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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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闇の神の戦略

「じょ……冗談じゃ在りません!!」
アスナの説明に、アリスは、思わず叫んだ。椅子を蹴って立ち上がり、右手を胸当てにバシッと当てて、更に言い募る。
「逃げる!?私が!?この世界と、そこに暮らす人々、それにこの守備軍の仲間たちを見捨てて……リアルワールドとやらに!?有り得ない!私は整合騎士です!人界を守る事が最大にして唯一の使命なのです」
「アリス、落ち着いて!!」
「……ほらな。アリスは根っからの騎士だ。アスナ、お前が言ってどうこうなるわけないだろ」
ロードがアリスを宥め、ダークがアスナに言うが、今度はアスナが勢いよく立ち、言う。
「ならば尚の事だわ!もし“敵”……「リアルワールド人だろ……既に進軍してきてるぜ」え……?」
ダークの反論に、アスナが口を開けてダークを見た。
「大体の事情は俺の方で把握してる。大方、ダークテリトリー側のスーパーアカウントを使って乗り込んで来たんだろ……まぁ、うまく行きゃ万事OKって事だ」
ダークが言うと、レンリがおずおずと手をあげた。
「どうした、レンリ?」
「はい。そもそも、光の巫女って何なんですか?そのリアル……ワールドの“強奪者たち”って連中は、一体何故アリス殿をそんなに欲しがるんです?」

「右目の……封印」

その問いに答えたのは、会議で無音を通すかと思われたシェータだった。
「し……知ってるんですか、シェータ殿!?何故!?」
「考えると……痛くなる。世界で一番固いもの……“破壊不能属性(イモータルオブジェクト)”のカセドラル、切り倒したら……楽しいだろうな、って」
「……問題児は何処にも居るもんだな」
シーン。
ダークの一言で静まり返った場を、無かったことにしたのは、ベルクーリの咳払いだった。
「あー、この場にも、秘かに身に覚えが在るものは他にも居ようかと思う。帝国法や禁忌目録、或いは神聖教会への忠誠に、僅かなりとも不満なり反意を抱くと、その瞬間右の目ン玉に赤い光がちらつき、同時に刺すような痛みに襲われる現象だ。普通はその瞬間、あまりの激痛でそれまで考えていた事を忘れる。しかし、尚も不穏当な思考を続けると、痛みは際限なく強まり、右の視界全てが赤く染まりーーーーーしまいにゃぁ……」
「右眼そのものが、跡形もなく吹き飛びます」
アリスは、そう言う。
一同の顔に、濃淡はあれ等しく恐怖の色が浮かぶ。
「では……アリス殿は……」
レンリの声に、ゆっくりと頷いて、アリスは続ける。
「私は、元老チュデルキン、そして最高司祭アドミニストレータと戦いました。その決意を得るために、一時右眼を失いました」
「……つまりアスナ、そいつらは封印を解いた奴を欲してる訳か?」
「たぶん、そうだと思う」
「……フム。アリス、ユージオは?ライトの馬鹿が救った筈だろう?」
ダークが言うと、声がする。
「僕は此処だよ」
声のした方を向くと、そこにはユージオと、漆黒騎士団団長ジョーが立っていた。
「ジョー、お前……」
「い、嫌々誤解っすよ団長!!ユージオの旦那が補給部隊に紛れていたんでさぁ」
ジョーが言うと、アリスが言う。
「ユージオ!キリトの護衛をしてるはずでは!?」
「ゴメン、少し夜風に当たりたかったからさ」
ユージオが申し訳無さそうに言うと、ダークは言う。
「……取り合えず、今後の方針を決めないとだな」
ダークが言うと、一同が頷く。
が……
「そうよ!“コード871”!」
アリスがまたまた遮った。
「……アリス、会議をしようとする最中に遮るな」
「違う!コード871!最高司祭は、右眼の封印の事をそう呼んでいたわ。“あの者”が施した、って!その時は意味が分からなかったけど……これもリアルワールドの言葉じゃないの!?」
アリスの言葉に、ダークはアスナを見る。
途端、アスナの顔が驚愕の顔に変わる。
「……ジョー、ゲート開けろ!!」
アスナの呟きが聞こえたダークは、すぐにジョーに叫ぶ。
「ああもう!面倒な事しか起こさねぇ自衛官だな!!」
眼鏡の役人(笑)に叫ぶと、腕を振るう。途端、ダークが分離し、その分離した方がゲートを通って消えた。
「ダーク君、何したの!?」
「分身体を送った!ラース側の人間がスパイなら、当然次の行動を移す筈、阻止しねぇと不味いだろが!!」
ダークは叫び返すと、息を吐いて言う。
「アスナ、説明してろ」
ダークは言うと、その場から離れた。

























†††
























「……面倒な事になったよね」
黒い荒野の夜の下。ロードはダークに言う。
「最初はライトと僕が巻き込まれて……今度はアスナやダークまでもが巻き込まれた」
「……彼奴も、後悔はしてないだろ。愛する人を守るために来てるんだから」
ダークはそう言うと、立ち上がってSAO装備を着込む。
「……ロード」
「ん、何?」
「俺は、お前たちに……」
「言わないで」
ロードが言葉を遮る。
「その言葉を口にしたら、今までの冒険が無駄になるでしょ?」
「……そうだったな。珍しく弱気になってたよ」
ダークは言うと、腕輪に着信が入る。
「……ダーク」
『此方シャドウ。問題発生』
「どうした」
ダークは問うと、シャドウは口を開く。
『コードネーム強奪者(ロビング)、AWの創られたデータフィールドのURLをアメリカに送信、ベータテストと銘を打って、リアルワールドプレイヤーを召喚するつもりです』
シャドウの冷静な報告で、ダークとロードは同時に凍り付き、そして。
「……マジかよ」
掠れた声で質問した。
『肯定します。私も半信半疑でしたので、メインサーバーを調べたところ、サーバーは『ザ・シード連結体(ネクサス)』。新しいVRMMOと銘を打って、プレイヤーを呼び寄せるのは可能かと』
「……ご苦労。動きがあり次第、ラースに手助けを」
『イエス』
腕輪のリンクを切ると、蒼白した顔でダークは座り込む。
「……シット。マジで彼奴等、アリスをゲットするために戦争する気で居やがるのかよ」
「さしものダークでも、想像出来ない自体だよね」
ロードは冷静を装いながらも、少し焦りが見える。
「もし、プレイヤー達が現れたら……」
「アンダーワールドは間違い無く、滅びるぜ……」
ダークが言うと途端、雷撃が走った。
「……ロード?」
「いや、僕が自発的にやってるんじゃ無いよ!!何か、最近雷撃が出やすくなってるんだって!!」
ロードの言う通り、雷がロードから放出されている。
(……ライト、か)
「……うし!」
パァン!と頬を叩くと、立ち上がる。
そこには、迷いを振りきった神しか居なかった。
「考えても始まらねぇ!来たら来た、来ないなら来ない!もし来るなら……」
背の二振りの刀を持ち、言う。
「絶対に守って見せる。……ライトが、キリトが……英雄達が救った世界を!」
「ダークらしいね……ま、その考えには賛成かな?」
ロードも二挺の銃剣を抜いて、掲げる。
二人の眼には、もう迷いは無かった。 
 

 
後書き
そー言えば、ユージオ生きてることに気が付いて無かったのでこれを気に出しました。
ライト「うぉい!?」
えーと、所でコラボ参加する方々、データ送ってください、お願いします。無いと多分無理です。
つー訳で!
ロード「次回も!」
ダーク「素敵なパーティを始めるとするか!!」
……今回から決め台詞コレで。因みに元は夕立さんの台詞です。もしよかったら艦隊これくしょん~艦これ~をどうぞ。
ライト「……原作宣伝かよ」 
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