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IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!

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嘗て在りしもの

「一夏一夏一夏一夏一夏一夏ぁあああ!!会いたかった会いたかったァ!!!」
「わ、解ったから!!解ったから離れ、し、しまるぅ!!!」
「わぁあああ一夏ぁ!!?だ、誰がこんなことを!?」
「「アンタだよ!!!」」

何年ぶりかの再会で溢れかえった思いを止める事が出来ず、そのままに行動した千冬は一夏に抱きついたが、余りにも強く抱きついたのかそのまま身体を締め上げてしまった。グルメ界で鍛えられた屈強な一夏の肉体が悲鳴を上げるレベルの強さで。

「ハァハァ………ったく如何いう力してんだよ……一瞬骨がミシっつったぞ」
「あれ、千冬ってグルメ細胞投与してないよな……?」
「否俺が知るかよ……もしも本当に投与してねぇならとんでもねぇぞ?」
「う~ん………愛が成せる技だね」

遠巻きにその光景を眺める元IGONEOのトップ2と現IGONEOのトップ。既に関係を捨て、完全に決別した姉と弟。本来もう二度と重なる事が無かったはずの道が重なった。

「んっ千冬姉、髪切ったのか?」
「ああ、正直伸ばしていた理由も面倒だったからな。腰より下に行った時に邪魔だからばっさり切ったんだ」
「また理由がズボラだなおい。何で俺は娘にこんな駄姉の名前を付けちまったんだよ……」
「んっ私の名前を娘に付けただと!?や、やはり私の事をまだ家族として、姉として愛してくれているのだな!!」

そう、一夏は優奈との間に産まれた娘に千冬という名前を付けている。もう二度と交わる事の無い姉との道。姉の事を過去に酷く恨んでいたがあの人ほど強く自分を思ってくれた人は初めてだった。だからあの人のように人を守れるような人になってほしいと思ってつけたのが千冬という名だった。一夏としても、初めて尊敬した人なだけ思いいれは深かった。

「一夏ぁぁあああん♪」
「だあああ離れろやこの駄姉!!俺はアンタと決別してんだよ!!ええ加減にせんとワレいてまうぞごらぁああ!!」
「あ、貴方落ち着いて!!キャラが崩壊してる!!色んな意味で崩壊してる!!ブランチ、ブランチになってるから!!」
「やかましいわい、ワイはこれからこの女をぶちのめすんじゃい邪魔すんじゃなか!!」

暫くお待ちください………。


「落ち着いたか?」
「……うん、ごめん。秋久兄」

龍人に腹パンを7回、優奈に飛び蹴りを2回、秋久に拳骨を28発喰らった一夏は漸く正気に戻り大人しくなり、抱きついてくる千冬に手を出さずなされるがままにされている。大人しくしているというよりも、諦めているっと言ったほうが正しいのかもしれない。

「まあ兎に角だ、直ぐにでも出発するのか?」
「出来るだけ早く出発したいのは確かだな。正直早く食ってみたいからな」

口の端から涎をたらしそうになる龍人を見る秋久は昔と変わっていないようで安心したように溜息を漏らす。

「お前もかわらねぇな。まあいい、頑張って来いよ」
「おう」
 
 

 
後書き
次回、長くしたいなぁ 
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