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ソードアート・オンラインーツインズー

作者:相宮心
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SAO編-白百合の刃-
  SAO22-黒服再来


「シリカ?」
「うん、いろいろ会って、友達になったの」
「……なに、自分の名前でも一文字間違っているの?」
「一文字? あ、本当だ、一文字違っている! 私とシリカ!」

 能天気に笑うキリカは相変わらず抜けているバカな人だとつくづく思う。今さらそれに気づいて無意味に声上げたりする姿を見て尚更そう思うわ。
 でも、それがキリカの良い所ではあるのよね。
 話を聞けばその人、シリカという人物はキリカにとって少ない友人らしい。昔、少しの間だけどペアを組み、本来の目的を置きながらも、失った使い魔を蘇生するアイテムを取りに一緒に行動した結果、使い魔は蘇生に成功。ついでに本来の目的も成功したそうだ。
 そんな日々を過ごしていたのなら、一文字違いに気づくはずなのに今更とか……ほんと、ボケボケしている。
 私、こんなボケボケの人の胸に泣いたのが恥ずかしくなってくる。

「あれ? ドウセツもしかして嫉妬した?」
「するわけないでしょ」

 それくらいで妬いたりするような人じゃないわよ。それに、キリカが妬いて欲しそうに微笑で誘っているから抵抗したくもなる。
 無性に(しゃく)になったのでヘコませようとした時、キリカを庇うように鈴の音色が鳴り響いた。

「あ、来た来た。はーい」

 運良くキリカは玄関へ行ってしまった。
 ……そのシリカと言う人物はどのような人なのかしらね? キリカは私のこと好みとかほざいていたから私似なのか? そうだとしたら空気が重くなりそうね。
 とりあえずキリカの後を追ってみると、玄関前には薄い亜麻色の赤い玉のような髪飾りで結んだツインテールの少女と、

「きゅる!」

 ペールブルーの綿毛で包んだ、小さな竜が招いて来たようだ。

「わっ、どうしたの、ピナ?!」

 滅多に出現しないフェザーリドラをテイミングに成功したビーストテイマーが話題になったけど、もしかしたらシリカという人物がそうなのね。
 それで……なんでフェザーリドラが私に飛び込んで胸を擦っているのかしら?

「きゅきゅ~、きゅー」
「ピナ駄目だよ。こっちにおいで」
「きゅ」

 パタパタと羽ばたき、シリカと言う人物である少女の肩に移った。
 使い魔って、人の言うことなんて聞かないって聞いたけど、珍しく素直にしつけがなっている……いや、いきなり飛びこんで来たからなってはいないか。

「すみません、ピナが急に飛びついてしまいまして……」

 背が小さいツインテールの子が使い魔を抱きつつペコっと謝ってきた。

「別にいいわよ。いきなり使い魔を襲わせるような不埒な人じゃなくて安心したわ」
「あうぅ……」

 背が小さいツインテールの子は私の言葉でヘコんでしまった。
 どうも私は人に対して傷つけさせることが癖になっているわね。直す気はないけど。

「もう、ドウセツったら……」

 キリカは呆れつつ背が小さいツインテールの子の頭をそっと撫でてから私に紹介した。

「紹介するね、このクールでおっかなそうお姉さんだけど、不器用な優しさを持つドウセツだよ」
「普通に名前だけ言えばいいから」

 おっかなそうなお姉さんなのか優しいのかハッキリさせなさいよ。それにそんなんじゃないし。
 そんなことを思ってもキリカの口は止まらない。そして今度は私にシリカという背が小さいツインテールの子を紹介した。

「で、ドウセツ。こっちがシリカで、フェザーリドラのピナ」

 ついでに使い魔の名前も紹介された。

「よ、よろしくお願いします。ドウセツさん」

 シリカは礼儀正しく頭を下げて挨拶をしてきた。
 印象としては騙されやすく、悪人とかに利用させとうだ。あと一部の変態とか好きそうな外見をしている。アイドルとかやったら大変そうね。
 
「ところで……ピナはなんでドウセツに飛び込んだのかな?」

 キリカが急に話題を変えて来た。なんでそうする必要があるのかと考えてみたら、私が黙っているせいだと気づく。おそらく私が黙っているせいで、シリカが萎縮してしまったからキリカが気をつかい話題を変えたというところだろう。

「そうですね……ピナがドウセツさんのことが好きだから、かな?」
「きゅる」

 シリカが自信なさそうに理由を口にすると、フェアリーリドラが元気よく鳴った。

「ドウセツモテモテだね~」
「うざい」

 キリカが変な声で肘で肩をぐりぐりしてきたので、うざい気持ちと苛立ったのでキリカに肘打ちをした。モンスターに好かれてもなにも嬉しくない。人にモテるのもそれはそれで問題だわ。

「いててて……あ、そうだ。シリカ、“あれ”作ってきた?」
「はい!“あれ”作って来ました!」

 キリカはまたしても話題を切り替えた。
“あれ”と言うものは良く分からないが、あまり大したことではないだろうと思ったら、キリカが急に外へ一歩踏み出した。

「じゃあ、兄の新居にレッツラゴー!」
「はい!」
「きゅるー!」

 キリカの跡に続いてシリカもピナも隣のログハウスへ向かって行った。
 キリトとアスナにも紹介するのね……。二人っきりより大人数で楽しむほうがいいと……キリカらしい考えなのかしらね。

「ドウセツも早く早くー!」

 キリカはすぐにでも近寄ることができる距離で手を振って誘っていた。
 たいした距離もないのに、手を振るキリカの姿は、まるで子供だった。
 ……ばっかみたい。
 つい最近までは、目の前にいるバカが嫌いじゃなくて、心地よい好きだってことを実感してしまいそう。拒むわけじゃないけど、恥ずかしいところは見せたくないから半分は認めないつもりでいる。それでも半分、半分以上はバカだと思うキリカの側に引き寄せられてしまうのも悪くはない、心地よい隣だと私は歩んでしまう。

「……はしゃぎすぎると幼稚化するわよ」
「急激に退化するわけないだろ。恐いわ」
「脳が退化するのよ。そうね…………廃人になるぐらい退化するわ」
「退化じゃなくてそれは悪化だよ! その言い方だと、私、まるで昔は廃人だったってことになるじゃないか!」
「えっ、違うの?」
「真顔で返さないでよ!」

 日頃のお日様のような温かさの仕返しをしてスッキリした。

「羨ましいですね……」

 シリカがぽつりと言うのが耳に入った。何が羨ましいのか……わかりたくはなかったので、否定をした。

「あんな変態のどこが羨ましいのよ。感覚がおかしいわね」
「えっ、えぇっ!? で、でも……」

 戸惑いながらもシリカはしっかりと口にした。

「ドウセツさんとキリカさん……まるで夫婦漫才みたいで楽しそうでした。あたし憧れます」

 どこをどうみたら漫才や夫婦に見えるのかしらね。きっと視界も悪いんだわ。

「バカね。眼科でも行って治してきなさい」
「あたしの目は異常じゃないです!」
「ちょっとドウセツ、シリカをいじめないでよ~」
「キリカは頭の中を手術しに行ったら? 頭が良くなるわよ」
「人を頭悪い言い方しないでよ!」

 キリカとシリカの一文字違いの二人がギャーギャー行っているが適当に流して、いつものように私は言葉を武器に二人を当てる。そうすることで、自分を保っていた。
 そんな言葉を武器にする私をキリカとシリカは文句を言いつつも嫌っていないことには……感謝した。
 キリカは自ら先頭に立ち、隣のログハウスにノックしてから数秒後、ドアからキリカの双子兄であるキリトが出迎えてきた。

「はーいって、来たか」
「キ~リト君、あ、そびっま、しょう」
「発音おかしいし、低いし、小学生か」
「トモダチっぽいでしょ?」
「どこがだよ」

 私にはわからないが……どこかのネタなんでしょうね。と言うより、皆わかっていなかった。実の兄であるキリトもクエスチョンマークを浮かべている。
 空気に察したキリカは話を切り替え始めた。

「……それはともかく、シリカ連れてきたよ」
「ん? あぁ……この子がシリカか」

 キリトの視線がシリカに向けられる。容姿を確認するようにキリトの視線は再びキリカに戻し、話を進めた。

「こっちも来ているから入れよ。自己紹介はそこからでもおかしくはないだろ?」
「そうだね」

 キリカの勝手な判断で決めつけると、キリトとアスナのログハウスに上がり込んだ。その後ろにいるシリカも「お邪魔します」とキリトに挨拶をして、中に入って行った。

「……誰か来ているの?」

 私はキリトに問いかける。“こっち”もということは、誰かしらシリカ以外の来客がいることに繋がるはず。

「まぁ、リビングに行けばわかることだよ。ほら、ドウセツも上がれよ」
「……そうするわ」

 誰が来ようと私には関係ないわ。どうせ私の性格からして、キリカやアスナの方が話しやすいし仲良くなりやすい。
 家に上がった私はリビングに向かった。すでにキリカとシリカは椅子に座って雑談をしていた。
 その相手はパフスリーブの上着に、フレアスカート、その上から胸元に赤いリボンが飾っている純白のエプロンをつけたウェイトレス風の服装で、ピンク色のショートヘアの少女と私服姿のアスナが話していた。

「あ、ドウセツ。こっち、こっち~」

 キリカが上体を伸ばして片方の手で招いてくる。とりあえずキリカの隣に足を運ぼうとした瞬間、

「ドウセツ?」

 ピンク色のショートヘア少女は振り返っては、椅子から落ちそうに驚愕した。

「ド、ドドドド、ドウセツ!?」
「……そうだけど、なに?」
「な、なんであんたがここにいるの!?」

 ピンク色のショートヘアの少女は驚愕した反動で立ち上がり、私を指さしていた。

「いたら悪いかしら?」

 実は後ろ姿でもピンク色の髪で大幅に人選が絞り取れた。私が知る中ではピンク色の髪でショートヘア、そしてアスナと交流があるプレイヤーは一人しかいない。

「久しぶりね……シャーベット」
「誰が冷たいアイスだ! リズベットだよ!」
「……シャーベットの方が良くない? 改名したら?」
「なんであんたの名前間違いで改名しなくちゃならないのよ。しかも今更リズで通しているのに改名できるか!」

 何ヶ月という程、月日は経っていないが、あいかわらずうるさくて声が張るバカな人だこと。私的にはシャーベットでもいいと思うのにもったいないわね。

「あの……ドウセツ、リズのこと知っているの?」

 キリカが問いかけてくる。すでにリズベットの愛称であるリズを使い始めているとすぐに仲良くなったようだ。だったらリズに訊けばいいのにとは思ったが、せっかくだから私直々にリズベットことリズを紹介してみようではないか。

「キリカ、彼女はリズベット。見た目は童顔でアニメに出てきそうなキャラだけど、剣を作って壊されたりするのが大好きな、バカであって喧しい人。貴女と同じ変態よ」
「どう言う自己紹介するのよ、あんた!! 失礼過ぎるでしょ!!」
「さりげなく私も変態扱いするなよ!」

 うるさいわね……。似た者同士が騒ぐとより喧しく響くわ。言っていること間違ってないんだから静かにしてなさいよ。

「あ、あの、これキリカさんが好評したチーズケーキです」
「美味そうだな、さっそく食おうぜ」
「キリト君そう急かさないの!」

 予想通りに、シリカの“あれ”食べ物だった。それに早速釣られる、キリトだった。そして文句を言いつつもみんなに切り分けるアスナだった。

「ところでドウセツ」

 ところでなんだろうか? リズベットがいつもの調子で話かけてくる。

「“あれ”は渡したの?」
「あぁ……“あれ”ね」

 リズベットがいう、“あれ”という言葉がすぐに浮かんできて理解した。それを素直にリズベットに伝えるかどうかは、考えどころだけど……。

「で、どうなのよ! 渡せたの!?」
「渡したわよ」

 いや、別に隠すことではないわね。けして迫ってくるリズベットがうざかったから何も考えなしには言っていない。

「そっか、渡せたのね……」

 リズベットは一息吐き、一安心する。
 なんでリズベットが安心するのかしらね。別になんもドラマティックな展開なんてないし、感動的もなく、さり気なく渡しただけなんだけどね。
 向こうがカタナを失ったから貸してくれないという流れで渡したってリズベットに教えたらどんな顔をするのかしらね。



 それは九月のある日のこと、私はとある“借り”を返すために、プレゼントを渡そうと考えた。
 私には女子が喜びそうな物とかよくわからないから、この世界で必要な武器を渡そうと考えた。
 それを仕方なくアスナに相談して、武具店を紹介されたのが……。

「ここね……」

 四十八層主街区『リンダース』にある武具店だった。
 アスナが紹介した店の名前は『リズベット武具店』水車はあるけど思っていたよりも普通の店が印象だった。アスナの友達だから……きっとお人好しで馬鹿っぽい人が経営してそうね。
 …………。 

「……なんか、最近お人好しの人しか喋ってないような気がする」

 嘆息。
 私は手っ取り早く終わらしたいので『リズベット武具店』に入った。
 アスナからリズベットの特徴は聞いている。ピンクの髪にダークブルーの大きめな瞳で人形みたいな人だと。
 その人物は見つかった。
 見つかったのだが、リズベットという人は大きな揺り椅子で寝ていた。

「…………お客様が来たのに寝ているとか、店として失格ね」

 いつものように、相手の気づかい関係なく思ったことを素直に吐いた。
 このまま寝ていても困るので、私はリズベットを起こした。

「起きなさい、リズ」
「はっ、ご、ごめん、キリト!!」
「……は?」

 リズ、ベット……そう言い終わらないうちに、リズベットはバネのように跳ね飛び上がり、大声で私のことを誰かと勘違いしていた。

「キリ……ト……?」
「違うわよ」
「……えっ?」

 寝ぼけているリズベットはようやく私が勘違いしている相手だと気づく。それでも誤魔化し切れると思ったのか、リズベットは周囲を見渡し始める。
 生憎、店内は私と店主であるリズベットの二人しかいない。
 ようやく自分の失態に気づいたリズベットは赤面に変化しつつ、私に謝罪をした。

「ご、ごめんなさい! 黒い服だと思って勘違いしていました!」

 勘違いの程にもあった。何故なら、私はキリトと言う『黒の剣士』を知っているからだ。知っている人物だけあって、彼と比べるのは不服だ。

「けっこうショックなのよ」
「ごめんなさい」
「だからタダでよろしく」
「た、タダでですか?」
「何よ、女が男と間違われるのは傷つくわよ」
「それは……って、なんでキリトが男子だって知っているの?」
「アスナから愚痴られているから」
「今、アスナって……あ、ああ――――!」

 リズベットはカミナリが落ちたかのようにショックが落ちてきては、人の顔を見て思い出したように指を指す。そして強めの口調で言葉が店内を響かせた。

「あんた『漆黒』のドウセツね! 噂でもいろいろと聞いているし、アスナからいろいろと聞いたことあるわよ!」
「それなら自己紹介の手間が省けるね」
「そういうところがアスナを悩ませているのがわかっていないの!? アスナはね、貴女の行動が自由すぎて悩んでいるのよ! 少しは慎もうとは思わないの!?」
「別に私は貴女になにかしら不満を持たれるようなことはしたかしら?」
「アスナの友達として変わりに言っているの!」

 そんなのリズベットが勝手に言っているだけじゃない。アスナもアスナで余計なことを言わなくてもいいじゃない。でも、リズベットの怒り具合を見ていると、相当私のことで愚痴っているかもしれないわね。改善する気なんてさらさらないけど。

「そんで、『漆黒』のドウセツさんは、なにしき来たのよ!」

 人の名前を嫌味っぽく口にするリズベット。明らかにケンカを売っている。

「私はアスナからの紹介でこの店にある武器を買いに来たのよ。なに、当たり前のこと聞いちゃっているの?」
「この……っ!」

 リズベットは正論を突きつけられて、イラっとした様子だけど、拳をギュッと握って耐え抜き、

「いらっしゃいませ。どんな武器をお探しですか?」

 営業スマイルで、店主として客である私に挨拶をした。
 ただ、右眉毛が上下にピクピク動いているのを見ると、無理に笑顔を作っている。我慢ならないなら作らなくてもいいわよ……。
 さてと、無駄な時間を使ってしまったわね。さっさと買って帰るとしましょう。

「武器はカタナ。オーダーメイドでこの店の中で一番強いものね」

 特集素材を用いたオーダー武器を注文する。

「今ちょっと金属の相場が上がっていまして、多少お高くなってしまうかと思うのですが……」
「それをわかっていて言っているのよ。察しなさいよ」
「貴女のために言っているんですよ! なんで、貴女もキリトも涼しい顔で言えるのですか!」

 オーダー武器の相場は最低でも十万コルを超えるそうだ。そんなことは承知で言わなければ、別の武器を買っている。

「金はあるのだから、用意しなさいよ」
「この……っ!」

 私の態度に気に食わなかったリズベットはぶつぶつと呟き始めた。
 
「良いところなんてないじゃない……なんであんな失礼極まりない人がアスナの友達なのよ。しかも、キリトと同じように言ってくるし、なに? 双子なの? それなら納得するわね……」

 全部聞こえていた。
 そっと黙ってスルーするのもいいと思ったが、考え直して間違いを指摘することにした。

「向こうが勝手に友達も良いところも言っているだけよ。キリトと言う男とは関係ない。それに私は、姉も兄もいないわよ」
「聞こえていたの!?」
「聞こえていたわよ。そういうことは、心の中で自分に話しかけたほうがいいわよ。それが出来ないからぶつぶつと口に漏れたのよね。失礼」
「むっきー!!」

 彼女は鼻息が豪快に吹くように怒り、不機嫌丸出しで奥の壁に掛けてあるカタナを外す。そしてそれを雑に渡してきた。

「これがうちにある最高のカタナよ! どうよ!」

 強引に刀を受け取られた私は、虎の模様を描いた朱色の鞘から抜き出し、刀身を見つめる。同色の革装、刀身は薄い朱色に輝いている。例えるなら、日照りの刃。前向きをカタナに込めて戦う意思を表しているかもしれない。
 私には、相性合わないわね。

「……けっこう重いのね」
「使った金属がパワー系だからね」
「そう」

 軽く振ってみるが、私としてはもう少し重さを減らせば丁度良いかもしれない。私は速さと重さの適度を持った物が好むところだが、私が買うわけでもないので問題ない。私ではなく、“彼女”だったら使いこなせるかもしれない。
 ビルド構成はステータスを見ていないが、少なくとも耐久を重視した構成にはしていないはずだ。
 後は……試すだけね。
 私は一度カタナをリズベットに返す。

「な、なに?
「そのカタナを私の頭上に投げてちょうだい。試すから」
「え、は? 試す?」
「相応しいかどうかよ」

 リズベットは頭が混乱しているのか、口を開けながら黙ってしまった。

「……いや、なんでよ?」
「いいからして、お願い」

 渋々了知したリズベットは、朱色のカタナを山なりのように投げる。
 頭上に浮くカタナに、『居合い』と言う鞘を収めたカタナを一気に抜き放ち、一閃。
 カタナとカタナが衝突する。

「きゃっ」

 衝撃音が店内を響き震わせ、リズベットはビクッと悲鳴を上げる。極めて私は冷静でいられた。衝突によって閃光が放たれ、その一瞬の時をしっかりと捉えることが出来たのだから。
 私はカタナを鞘に収めて、結果を報告した。

「相応しいくは…………ないみたいね、悪いけど」
「えっ? あ、ああ――――!!」

 私の黒刀は、朱色のカタナの刀身を綺麗に斬ることが出来てしまった。

「ま、まただ……黒い服に、頭がおかしい客に、商品を壊すとか、常識外れているとか…………」

 リズベットは結果を受け入れずに、膝を折って項垂れてしまった。またブツブツと呟いているので、そこを指摘しようと口を開いたら、急に立ち上がって抗議してきた。

「なにすんのよ! スパンっと斬るんじゃないわよ! スパンっと!」
「私が求めた武器じゃないわ」
「そんな、あっさり言うな――!!」
「悪い武器ではないけど、相応しくない。それだけの結果よ」

 事実を言うとリズベットからブチッと糸が切れる音がハッキリと耳に届いた。

「そ、その黒刀を見せてくれないかな?」
「捨てたら、訴えてこの店潰すわよ」
「一部の商品を壊したあんたが言うな!」
「故意ではないわ」
「わざとじゃないからって、うちの商品スパッと斬るなぁ――――!!」

 お怒りの店長が何がなんでも、私の黒刀が見たいらしい。でも確かに店の商品を壊した私に非はあるので、素直に黒刀をリズベットに渡した。

「たくもー……って、なにこれ!?」

 誰もが必ず驚くでしょうね。
 だってそれは、世にも珍しいカタナ。

「固有名…………『黒椿(くろつばき)』」

 私が愛用する黒刀『黒椿』
 高難易度のクエストでしか手に入れることができない、黒いカタナを手に入れようとしたプレイヤーは、どれだけ犠牲になったのだろうか。少なくとも確実に死人は出ているはず。
 曰く。
 『黒椿』を手にした人間には、死が訪れる呪いのカタナ。
 故にカタナではなく、

「妖刀……」
「そう。そして、それを受け取った人は…………死ぬ」
「えっ、あ、あたし、受け取っちゃったじゃない! ど、どうすんのよ、呪われたら! 火の車通りこし大火事になるじゃない!」
「なんの話しているのよ……それに冗談だから、別にそんなに驚かなくてもいいわよ」
「え? ほ、ほんと……って、冗談だったら少しはその清ました顔なんとかしなさいよ!」

 なんか顔のことを言われたが、笑えとは言っていないので笑わないことにする。笑えといっても笑わないけど。
 冗談を真に受けたリズベットは一度放してしまった『黒椿』をもう一度調べる仕草をした。別に床に落ちたところで何も支障はないからいいんだけど、武器を落とさずにカウンターに置くのは店主としての意地というものなのか? 
 五ミリぐらいは見直すとしよう。

「……よくこんなの手に入れたわね……」
「そうね。それを手に入れたら大量のモンスターに囲まれて襲ってきたけど、私としてはまだ楽なクエストだったわ」
「まだ楽って……あんたどんだけ修羅場括ってんのよ」

 リズベットは呆れていた。私が清ました顔で言うからいけないのかしら?
 私はまだ楽だったけど、『黒椿』入手クエストでは死人が出たことは確かだから、けして危険なクエストではない。それでも、まだ二十五層のボスと五十層のボス、裏五十五層のボスと比べればまだマシだった。
 ……それはともかく。

「『黒椿』と同じくらいのカタナが欲しいけど…………あの程度のカタナはいらないわね」
「あの程度って言うけど、『リズベット武具店』の最高傑作のカタナなのよ!」
「私にとってはあの程度」
「黙らっしゃい! ……い、言っておくけどね、材料さえあれば、そんなカタナなんかスパンって斬り落とすくらい、いくらでも鍛えられるんだからね!」
「なら、今すぐやってもらいましょうか」
「…………は?」

さっきの勢いはどうしたのか、まるで自分の予想外な言葉を聞いて、目が丸くしている。いや実際呆気に取られていた。
 武具店の最高クラスのカタナが『黒椿』を越えられずに、斬られて消滅するくらいのことは想定内だった。“彼女”にあげるプレゼントはいつか必ず役に立つ武器が必要不可欠。故に、『黒椿』と同様のカタナを私は求めていた。
 だから、万が一のことを考えて、私はカタナに必要な素材を集めていた。
 メニューウインドウを開けて、ありったけの高級素材をカウンターに全て取りだした。

「これくらいあるのだから、出来るわよね?」
「あ、あんたね……」
「それとも自信だけしかないの? それは悪かったわ。弁償するからここよりも良い店紹介してくれるとありがたいんだけど?」
「言わせておけば……!」

 ブルブルと震えあがったリズネットは、憤怒の勢い良く素材を手に取り作業に取り掛かった。

「やってやろうじゃないの! あんたのカタナなんか折ってやるわよ! バキバキに、ボキボキにしてやるわ! あんたなんか、大嫌いだ――――!!」
「叩く相手も向く相手も私じゃないの? 武器に言っているの?」
「うるさ――――い!!」

 騒がしいし、よく吠えているものの、やる気が上がって何よりだが…………勢い余って失敗しないでほしいわね。



 気がつけば壮大な空に存在する太陽は沈み、満月が浮かび夜になっていた。

「こ、今後こそ!」

 リズベットは願いを込めるようにカタナを上に投げる。その反動か、目を閉じていた。
 ……ちょっとズレているじゃない。ちゃんとしっかりと目標を定めて投げて欲しいわね。
 そう思いながら、『黒椿』でリズベットが作り終えたばかりのカタナを居合いで斬り捨てた。そしていつも通りに『黒椿』は。そのカタナの刀身が真っ二つに斬り落とされた。

「ぎゃああああ――!! もう何度目よ!!」
「九回目」
「冷静に数を報告するな――――!!」

 そんなに頭を抱えて、髪をかきながら叫ばなくてもいいじゃない。うるさいだけよ。
 張り切っていた割には今のところリズベットが作ったカタナは全戦全敗。良い素材で出来たカタナは、容赦なく妖刀によって相応しくないとバッサリ斬られて、ポリゴンの破片となって消える。
 最初のやる気と勢いと裏腹に結果は実ることない。五回目から目を閉じて、カタナを投げるのも少しやけくそになっている反動かもしれない。
 ……“彼女”だったら、励ましの言葉でも送るのだろうけど、私はそういうことはできないから、いつも通りにするだけ。

「スパンと斬る武器と言うより、スパンと斬られる武器しか作っていないわね」
「うるさい! どうなっているの!? その妖刀! うちの店を潰す気か――!!」
「貴女がちゃんと作らないからでしょ?」
「作っているわよ! いつも以上に、必死に、頑張っているから!」

 『黒椿』は妖刀という分類に分けられているが、それもあるせいか、『黒椿』には特殊スキルが存在する。
 それは武器破壊。それもただの武器破壊ではなく、条件がちょっと特殊だ。
 人の手に触れない武器……簡単に言えば、武器を持っていない時に『黒椿』の妖刀に斬られると簡単に斬り落とされる武器破壊。その特殊を防ぐのも特殊で、黒椿よりも素質がいい武器であれば簡単には斬られないようになっている。逆に言えば、黒椿より素質が下の武器は簡単に斬り落とされる。
 そのことを今更ながらもリズベットに教えた。

「と言うことは九回中、九回は黒椿より下の武器を作っていたのね」
「そう言うことよ」
「そういうことはもっと早く言いなさいよ!」
「早かれ遅かれ、知ったところで結果は変わらないわ」

 結果が左右されるのは素材になってしまうから、結局早く教えたところで同じ結果になるのは目に見えているものだ。つまり、私が持ってきた高級素材では『黒椿』と同等にならない。
 リズベットの腕は問題ない。だから問題は『黒椿』と同等以上のカタナになる素材が……考えられるのは、普通に手に入れられない素材が必要だ。

「ねぇ、これよりいい素材とかないの?」
「あったらとっくに渡しているわよ。叩きすぎて頭がバカになっちゃったんじゃないの?」
「い、言っておくけどね! これでも真面目なのよ!」
「なんの自慢よ」

 真面目でもバカな奴は何万もいそうだけどね。リズベットのその一人よ。
 それはともかく、これ以上続けたらいろいろと無意味ね。今日のところは弁償して、家に帰ろう。そして、情報屋から『黒椿』と同等以上のカタナに仕上がる素材を訊くとしよう。

「リズー! 今からどっか食べに行かない?」

 そう思っていたら、お節介で愚痴ってくる栗色の少女が来客してきた。
 リズベットのその少女に気づき、勢い良く近寄って抱きしめていた。

「ア、アスナ――――!!」
「うわっ! きゅ、急に抱きついてどうしたの? それにドウセツも……」

 アスナの胸に寄りそうリズベットは涙目ながらもギロっと私の方へ睨んだ。

「あの冷却で暴虐の客が、あたしの作ったカタナをスパンスパンって斬るんだよー」
「そうなの?」

 なに、急に涙目でアスナに助けてもらおうとするのよ。私は好きで斬っているわけじゃないのよ?

「私だって困っているのよ。この日のために素材を集めたのに、貴女が全部斬られるカタナを作るから台無しよ」
「その妖刀が異常なのよ! そしてそれ以上にあんたが異常よ」
「人のこと異常扱いしないでもらえる? 傷つくんだけど」
「あたしの方が傷ついているわよ!」
「えっ、えっと……話聞かせてもらえる?」



 あることないこと、リズベットは一通りの出来事をアスナに話した。

「ねぇ、アスナ。なんでこんな奴が友達なのよ……」

 リズベットは揺り椅子にもたれながら、力なく発する。彼女からしてみれば、私とアスナの関係に不満を持っているようだ。別にいいけど、それでも。

「ドウセツは不器用で優しいよ」
「嘘だ! 全部に嘘、悪意の塊でしかないわよ!」
「カタナが斬られるのは私ではなくて、黒椿よ。文句なら黒椿に言って」
「そう言うところが悪意の塊だって言っていんの!」
「リズ、落ちついて。ドウセツも挑発しないの」

 アスナの余計なお世話で一旦場は静まった。それはけして空気が悪い意味とは繋がらない。
 これ以上、リズベットにかまっていると、なにしに来たかわからなくなってしまうわね。弁償する前と帰る前に、アスナから情報を訊き出そう。なにか知っているかもしれないわ。

「アスナ、リズベットから一通り話しているから省くけど、なにか情報ないかしら? それも滅多に手に入らない素材アイテム。『黒椿』と同等以上のカタナを仕上げることができるもので」
「…………そうね……」

 人間ってどうして、思い出す時に顔を肩に寄るように曲げて、手で顎を抑えるのかしらね? どうでもいいか。そんな疑問は即座に捨ててから、時間は数秒と言ったところで、アスナはなにかを思い出したようで、リズベットにも聞こえるように話始めた。

「前にイリーナさんがね、教えてくれたんだけど……」

 イリーナさんか。最近は会ってないけど、あの人は今でも部下の育成を専念しているのかしらね。どうでもいいわ。私、あの人……苦手。
 アスナの話に集中しよう。

「ボーナスゲームで解放された裏四十五層のフィールドダンジョン『デッドマウンテン』に出てくる白竜がレア素材を持っているんだって」
「それはクエストでいいのよね?」
「うん、主街区にいる長に話しかければクエストになる。でも、そのクエストってね、成功者は…………まだ出てないって言うのよ」

 なんでイリーナさんはそんなことまで知っているのかは少し疑問に思うが、イリーナさんも情報屋と通じていても何もおかしくはないだろう。
 クエストって言ってもさまざまな種類がある。大抵はそこそこのアイテムが含まれるものがあり、一度誰かがクリアすると次に発生するのに時間はかかるのもあれば、一度しか出来ないものもある。
 誰も成功者はいない……つい最近のクエストが出たばかりだから、未だにいないのか。あるいは難し過ぎて成功できないでいるのか?後者だとすれば、原因は“裏四十五層のフィールドダンジョン”のせいだろう。

「一応聞くけど、アスナは成功者が出ない理由はわかっているの?」
「多分……『デットマウンテン』の“予測不可能な自然現象”だと思う」

 それしかないでしょうね。あの場所は、下手な迷宮よりも厄介な場所なんだから。

「……アスナ、『デットマウンテン』の予測不可能な自然現象ってなんなの?」
「それくらい知っておきなさいよ」
「アスナに聞いているんですー。ドウセツに聞いていませんー」
「あっそう」

 何も知らないリズベットにアスナは裏四十五層、『デッドマウンテン』の恐るべき事実を話した。

「『デッドマウンテン』というフィールドダンジョンは、一見珍しくもない雪山で、当時裏四十五層を攻略するプレイヤーも、一応は警戒するんだけど、それでも雪山程度しか思っていたの」
「何に警戒していたのよ?」
「モンスターとかトラップを警戒していたみたい。裏層だから、普通じゃないってことはわかっていたみたいだけど……誰も『デッドマウンテン』恐ろしい事実を実を持って体験する羽目になってしまったの。それが、猛吹雪だったの」
「猛吹雪?」
「当時、裏層を攻略していたプレイヤーは快晴の空の時に攻略をしていた時に、急に曇り始めてから一気に猛吹雪になったの。猛吹雪の時はクリスタルの効果は無効。そして吹雪に浴び続けるとダメージは受けないけど、麻痺状態になってしまう効果に、当時の『デットマウンテン』を攻略するプレイヤーは猛吹雪に警戒していなかったから、全員浴びてしまったの。しかも、モンスターは吹雪の中でも正常に動けるから、猛吹雪中にモンスターと遭遇したプレイヤーは絶望に追い込まれたこともあったそうなの」

 おまけに『デッドマウンテン』には天気予報なんて無意味。ましてや、晴れていても雨でも関係なく猛吹雪が吹くことだってある。それも吹く条件はランダムで、予測するとしたら、快晴の天気が曇り出した時が一番わかりやすい。

「当時どうやって攻略出来たの?」
「幸いなことに、猛吹雪は吹く時間が長いこともあれば短いこともあるんだって。一時期全滅する可能性があったけど、猛吹雪が短いから全員クリスタルで街に脱出できたんだって。そして裏層攻略するプレイヤーは猛吹雪を警戒しながら、洞穴の安全エリアで猛吹雪を凌いで、晴れた隙にボスモンスターを倒して攻略出来たんだって」
「そうなんだ……運がなかったら、五層分やり直していたかもしれなかったわね」
「そうね……」

 失敗しなくて良かったとアスナとリズベットは一息つき、胸を撫で下ろした。初見殺しにはピッタリだったけど、それさえ越えればなんとかなるものだ。対策もできるのだから。
 それだったら何故、未だにクエストは誰も達成していない? 『デットマウンテン』の攻略の仕方はすでに情報は出回っている。猛吹雪の対処もできるはずだ。更に言えば、対策できていれば簡単なものではないのか?
 ……猛吹雪とは関係ない、そのクエストに躊躇いができるような条件が原因なのか?

「……ともかく、危険度が高いなら、それをやる必要がある素材なのね」
「えっ、ドウセツやるつもりなの?」
「当然」

 いちいち危険だからって、行かないという選択肢はない。常に危険な状況で戦ってきたんだから、今さら危険という言葉に怖気づいて引くわけにはいかないわ。

「じゃあ、私も行く!」
「あたしも!」
「嫌」
「「なんで!!」」

 そんな双子みたいにハモらないで欲しいんだけど、第一なんでついて行く必要があるのかしら?

「ドウセツは私の実力知っているでしょ?」
「アスナは単に、一緒にいると面倒くさい」

 こんな私にかまってくる人なんか、貴女ぐらいしかいないわよ。前までは攻略マシーンのようにうるさかったくせに。

「リズベットは足でまといだからよ」
「馬鹿しないでよ! これでもね、マスターメイサーだからね!」
「あっそう」
「素っ気なく返すなー!」

 少なくとも前線に出てないからアスナより下なのは確かだ。もし、この三人で組むとすれば貴女が一番弱い。攻略組でもないプレイヤーがいるだけで、私にとっては足でまといになること十分。それにリズベットが死んだら、誰がカタナを作るのよ。
 なんて言ったところで、リズベットは引くような人じゃなさそう。むしろ煽られてやる気を出す変態タイプ。それよりもアスナを何とかしないと……かなりしつこいから最近。

「だいたい、アスナはギルドに入っているんでしょ? 寄り道しないでもらいたいんだけど?」
「大丈夫。イリーナさんに頼めばなんとかなる。それに寄り道じゃないわよ」

 この時だけ、攻略の鬼になってほしいと願うものね。

「あたしはね、九回もカタナ作ったのに斬られているから、斬られないカタナを作りたいのよ!」

 駄目だ。このお節介の騎士とバカな鍛冶屋は毒を持ってしても退かない気がした。

「それに、そのクエストあたしがいないと駄目じゃないの?」

 中にはスミスがいないと素材が手に入れないクエストもあることはわかっている。もしかしたら、『デットマウンテン』でのクエストも、スミスがいなければ達成できないクエストの可能性もある。
 面倒だから、これ以上言っても無駄っぽい。仕方ないか……。

「リズベットは足を引っ張ったら、タダしてもらうわよ」
「さっきから上から目線でずいぶんといい度胸じゃない。そっちが足を引っ張ったら、全力で謝ってもらうわよ」
「それはない」
「あるかもしれないじゃない!」

 鍛冶屋に足を引っ張るほどバカじゃない。アスナに関しては言うことないわね、お節介だけど……。
 自分で言うのもなんだが、妙なパーティーが出来上がってしまったわね。

「ドウセツ、リズベットと仲良くしようよ」
「向こうが猿みたいにうるさいだけじゃない」
「どうしてアスナはこんな奴と友達なのよ!」

 …………連れて行っても行かなくても、面倒だった。
 こういう時こそ、“彼女”が必要かもしれないわね。 
 

 
後書き
SAOツインズ追加
シリカとリズベットの関係。
原作ではSAOでは知り合ってないが、ツインズでは既に知り合っている設定。 
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