切った

「「仲間はアイテムじゃないぜ」」

「なに?」

「他のプレイヤーをアンタの大事な剣や鎧みたいに…」

「装備欄にロックしとくことはできねぇって言ったんだよ!」

「き、貴様ら!」

俺とタカトラの言葉にシグルドは腰の剣の柄に手をかける。

「屑漁りのスプリガンとサラマンダー風情が!!どうせ領地を追い出された脱領者(レネゲイド)だろう!」


あまりの言葉に俺たちより先にリーファが前に出た

「失礼すぎよシグルド!!キリト君とタカトラ君は……あたしの新しいパーティーメンバーよ!」

その言葉が効いたのかシグルドは呆然となり、動かなくなった


そしてシグルドを横切ると擦れ違い様に

「今俺を裏切れば近いうちに必ず後悔することになるぞ」

「留まって後悔するよりずっとマシよ!」

その言葉が決定打になったのかシグルドの歯軋りが響き渡り、この言葉を言い残し、立ち去った


「戻りたくなった時のために泣いて土下座する練習をしておくんだな!!」



シグルドのおかげで空気が重い状態でエレベーターに乗り、最上階まで待っていたがこの状況は正直キツかった


「ごめんねお兄ちゃん、タカトラ君。変なことに巻き込んじゃって……」

「いや、俺も火に油を注ぐような真似しちゃって……」

「俺も悪かった。あんな腹の立つ野郎は久しぶりだったからつい……」


なんとか会話をするが余計に空気が重くなった。だけど風の塔の天辺に立ち、夜明けの景色が視界に入ったおかげでそんな空気は吹き飛んだ


「うわあぁ…!」

「すげぇ…!」

「ああ、なんか気分がスッキリする景色だな…」

リーファはクスッと微笑みながら先頭に立った

「それじゃ行こう!お兄ちゃん!タカトラ君!」

「ああ!」

「おう!」


そして俺たち4人は世界樹に向かって飛び立った。アスナを救うために!



待っててくれアスナ……今行くからな!!




 
 

 
後書き
はい!こんな感じです!リーファこと直葉はソッコーでキリトの秘密を知ります!ここから原作から離れた展開にするつもりです。次回もお楽しみにして下さい!
それからキリトが言ってた“師匠”は私が考えたオリキャラです。ALOの終盤に出す予定です。


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